PR
Search
Calendar
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
<< August 2017 >>
New Entries
Category
Archives
Profile
Links
mobile
qrcode
RSSATOM 無料ブログ作成サービス JUGEM
駐米中国大使とも密通していたクシュナー氏/遠藤誉
0

    ロシア・ゲートで疑惑を受けているトランプ大統領の娘婿クシュナー氏は駐米中国大使とも密通し、トランプ大統領を親中に誘導していた。米国がAIIBに入れば日本も入る。中国の天下だ。背後にはキッシンジャー元国務長官が。

    「クシュナー&駐米中国大使」路線を構築せよ!

    昨年11月8日にトランプ氏が大統領に当選すると、同月17日、トランプ次期大統領はキッシンジャー元国務長官と会い、アジア外交問題に関してアドバイスを受けた。そのとき娘婿のクシュナー氏と、ロシア問題で後に大統領補佐官(安全保障担当)を辞任することになるフリン氏が同席していた。中国のウェブサイトThe Paperなどが伝えている。

    12月2日にキッシンジャー氏は北京で習近平国家主席と会談していたが、その同じ日にトランプ次期大統領が台湾の蔡英文総統と電話会談したことは既知の事実だ。

    しかしキッシンジャー氏がアメリカに帰国した後の12月6日、クシュナー氏に会って、中国の楊潔チ・国務委員と会うように忠告したことは、あまり知られていない。

    楊潔チ氏は、12月11日と12日、ラテンアメリカに行くことになっていた。そのトランジットでニューヨークに立ち寄り、12月9日と10日、キッシンジャーの仲介で、楊潔チ氏は崔天凱・駐米中国大使とともに、クシュナー氏に会った。ワシントン・ポストが報じている。

    会談場所はクシュナー氏の執務室だ!

    その結果はまだ、クシュナー氏からトランプ次期大統領に伝えられてはいなかったのか、あるいは敢えて揺さぶったのか、12月12日、トランプ氏は「(貿易問題に対する)中国の対応次第によっては、アメリカは必ずしも『一つの中国』原則に束縛されるものではない」という爆弾発言をした。

    キッシンジャー氏と駐米中国大使館は慌ただしく動いた。

    そして中国の春節(1月28日〜)の初五(5日目)に当たる2017年2月1日、崔天凱大使はトランプ大統領の娘・イヴァンカさんとイヴァンカの娘アラベラちゃんを中国大使館の「春節の宴」に招いた。

    その背後では凄まじい勢いでクシュナー氏とイヴァンカさんを中国陣営に取り込む作戦が実行に移されていた。

    中文メディアでは「クシュナーと中国大使との関係構築工作」という言葉で表現されている。つまり習近平国家主席が、崔天凱大使を使って、イヴァンカさんを取りこみ、クシュナー氏を中国陣営に取り込んで、トランプ内閣を改造させろという作戦である。

    トランプ大統領が娘イヴァンカさんの言いなりになり、その婿クシュナー氏を重用していることに目をつけた中国は、「クシュナーとイヴァンカ」にターゲットを絞ったのである。

    クシュナー氏は1月20日に大統領上級顧問に就任している。

    2月4日のCNNは、2月1日にイヴァンカさんが中国大使館に行く前に、クシュナー氏と崔天凱中国大使は、密室で長時間にわたり会談を行ったと書いている。

    対中強硬派は権力を削がれ、親中へと誘導されていくトランプ政権

    その結果、2月8日(日本時間2月9日)に、トランプ大統領は習近平国家主席宛てに春節のお祝いの電報にかこつけて、1月20日の就任式に習近平からもらった大統領就任の祝賀電報に対するお礼を述べている。そして翌日、安倍首相が訪米する日に合わせて、トランプ大統領は習近平国家主席と電話をして、「一つの中国」原則を尊重すると宣言するのである。

    背後にはもちろん、以前コラムで書いた習近平の母校の清華大学経営管理学院顧問委員会の委員で、トランプ大統領の「大統領戦略政策フォーラム」の議長でもあるシュワルツマン氏(ブラックストーン・グループCEO)の存在や、顧問委員会の委員で元米財務長官を務めたこともあるポールソン氏(ゴールドマンサックス元CEO)など親中派米財閥が動いていた。しかし、クシュナーと、クシュナーを操っていたチャイナ・ロビーとさえ言われるキッシンジャー氏の役割を無視することはできない。

    こうして4月4日付けで対中強硬策のバノン氏(主席戦略官)は国家安全保障会議の常任委員から外され、同じく対中強硬派のナバロ氏が委員長を務めていた国家通商会議は5月3日に廃止された。代わりに通商製造政策局が設置され、ナバロ氏がトップに就くものの、貿易相手国との交渉は担当せず、ナバロ氏の影響力が低下するのは明らかだ。

    バノン氏は解任される前、クシュナー氏のことを「民主党リベラル派に近く、トランプ主義に反する」と非難していたが、バノン氏はクシュナー氏の中に「中共に洗脳された人間」を見ていたのかもしれない。

    トランプ政権の中央から、対中強硬派は姿を消し、親中派が幅を利かす方向へと誘導されている。

    習近平の狙いは「一帯一路とAIIB」で「世界の覇者」に

    習近平国家主席の狙いは、一帯一路(陸と海の新シルクロード)構想とAIIB(アジアインフラ投資銀行)にアメリカを参加させて、世界の覇者になることである。

    「日本は対米追従なので、アメリカを取りこみさえすれば日本は必ずアメリカについてくる」と、中国は思っている。クシュナー氏や清華大学経営管理学院顧問委員会における米財閥委員を通してアメリカを懐柔し、先ずは5月14日、15日に北京で開催された「一帯一路国際協力サミットフォーラム」にアメリカ代表を送ってくれることを優先事項とした。

    だから、4月6日、7日の米州首脳会談では習近平国家主席はトランプ大統領に「一帯一路サミットフォーラムに米国が参加するように」、優先的に依頼した。

    中国における米中首脳会談の報道は、「一帯一路サミットフォーラムに米国代表を送るようにトランプ大統領に言った」ということが最も大きな成果として挙げられていた。あたかも、トランプ大統領が「承諾した」というような報道のしようだった。

    案の定、アメリカは代表を送り込み、日本もアメリカに倣(なら)った。

    中国の計算通りだ。

    アメリカがTPPから撤退した以上、グローバル経済の世界の覇者になるのは中国だと、中国は思っている。

    そのためには人民元の国際化だけでなく、国際金融の中心をウォールストリートから北京に持っていくことが重要だ。

    一帯一路とAIIBはペアで動いており、一帯一路は中国の安全保障を裏づけていく構想でもある。インフラ投資を表向きの看板としているが、それを名目として一帯一路沿線国・地域、つまり陸と海の新シルクロード経由地に物流の拠点とともに軍港を建設していく。すべて中国の影響力下に置くという寸法だ。

    この構想の中に日米が「ひれ伏して」入ってくるなら、世界はもう、中国のものだ。中国はそう思っている。

    習近平政権の国家スローガン「中華民族の偉大なる復興」とは、アヘン戦争でイギリスに敗北して以来の列強諸国による中国の植民地化に対する報復と、日米を凌駕することなのである。

    日中関係改善の兆しなどと喜んでいていいのか

    拙著『毛沢東 日本軍と共謀した男』で詳述したように、中国共産党・毛沢東は「統一戦線」の名のもとに国共合作をし、「日本軍と戦う振りをして日本軍と手を組み」、日本の対戦相手である国民党・蒋介石を弱体化させていった。そして毛沢東は最終的に天下を取ったのである。

    「統一戦線を張れ」と命令してきたのはモスクワのコミンテルンだ。

    まさに、第二次世界大戦のときに旧ソ連のコミンテルンがアメリカのルーズベルト政権に潜り込み、日本の近衛内閣にも潜り込んで、ソ連に有利な方向に世界を持っていき、そして日本を一気に敗戦へと追い込んだ状況を彷彿とさせる。

    あのころのコミンテルンの役割を、いまロシアのプーチン大統領と中国の習近平国家主席が演じている。

    中国の洗脳の力を軽んじてはならない。

    しぶとく影響力を持ち続けるキッシンジャーを中心に、クシュナーやイヴァンカという洗脳されやすい「若者」をコマに使って、中国の夢を叶える戦略がうごめいている。

    日本は先の戦争と同じ愚を繰り返さないようにしてほしい。

    そのためには、何が動いているのか、事の本質を見極める目を持たなければならない。ロシア・ゲートは、クシュナー氏を通して、日本に良い教訓を与えてくれていると思う。彼は、中国の巨大な戦略の犠牲者だ。

    中国は良好な米中関係を日本に見せつけて日本を動かし、日米を中国の枠組みの中に組み込んで、世界の覇者を狙っている。

    そのクシュナー氏は既にロシア・ゲートで米連邦捜査局(FBI)による捜査対象となっているが、トランプ大統領に(万一にも)弾劾裁判などが待っているとしたら、この「親中誘導」も「事件」として捜査の対象になっていく可能性がある。

    トランプ大統領は外遊から帰国した後、FBIがクシュナー氏を捜査対象としていることに関して早速「あれはフェイクニュースだ」とつぶやいているようだが、フリン氏がすでにロシア疑惑で辞職しており、フリン氏と行動を共にしていたクシュナー氏が疑惑から逃れることは難しいだろう。

    掲載した写真は、ロシアゲート疑惑報道が出た後の、外遊先におけるクシュナー夫妻の一コマだ。いつもの爽やかな笑顔をふりまく二人とは表情が違う。クシュナー氏の顔は恐怖に満ち、いつもは颯爽としているイヴァンカさんのうつむいた顔は苦悩に満ちているように筆者には見える。何もなければ、このような変化は生まれないだろうし、中国大使館との接触の仕方から見ても、ロシアゲートに関するFBIの捜査発表は十分な裏付けがあってのことだろうと推測される。(筆者の追跡は中国との関係にターゲットを絞っている。)

    今年はたしかに日中国交正常化45周年記念で来年は日中平和友好条約締結40周年となる節目の年ではある。

    しかし一帯一路サミットフォーラムに日本が代表を送り込み、習近平国家主席にAIIBへの加盟を勧誘されて、「日中関係改善の兆し」などと喜んでいていいのだろうか?

    なにも友好的であることをやめろとは言わないが、但し、そこに潜んでいる落とし穴があることに、日本は気が付いてほしいと望む。物事の本質を大局的に見極めた、毅然とした外交戦略を持てと言いたい。

    endo-progile.jpg[執筆者]遠藤 誉
    1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会科学研究所客員研究員・教授などを歴任。『チャイナ・セブン <紅い皇帝>習近平』『チャイナ・ナイン 中国を動かす9人の男たち』『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』『チャイナ・ジャッジ 毛沢東になれなかった男』『完全解読 中国外交戦略の狙い』『中国人が選んだワースト中国人番付 やはり紅い中国は腐敗で滅ぶ』『中国動漫新人類 日本のアニメと漫画が中国を動かす』など著書多数。近著に『毛沢東 日本軍と共謀した男』(新潮新書)

    posted by: samu | 政治認識/中国韓国 | 22:43 | - | - | - | - |
    忘れるな、真の脅威は中共である/西村眞悟
    0

      西村眞悟の時事通信  平成29年5月29日

       

      イタリアにおけるサミットが終わった直後の本日午前五時半頃、
      北朝鮮がまたミサイルを我が国の排他的経済水域に撃ち込んだ。
      その弾着地点は、隠岐の島から三百キロ、佐渡から五百キロであるという。

      安倍総理は、記者団に囲まれて、
      アメリカと共同して「具体的行動」を執ると話した。
      その「具体的行動」は、
      またもや「話し合い」ではなかろうな、
      と思って聴いていた。
      そして、マスコミでは、ミサイルや軍事や国際政治の専門家が、解説をしている。
      まるで、北朝鮮の三代目の一挙手一投足に関心を集中させているが如くである。
      マスコミは、漫画のような豚が笑って敬礼している無意味な姿を放映しすぎる。
      そこで、この「関心集中の枠」から外に出て言い放ってみたい。

      北朝鮮は、今まで、オドシとタカリを繰り返して韓国と我が国から利益を得てきた。
      とりわけ、韓国の金大中政権と盧武鉉政権の時代の国家支援のうま味は忘れがたい。
      金大中は、当時五億ドルの秘密支援を北朝鮮に行い、
      南北首脳会談をしてもらってノーベル平和賞を受賞した。
      盧武鉉政権も、北朝鮮に国家支援・秘密支援を行っていた。
      そして、この度、新しい韓国大統領になったのは、
      この秘密支援に深く関わった親北朝鮮の男である。
      オドシとタカリが習い性になった北朝鮮が、
      新しい大統領がカネを出しやすいように、
      オドシから入ってくるのは習い性の為せる結果である。
      今しているのが、それだ。

      北朝鮮が、今までに発射したミサイルは、全て短距離と中距離である。
      アメリカに届くミサイルがあるようなことを言っているが、
      撃つのは中距離までである。
      従って、北朝鮮は、アメリカを脅してはいるが、
      巧妙にアメリカを過度に刺激してはいない。

      そこで、そのアメリカは、
      中距離までのミサイルを何と呼んできたのか。
      それは、「シアターミサイル」=「劇場のミサイル」である。
      つまり、アメリカにとって自分に届かないミサイルは、
      「劇場のミサイル」=「見物するミサイル」=「傍観するミサイル」なのだ。
      即ち、アメリカは、自分に届く大陸間弾道ミサイル(ICBM)は
      「具体的行動」によって阻止するであろうが、
      アメリカには届かないが日本には届く中距離弾道ミサイルは
      「シアターミサイル」であり「劇場で見物・傍観するミサイル」である。
      従って、安倍総理が、
      この度の北朝鮮の短距離ミサイル発射に反発して、
      アメリカと共に「具体的行動」をすると言っても、
      アメリカは、「オイオイ、何をやるっと言うんだよ、兄ちゃん」
      と思っている公算大である。

      問題は、アメリカは自分の領土にミサイルが届くか否かを基準にしているが、
      我が国は、自分の領土にミサイルが届くか否かを基準にしていなかったことだ。
      我が国は、一九七七年九月の、ヘルムート・シュミット西ドイツ首相の
      中距離核弾頭ミサイルに対する果敢な決断と行動を観て観ぬふりをしていた。
      即ち、シュミット首相は、
      ソビエトが西ドイツに向けて実戦配備した
      中距離核弾頭ミサイルSS20に対抗して
      同じく中距離核弾頭ミサイルパーシング兇鯑各して
      ソビエトに向けて実戦配備して相互確証破壊の態勢をつくり、
      その上で強力な軍縮圧力をかけてソビエトにSS20を撤去させている。
      この時、アメリカは、SS20は「シアターミサイル」なので動いていない。
      その十五年前の一九六二年、アメリカがキューバ危機で動いたのは、
      キューバに設置されたソビエトの核ミサイルがアメリカに届くからである。

      安倍総理、
      今からでも遅くはない。
      丁度、四十年前のシュミット首相のように、
      さらにその十五年前のケネディ大統領のように、
      中距離核弾頭ミサイルを導入する為の「独自の具体的行動」、
      さらに、核の脅威を除去するための「独自の具体的行動」を執るべきである。
      待っておっても、
      アメリカは「シアターミサイル」に対しては具体的な行動はしないのだから。

      次に、最も警戒すべきは、中共であることを確認するべきである。
      アメリカのトランプ大統領が、
      中共の習近平主席と会談し、
      北朝鮮に対して強い影響力を持つ中共に、
      北朝鮮を抑えるように要請し、
      中共もその要請に理解を示し、応じたような情報が流れてから、
      我が国には、北朝鮮問題は、
      米中がしてくれる問題との雰囲気がわっと広がった。
      そして、北朝鮮問題は、
      米中の問題として、他人事のように眺めると共に、
      中共に対する警戒感が一挙に薄れた。
      これは、一番危険である。
      中共こそは、ますます増大する我が国の最大の脅威なのだ。

      我が国は、北朝鮮の三代目を煽てて、
      そのミサイルを北京に向けさせる工作を進めることも考えてもいい。

      反対に中共は、北朝鮮の三代目をダシに使って、
      アメリカの要請に応えるという表向きの米中宥和路線を演出して、
      アメリカと太平洋を二分して支配する覇権戦略を実践に移しつつある。

      不動産屋のトランプが、
      その中共との土地線引きの取引に乗らないという保障は何処にもない。

      その中共の着手点が、
      南シナ海の南沙諸島であり東シナ海の尖閣と沖縄本島である。
      我が国政府は、北朝鮮問題での中共の「影響力行使」に期待して、
      尖閣諸島における中共の攻勢の増大に警戒心を弱めているが、
      これが一番危険だ。
      北朝鮮の三代目が暴れれば暴れるほど、
      中共は南西方面の我が国の領空領海への攻勢を強めている。

      以上、北朝鮮の花火のようなミサイル発射に過剰反応していると、
      今まで通り騙されることになると警告し、
      我が国とアジアの真の脅威は、
      中国共産党独裁国家、中共であることを強調したい。

      posted by: samu | 政治認識/中国韓国 | 09:23 | - | - | - | - |
      ◆米国スパイ網を一網打尽にした中国の防諜大作戦/福島香織
      0

        言葉がわからないから華人を雇って、二重スパイに寝返られるとか、ばかばかしい話だが、そのばかばかしい失態で、少なくとも米国人12人が秘密裡に殺害されているのだから、恐ろしい話である。ニューヨークタイムズは、殺害、あるいは拘束されたCIA関係者たちはおそらく”冤罪“であろう、という当局者のコメントを引用している。CIAと言えど、すべての職員がものすごい秘密工作を行っているのではなく、ほとんどが公開情報の分析であり、ときに官僚や政治家と食事などを通じて“情報交換”を行うが、そのほとんどの情報がさして、ものすごい機密性のあるものではなかったりする。殺されるほどのことはあるまい、と私も思う。

        反スパイ法でKCIAも摘発

         だがこの理不尽さこそ中国の強みかもしれない。中国はご存じのように、反スパイ法を2014年から施行した。おそらくはCIAのスパイ網摘発後、中国国内に構築された米国のスパイ網に対する危機感をさらに強めたからだろう。私が仄聞したところでは、この当時、韓国中央情報局(KCIA)のスパイ網も摘発されたという。解放軍の歌姫・湯燦が秘密裡に逮捕され国家機密漏洩で有罪判決を受けたのもこのころで、米国の情報機関とつながっていたとか、知らずにKCIAのスパイと同棲していたといった噂が流れていた。

         反スパイ法は、なかなか恐ろしい法律で、これにより社会全体がスパイ狩りに動員され、諜報機関に所属せずとも、その代理人に接触してさして機密性があるわけでもない情報を提供するだけで、スパイ容疑に当たりうることになった。さらに直轄市や省レベルの行政単位で、密告奨励法が次々と施行され、2017年4月に北京市で施行されたスパイ密告奨励法によれば、密告者に対し最高50万元の奨励金が支払われるという。隣人親兄弟が反革命罪を密告しあった文化大革命時代とそう変わらない密告社会の再現は、文革時代のように冤罪者も多く生むであろうとみられている。実際、少なくない学者や知識人、ジャーナリストが冤罪と思われながらも、国家機密漏洩有罪の憂き目にあっている。

         最終的な証拠がなく、CIA内の二重スパイ容疑者の身柄を確保しながらも、むざむざ逃がしてしまう米国。華人をスパイ容疑者として逮捕すれば、“人種差別”と民間団体が批判の声を上げる米国。これに対し、問答無用でスパイ容疑者を殺害してしまうだけでなく、冤罪を恐れることなく密告によって容疑者を逮捕、起訴してしまう中国。本気でスパイ合戦をしたら、どちらが有利かいわずもがなだ。

         環球時報は、このニューヨークタイムズの報道を受けて勝ち誇ったようにこんな社説を掲載した。

         「ニューヨークタイムズは、米国のスパイがおそらくは非常に無辜であり、中国国家安全当局が明らかに“人情に違う”と批判している。匿名の米国当局者は中国の近年のインテリジェンス分野におけるあり方を“過激すぎる”と非難している。…この報道が事実とすれば、我々はむしろ中国の防諜システムが出色であると称賛する。CIAのスパイ網を破壊しただけでなく、ワシントンに“一体何が起きたのか?”と戸惑わせるなど、防諜工作として最高のレベルではないか」

        中国に対抗し得る防諜のあり方とは

         日本も中国の“防諜”の恐ろしさを他人事ではなく、きちんと肝に銘じておくことだ。今年になって地質調査会社社員ら20歳〜70歳の日本人6人が新たにスパイ容疑で拘束され、これでスパイ容疑で拘束されたり起訴されている日本人は11人以上にのぼる。彼らが本物のスパイかどうかなど、実際のところ、中国にしてみればどうでもよい。スパイという名目で11人もの日本人が拘束、拘留されている、という事実だけで、十分な対日世論工作と防諜効果があるのである。こういう国と、防諜・諜報合戦を行っていかねば自国の安全保障も心もとないとなると、確かに特定秘密保護法や共謀罪の是非で世論が揺らぐのも致し方ないという気もしてきた。過剰な法律で統制する中国のような恐ろしい国にはなりたくない。では、日本の“防諜”はどうあるべきなのか。それを一緒に、法整備の問題を考えないことには、本当の答えは導けない。



        株式日記と経済展望ブログより(私のコメント)

        日本にはスパイを取り締まる法律がなく、国会内や中央官庁にスパイがいても取り締まることができない。日本にはスパイ取締法がないからですが、まさに日本はスパイ天国なのだ。関係法で捕まえても1年で釈放されてしまう。なぜ出来ないかといえば国会議員自身が反対するからだ。

        自民党内でもスパイ取締法を作ろうとしたら、谷垣元総裁が反対して潰された。谷垣氏は中国でハニトラされたという記事が週刊誌に出たことがある。橋本龍太郎元総理も中国女と付き合って秘密を漏らしたことがあるようだ。自衛隊には800人もの中国人妻がいるが、これもハニトラの一種だろう。

        日本の政治家や会社の幹部が中国に行けば、なかなかいい思いするらしくて中国びいきになって帰ってくる。このようなルーズな体制だからスパイ取締法ができたらかなりの人が捕まるだろう。産業スパイに至っては中国人社員が企業機密を奪って中国に送っている。だから日本の技術は中国や北朝鮮や韓国などに簡単に流出してしまう。

        そればかりではなく、スマホや携帯電話も盗聴され放題なのですが、それらも無頓着に使っている。一般市民なら国家機密や企業機密には関係あrませんが、国内世論動向などもスマホやメールなどで収集している。スパイといっても007のようなスパイではなく、公開された情報を分析したりすることも情報機関の役目だ。

        日本の閣内の様子も、外務省官僚によってアメリカ当局に逐一報告されていることがウィキリークスなどによって暴露されましたが、このようなことがスパイ行為になるということすら自覚がない。だから外交交渉でも日本側の意向は全部筒抜けであり、外交交渉にならないのだ。

        安倍総理はプーチン大統領やトランプ大統領との秘密会談を何度も行っていますが、外交機密を守ろうと思ったら秘密会談しかない。外務省が絡めば必ず漏れてしまう。それくらい外務省はスパイの巣窟であり、日本の政治家に秘密情報を漏らせば3日後には全世界に知られてしまうほどだ。

        これに比べれば、中国や北朝鮮のような独裁国家においてはスパイに対しては厳格であり、疑いがあるだけで逮捕されて処刑されてしまう。北朝鮮などではスパイ刈りが絶えず行われて金正恩のNO2ですら中国との関係を疑われて処刑された。独裁国家では秘密を保持することが最高国益であり、アメリカなどのスパイも北朝鮮にはいないようだ。

        中国も同じであり、日本人の温泉の技術者が6人もスパイの疑いで逮捕されましたが、それ以外にもスパイの疑いで逮捕された日本人が何人もいる。つまり中国に行く時はスパイで捕まえられることを覚悟していくべきであり、観光目的で観光地を行く以外はカメラを持っているだけでスパイとして逮捕される可能性がある。

        中国や北朝鮮は完全な監視社会であり、一人の国民がもう一人の国民を監視する社会であり、たとえ親子であっても密告の対象だ。それほど厳格な監視体制を取らないと国家体制が維持できないからであり、ルーズな日本とは対極にある。どちらがいいかは考え方次第ですが、中国や北朝鮮は国民を恐怖に陥れて監視していかなければ国が持たない。

        米中のスパイ合戦も、中国は好き勝手にアメリカにスパイを送り込んで、政府組織などに潜り込ませることは容易だ。政治家も金で簡単に落とせるし、疑いがあっても逮捕されることはなく国外に逃げてしまえば捕まらない。独裁国家と民主国家の違いはスパイに対する対処で大きく異なりますが、スパイを取り締まる法律すらない日本は究極の民主国家なのだろう。

        posted by: samu | 政治認識/中国韓国 | 09:15 | - | - | - | - |
        韓国、「特異な国民性」競争心強く実現しないと「被害者意識」 /勝又壽良
        0

           

          韓国人とは、どんな民族特性なのか。牢固とした「反日」姿勢を持ち続けて、絶対に過去を水に流さずに、日本を責め立てている。この裏には、日本への劣等感が渦巻いていることだ。慰安婦問題は、それを典型的に表している。この問題は、70年以上も過去のことである。政治的には解決したはずだが、なお反日姿勢を崩さない。日本に打つ手はない。

          当時の日本には、公娼制度が存在した。慰安婦問題はその一つである。韓国では、こうした当時の法制度を無視して、現代の人権感覚で過去を糾弾している。こういう批判は、一回ぐらい認められてもその後、依然として非難し続ける姿は異常に映る。

          韓国は、ベトナム戦争で大量の民間人を殺戮したほか、現地女性に沢山の子どもを生ませて放置している国家である。それが、こと日本問題となると、聖人君子へ豹変する。自らの行為には口を拭って「反日」に転じる。毎度のこととはいえ、被害者意識を全開させてくる裏に、韓国の異常な国民性を指摘するほかない。

          私が、韓国ウォッチをしながら気付いた点は、韓国国民が他民族より優っているとの自負心を持っていることだ。この点は、中国人と共通である。理由もなく、日本人よりも優秀と思いこんでいる。日本人のできることは、韓国や中国の人間も無条件で実現可能と考えている。自らの実力を検証せずに思いこみで行動するのだ。そして、失敗すれば「被害者意識」に囚われて、日本を恨むという悪循環に落ち込んでいる。

          『朝鮮日報』(4月21日付)は、「韓国の高校生、一番になりたい、達成動機はOECDで突出」と題して、次のように伝えた。

          私がこの記事に注目したのは、韓国の国民性を解くヒントがあると見たからだ。OECD調査で見ると、韓国の高校生はクラスで一番になりたい比率が82%になっている。OECDで最高の比率である。これだけ激烈は競争意識を持っているが、当然に「一番」は一人しかいない。「敗者」はどうするのか。このやり場のない気持ちは、「被害者意識」に変わって、誰かを恨まずにはいられない精神状態にになる。自己抑制ができないのだ。

          「反日意識」は、まさにこのケースが当てはまる。儒教が世界最高の倫理と考えている韓国人は、非儒教の日本は下劣な存在に映っている。その日本が、こともあろうに日韓併合で朝鮮を支配したから許せない。韓国は、こういう恨み=被害者心理から脱け出せないのだ。

          (1)「OECDは、世界の15歳(高校生)54万人を対象に、全般的な生活満足度と達成動機、身体活動、親との関係などをアンケート調査した。OECDのアンドレアス・シュライヒャー教育局長は報告書で、『(韓国など)学歴が高くても生活満足度が低い国がある一方で、フィンランド・オランダ・スイスの高校生は学習の結果と生活満足度がよく調和している』と述べた」。

          韓国は、学歴が高いものの生活満足度は低いというアンケート結果である。高い学歴を得れば、それにふさわしい幅広い人生観=教養を持つはずである。韓国では、高学歴=出世と誤解している。高学歴=幅広い教養であると納得しないのだ。これは、儒教社会の官僚制度の科挙当時と同じ感覚である。

          日本では、戦前の旧制帝国大学を出れば、それなりの社会的な待遇を受けて満足な人生を送れたかも知れない。戦後の大衆化社会では、そうした出世コースは不可能である。だから、高学歴=出世とは理解していないはずである。韓国の認識遅れは、社会構造が前近代的であることを表している。儒教社会そのままである。

          (2)「韓国の高校生は、『一番になりたい』という達成動機が非常に強いことも分かった。例えば、『うちのクラスで一番の生徒になりたい』という高校生は82%で、OECD平均(59%)を大きく上回った。同時に、学校の勉強で緊張・心配する割合も他国より高かった。 『学校で悪い成績を取るのが心配だ』という高校生は75%(OECD平均66%)に達した」。

          日本では俗に、「点取り虫」と言って、ガリ勉は歓迎されない雰囲気である。理想型は、「文武両道」であり、勉強と運動の両方で卓越していることが高評価を受けてきた。韓国では、「学校で悪い成績を取るのが心配だ」というほどの点取り虫になっている。ソウル大学などの難関4大学の入試では、ほとんど満点を取らないと合格できないという。ガリ勉集団が、韓国のエリート大学生と言えそうだ。こういう名ばかりのエリートが、卒業後に国家のリーダーになるわけだから、韓国の政治や経済が停滞するのは当然であろう。

          前述の通り、ソウル大学などの入試ではほとんどが満点だとすれば、この段階では成績に甲乙をつけがたいはずだ。だが、社会へ出ても全員が、出世コースに乗れるものでない。トップは一人だから、残りは全員が「負け組」に分類される。こういう社会が異常であることは言うまでもあるまい。人間の価値は、大学入試のような記憶力の点数で評価されるものでない。こう見ると、韓国社会は近代的な社会として発展できる基盤を持っていないのだ。(後略)



          株式日記と経済展望ブログより(私のコメント)

          韓国は日本の隣国であり、身の回りにも多くの在日韓国人がいる。日本で働いている人も大勢いる。しかし見た目は日本人とほとんど区別はつかないが、考え方が違うために摩擦が生じやすい。どうしても見た目が同じだから日本人と同じように対処して摩擦を生じてしまうのだ。

          だから摩擦を生じさせないためには、韓国人や中国人の国民性を理解して対処しないと摩擦は起き続ける。日本の政治家も、日本国民に対するのと同じように謝罪してしまうと許されるどころか更に問題をこじらせてしまう。韓国人や中国人と日本人とでは考え方が異なることは儒教などを通じて説明してきましたが、上下意識が非常に強い。

          テレビでK-POP番組を見るのですが、どれもがランキングで歌番組が構成されている。歌でランキングしても意味はないと思うのですが、日本ではこのような歌のランキング番組は消えてしまっている。むしろ今の日本でどんな曲が流行っているのかわからないくらいですが、AKBやジャニーズばかりでは歌番組も廃れるわけだ。

          だからランキングにこだわる韓国人と、ランキングに無頓着な日本人との感覚の差が摩擦となって現れる。学歴に関する考え方にしても、韓国人にとっては学歴と成績とはまさに生命線であり、入学試験における受験生の猛烈さは日本では想像ができない。日本ではAO入試で大学入試が骨抜きになり、成績よりも入学生を集めることに大学は夢中になっている。

          日本では一流大学を出たからといって社会で成功できることは保証されていない。一流大学を出たような人物が、シャープや東芝などの一流企業を潰している。事業で成功することと学歴とはあまり関係がなく、学生時代の成績ともあまり関連はないようだ。しかし韓国では一流大学を一番で出て、大財閥企業に入ることが成功の鍵になっている。

          だから韓国人にとっては勤める企業も一流企業でなければならず、中小企業に対する考え方も日本人とは異なるようだ。職人や技術者に対する評価も日本人と韓国人とは異なる。韓国人は上下意識に非常に敏感であり、1歳でも年が違えば上下関係が成立する。だから彼らにとっては日本が上位であるという事ほど不愉快なことはない。

          だからこそ韓国政府は日本の70年以上も前のことまで持ち出して日本を批判する。しかし今の倫理観で当時の事を批判するのは筋違いもいいところですが、それくらい韓国の焦りは強い。本来は日本がどうであろうと韓国人は韓国国内の事を心配すべきだし、日本を批判したところで韓国が良くなるわけではないのだ。

          上下意識の強さは、加害者と被害者の意識も強くなることであり、韓国は被害者であり、日本は加害者だから叩けということになる。被害者という立場に立てば倫理的な優位性があるということになる。このような構図を韓国国内でも乱用されて、勝俣氏も、『韓国では、青年政策、教育政策、研究政策、エネルギー政策、産業政策、不動産政策などでも「被害者−加害者」のポピュリズムが必ず登場するという。韓国政治の限界がここにある。』と指摘する。
           

          posted by: samu | 政治認識/中国韓国 | 09:58 | - | - | - | - |
          中国の日本侵略/藤岡信勝
          0

            中国の日本侵略を考えるとき、すぐ「軍事による侵略」のほうに意識が向きがちですが、もう一つ、「移民による侵略」及び「所有権移動による侵略」があります。後者の侵略はすでに始まっていて、私の故郷の北海道釧路でも中国資本による買い占めが進行していることは産経新聞が報道したとおりです。水や土地の外国資本による買い占め規制の法律案は高市早苗先生が起案しておられたのですが、内閣法制局が私有財産権を侵害するとしてストップをかけているという構図だったと思います。二つの侵略ルートの後者の侵略について、政府はどう考えているのか、上記の産経報道後も特段の報道がありません。いずれにせよ、侵略は必ず「二つの侵略」の組み合わせからなることを意識していなければならないと思います。
             さらにもう一つ、従来「間接侵略」などと呼ばれてきた「思想侵略」があります。日本人に敵国(中国)のイメージと正当性をたかめ、自国(日本)の悪さを刷り込むことです。思想侵略の中心にあるのは「歴史侵略」です。習近平政権発足直後から、中国は領土問題とセットにして、新たな規模で日本に対する「歴史侵略」を開始し...ました。その舞台として利用されたのが、国連とユネスコです。これを私達は、中国が日本に「歴史戦」を仕掛けてきたと位置づけていますが、「歴史侵略」と言い換えてもよいのです。
             中国の日本侵略を考える場合に、この「3つの侵略」の組み合わせとして構造的にとらえておく必要があります。こうした観点に立つと、本日FBで拝見した「日本を守ってきたのは法務局」という佐藤和夫氏の投稿は大変興味深く、意義のあるものです。安倍内閣の一番ダメなところは、「移民という言葉だけを否定した事実上の移民導入政策」を取っているところです。これはおそらく、小泉政権を継承する形で政権に就いた安倍首相が、新自由主義やグローバリズムの影響を思想的に総括した形跡がないことと関係があります。

            【佐藤和夫氏のタイムラインから】
            元陸幕長、今偕行社会長をしておられる富澤暉氏の講演会を聞いた時の話。
            日本の安全保障全般の話をされた後、質問の時間となり、私は「今は弾の飛ばない戦争、即ち移民による人口侵略を安全保障を考える上で取り入れるべきではないか」と質問した。
            富澤氏はその質問に対してこう答えた。
            私の父は芥川賞を受けた作家でその友人の直木賞を貰った人が私が松本の連隊長をしていた時訪ねて来て、隊員に話をさせろと言う。隊員を招集して話をさせた所、その作家が「日本を守っているのは誰か、お前達は知っているか」と尋ねる。一同きょとんとしていると「それは法務局だ」と言われた。
            今から33年前にもなる時だが、その作家は世界を旅し、既に移民問題が大きな問題になる事を予想していたのである。
            今世界が移民問題で揺れている。日本がその問題から無縁でいられたのは正に移民受け入れを厳しく制限してきたからだ。
            朝鮮人を受け入れた事が大きな社会問題となっており、そのせいもあったかもしれない。
            今外国人労働者受入れをすべての政党が賛成しているか反対していない。この事は日本にとって大問題である。厳しく制限を加えていた法務局も大きく変わろうとしている。
            あの直木賞作家の言葉が今や警告となって聞こえる。

            posted by: samu | 政治認識/中国韓国 | 11:12 | - | - | - | - |
            半島危機 北は何を求めているのか/加瀬英明
            0

                

               

               アメリカ鷲と中国龍が、4月6、7日に、フロリダのトランプ別荘で対決した。

               核の牙を磨ぐ北朝鮮と、翌月の3日に平和憲法70周年記念日を迎える日本と、その6日後に親北か、親米か選ぶ大統領選挙が迫る韓国が脇役として、舞台裏に控えていた。

               初日の午後8時40分(フロリダ時間)に、地中海に浮ぶアメリカの駆逐艦から、ミサイルがシリア空軍基地に撃ち込まれた。

               フロリダでは、トランプ大統領と習近平主席がシャンペンソース添えシタビラメと、ニューヨークカットのステーキを頬張って、デザートが配られているところだった。トランプ大統領が習主席に、シリアへミサイル攻撃を加えたと告げて、支持するように求めた。

               習主席はその時、一瞬、呆然としたが、「多くの赤ん坊が殺されたから、仕方がない」と力なく、つぶやいた。習主席に随行した幹部のうち何人か、唖然としたにちがいない。

               この数時間後に、ロシアがアメリカのシリアに対するミサイル攻撃は侵略行為だと、激しく非難した。

               中国は2ヶ月前に国連安保理事会で、シリアのアサド政権が2013年から市民に対して、化学兵器を用いたという化学兵器禁止機関(OPCW)の調査結果にもとづいて、シリアへ制裁を加える決議案が提出されたのを、ロシアとともに拒否権を行使して、葬ったばかりだった。

               習主席は自分と、プチン大統領の顔に泥を塗ったのだった。

               習主席は年末の19回共産党大会で、中国13億人の「核心」である最高指導者として、もう1期5年選出されるために、アメリカとできるだけ波風をたてたくなかったから、トランプ大統領にとっさに媚びたのだった。

               トランプ大統領は習主席に北朝鮮の核ミサイル開発を阻むために、中国がよそ見をしないで、真剣に協力するように求めた。それでなければ、アメリカが「ゴー・イット・アローン」(単独で行動する)といって、凄んだ。北朝鮮に龍をけしかけたのだが、ここしばらくは中国の出方を見守ろう。

               もし、アメリカが北朝鮮に軍事攻撃を加えたら、韓国と日本が戦火に包まれる。

               アメリカは原子力空母『カール・ビンソン』を中核とする機動打撃群を、朝鮮近海へ急行させた。北朝鮮は怯んで、きっと予定していた6回目の核実験を、半年か、1年か、延期することになるだろう。だが、このままゆけば、朝鮮半島は遅かれ早かれ、爆発しよう。
               朝鮮半島で戦争が始まる可能性が、高まった。日本は戦後で最大の窮地に、立たされるようになっている。

               トランプ大統領は、オバマ政権が中国という暴れ龍を仕付けることを怠り、北朝鮮の核・ミサイル開発を放置していたツケを、支払うことを強いられている。

               私はトランプが大統領選に勝ったのを、手放しで喜んだ。もし、ヒラリーが勝ったら、オバマ政権の8年間の対外政策の無策が続くことになって、世界がいっそう安定を失うことになったろう。

               私はトランプと「オポチュニティ」(機会)を合成して「トランポチュニティ」(Trumpportunity)と呼んだが、トランプが予測不能だから期待した。それに選挙中、事務所にレーガン大統領とジョン・ウェインの等身大の写真を飾って、「メイク・アメリカ・グレイト・アゲイン」と叫んでいたが、「メイク・アメリカ・タフ・アゲイン」と聞こえた。

               トランプ大統領は、北朝鮮がアメリカまで届く核ミサイルを完成することを、「絶対に許さない」と、いっている。北朝鮮が6回目の核実験を強行する場合には、核施設や、ミサイル基地を攻撃するか、中国に北朝鮮への石油の供給を、完全に停めることを求めよう。

               いったい、北朝鮮は何を求めているのだろうか?

               北朝鮮は何よりもアメリカと交渉して、アメリカが北朝鮮を核保有国として認めたうえで、米朝間に国交関係を結ぶことによって、金王朝の存続を保証することを強く望んでいる。

               ところが、ティラーソン国務長官は米中首脳会談が終わってから、「北朝鮮が核開発を放棄しないかぎり、話し合いに応じない」と、言明した。

               3月6日に、北朝鮮が4発のミサイルを発射して、3発が秋田県沖合に弾着した。その直後に、北朝鮮は「在日米軍基地を狙った演習だった」と声明した。日本の沖合に4発とも落すつもりだったが、1発が外れたにちがいない。

               4発のミサイル発射は、北朝鮮のアメリカへの熱烈な“ラブコール”だった。

               7日後にマレーシア空港で、異母兄の金正男氏を、VXガスを用いて暗殺した。なぜ、他の毒物を使わなかったのか。VXガスを大量に貯蔵していることを、示したかったのだ。

               おそらく、安倍首相がアメリカの袖に縋って、北朝鮮と話し合うように哀願することを、期待したにちがいない。
              posted by: samu | 政治認識/中国韓国 | 10:30 | - | - | - | - |
              米国で出てきた「もう韓国を助けるな」の声/古森義久
              0

                「米国が朝鮮半島の危険な情勢に関与する必要はもうない。韓国との同盟を解消して、在韓米軍も撤退すべきだ」――こんな過激な主張の論文が米国の大手外交雑誌に掲載された。ソ連の巨大な脅威が存在した東西冷戦時代ならば米国の朝鮮半島関与は意味があったが、今は北朝鮮の脅威は韓国に任せればよい、とする孤立主義に近い主張である。

                 論文の筆者は長年ワシントンの外交政策論壇で活動する研究者だ。その主張はきわめて少数派と言えるが、米国の一部にこうした意見が存在することは認識しておく必要があるだろう。

                中国の存在のほうが大きな問題

                 米国の大手外交雑誌「フォーリン・ポリシー」4月号は「アメリカはもう韓国を解き放つ時だ」と題する論文を掲載した。筆者は異色の保守派論客であるダグ・バンドウ氏である。同氏は国際問題を専門とする研究者であり、レーガン政権で大統領補佐官を務めた経歴を持つ。現在はワシントンの老舗研究機関「ケイトー研究所」の上級研究員として活動している。

                 バンドウ氏は論文で、まず北朝鮮が核兵器やICBM(大陸間弾道ミサイル)の開発を進めて緊迫する現在の情勢について「米国はなぜアジアの小さな貧しい北朝鮮という国だけに大きな関心を向け、米国人の血を流すことになる戦争を選択肢にしようとするのか」という疑問を提起する。「アジアには、もっと真剣に対処すべき中国のような大国が存在するではないか」とも述べる。

                バンドウ氏もケイトー研究所も基本的なスタンスは、個人の自由を最大限に求め、政府の役割を極端に小さくすることを主張する「リバタリアニズム」(自由至上主義)系の思想である。「小さな政府」を主唱するという点では、保守主流派と主張が重なっている。リバタリアニズムは、外国との同盟などを減らす孤立主義を説くことも多い。

                韓国に米国の助けはいらない

                 バンドウ氏は同論文で以下の諸点を主張していた。

                ・米国が朝鮮半島に介入し、韓国と同盟を結んで、北朝鮮と対峙した最大の理由は、東西冷戦中にソ連側陣営の共産主義の拡大を防ぐためだった。朝鮮戦争で共産側と戦って3万7000人もの米国人の命を失ったのも、北朝鮮の背後にいるソ連の勢力圏の膨張を阻止するためだった。

                ・だが、今や世界はまったく変わってしまった。米国にとって朝鮮半島は東西冷戦中の地政学的な意味を失い、朝鮮半島での「代理戦争」はもはや過去の遺物となった。韓国を防衛することも北朝鮮の核武装を阻止することも、米国の基本的な国益とは関わりがなくなった。

                ・いまの朝鮮半島で起きうる最悪の事態は、北朝鮮と韓国との戦争だろう。しかしこの戦争も国際情勢全体、あるいは米国の基本的な国益という観点からみれば、それほど重大な出来事ではない。米国が介入しなければこの戦争は朝鮮半島だけに限定されるので、かえって国際的な被害が少ない。

                 

                ・在韓米軍は長らく不可欠な聖域のようにみなされてきた。だが、かつてカーター政権はその撤退を提唱している。

                ・現在、韓国には約2万8000人から成る米軍が配備されているが、もしも朝鮮戦争が起きた場合、米軍の被害は甚大となる。だが、いまの韓国の国力は北朝鮮を圧倒的に上回っている。韓国軍は米軍の力を借りなくても勝利を得られるはずだ。

                ・韓国にはときどき金大中政権のような北朝鮮との融和を求める政権が登場し、「太陽政策」の名の下に北に100億ドルもの援助を与えるような異常な出来事が起きる。援助を受けた北朝鮮は、その間に核兵器や弾道ミサイルの開発に励んでいた。韓国は「米国の保護がある」という安心感から、そんな行動をとるのだ。だから、米国は保護をやめたほうがよい。

                ・在韓米軍の存在は中国の膨張を防ぐためだとする議論もある。だが、中国が朝鮮半島に進出して北朝鮮を自国の支配下におく意図がないことは、すでに明白だ。台湾や南シナ海、東シナ海など、北朝鮮以外の地域での中国の攻勢を抑えるための在韓米軍の効用はほとんどない。

                ・韓国が核武装して北朝鮮の核兵器に対抗しても、米国にとって大きな不利益はない。また、在韓米軍を撤退させた後も、米国が核の拡大抑止、つまり北朝鮮に対する「核のカサ」を韓国に提供し続けることは可能である。

                 バンドウ氏は、国が朝鮮半島への関与を減らすことで、韓国も北朝鮮も自立や自主性の意識を高め、責任のある外交や戦略を展開するようになるのではないかと総括していた。

                 現実的には、米国が韓国から、さらには朝鮮半島から離脱する可能性はきわめて低いとはいえ、いまの米国内にはこんな主張があることも知っておくべきだろう。

                 

                [あわせてお読みください]

                posted by: samu | 政治認識/中国韓国 | 09:43 | - | - | - | - |
                内乱とも言うべき切迫した韓国情勢 」櫻井よしこ
                0

                  『週刊ダイヤモンド』 2017年3月25日号
                  新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1175

                  韓国は革命前夜だと言ったら、韓国人の洪熒(ホン・ヒョン)氏が「前夜ではありません。すでに内戦です」と反論した。
                   
                  憲法裁判所が朴槿恵大統領弾劾訴追を承認して、罷免の決定を下したのが3月10日だった。保守派はこの判断を合憲だとは認めず、「国民抵抗権」の旗印の下に「国民抵抗本部」を設置し、街頭に出て弾劾を弾劾すると気勢を上げる。
                   
                  だが、憲法裁判所の判断を暴力によって覆すのは法治国家として許されるのか。洪氏はこう説明する。

                  「韓国憲法は、国家が正常に機能しない場合国民抵抗権で立ち上がることを認めています。これは韓国が北朝鮮と対峙して生まれた国家だからこそ、憲法に保証された国民の権利です。北朝鮮の支配下で、ルールだからといって従えば、韓国の自由や民主主義が死んでしまうからです。そのときに立ち上がる権利を保証したのです」
                   
                  いま国民抵抗本部に集まる人々がふえているという。組織の中心軸を構成するのが韓国の陸・海・空の退役軍人の会だ。現役の軍人を除く軍関係者が勢揃いしていることの意味は非常に大きい。
                   
                  保守派の強い危機感は、5月9日の大統領選挙で文在寅(ムン・ジェイン)氏が選ばれる可能性が高いことからも生まれている。文氏は現時点で最有力の候補者である。

                  「文氏が大統領になれば、大韓民国は事実上、消滅し、北朝鮮が全半島を支配するようになります」と、洪氏。
                   
                  重要政策に関する文氏の発言を辿ると、洪氏の警告が大袈裟ではないことがわかる。
                   
                  まず文氏は北朝鮮と連邦統一政府を作ると述べている。同構想は元々、北朝鮮の金日成主席の考えだ。南北朝鮮が同等の立場で統一政府を樹立し、一定期間後に統合し、朝鮮民族はひとつの国家になるという内容だ。
                   
                  かつて金正日総書記はこう語っていた──。「南北が同等の立場で連邦政府を樹立すれば、韓国側連邦議員の半分は親北朝鮮だ。わが方は全員わが共和国支持だ。すべての政策は3対1でわれわれの思い通りになる」。
                   
                  連邦政府構想は、韓国を北朝鮮支配に差し出すことだと保守派が警戒するのは尤(もっと)もであろう。
                   
                  文氏の、韓国よりも北朝鮮を利することが明らかな政策提言は、連邦政府構想にとどまらない。たとえば現在日米韓は、北朝鮮の弾道ミサイルを探知し追跡し撃ち落とすための協力を進めている。その柱が戦域高高度防衛ミサイル(THAAD)の韓国配備であり、日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)締結である。
                   
                  前者は北朝鮮のミサイルに対する最新鋭の迎撃システムで、後者は日韓が安全保障分野の機密情報を共有するための協定である。目的は北朝鮮によるミサイル攻撃などへの効率よく素早い対処を可能にすることだ。文氏はいずれに関しても「次期政権が決定すべきだ」「締結が適切か疑問だ」と述べて、見直しを示唆している。
                   
                  文氏は北朝鮮の主張を事実上受け入れるというわけだ。氏が「北朝鮮の手先」だと批判されるのはこうした理由からであろうか。
                   
                  保守陣営の主張する国民抵抗権、街に出て抵抗するという考えは、平和が当たり前の日本から見れば、到底受け入れられない。しかし、私たちが韓国の保守勢力を一方的に批判することも不公平であろう。なぜなら、憲法裁判所の判断が示される前、文氏も「憲法裁判所が朴大統領弾劾を破棄すれば、次は革命しかない」と、語っていたからだ。
                   
                  左右陣営双方が絶対に譲らない構えなのだ。韓国の政治は平穏におさまりそうもない。まさに、洪氏の指摘するように内戦である。韓国情勢の切迫はわが国の危機だ。そのことだけは、日本人は知っておくべきだ。

                  posted by: samu | 政治認識/中国韓国 | 23:27 | - | - | - | - |
                  「 北朝鮮戦略で自衛に対する準備必要 それでも安倍首相に考えてほしい拉致問題 」櫻井よしこ
                  0

                    『週刊ダイヤモンド』 2017年3月18日号
                    新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1174

                    マレーシアの国際空港では金正男氏をVXガスで殺害、ミサイル発射では事実上、標的は在日米軍基地だと発表してみせる。北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の一連の決定は、危機が新たな段階に入ったことを示している。
                     
                    金正恩氏にまともな判断が下せない理由は、余りに多くの側近を粛清し、残っているのは主に組織指導部の幹部だけだからだと言われている。組織指導部は国内の動き、反金正恩の動きを監視する組織である。国際情勢が多少でもわかる人材は、2013年12月の張成沢氏処刑をはじめ、一掃された。玄永哲人民武力部長(国防長官)は15年4月に、崔英建副首相は同年5月に、金勇進副首相は16年7月に処刑された。内、金副首相は金正恩氏臨席の場での座る姿勢が悪い、それは最高指導者への尊敬や忠誠が足りないからで、死に値するとされた。
                     
                    常軌を逸した処刑命令を下す人物がいま、在日米軍基地への攻撃能力を手にしたと誇示しているのである。朝鮮問題専門家、西岡力氏はこう語る。

                    「金日成氏の時代から北朝鮮は在日米軍基地が諸悪の根源だと考えてきました。朝鮮戦争では韓国を奇襲してほぼ全土を席巻したとき、米軍が反撃を開始した。米軍は日本からやってきたのです。以来、北朝鮮の戦略の基本は在日米軍基地を使わせないことになりました。少なくとも1週間、米軍基地が機能しなければ、その間に韓国を取り尽くせると彼らは考えています」
                     
                    日本にはすでに少なからぬ北朝鮮工作員が入っている。彼らは有事の際に在日米軍基地や日本のインフラを機能停止に追い込むよう訓練されていると思わなければならない。逆から見れば日本のすべきことは明らかだ。在日米軍基地が機能停止に陥らないように担保することであり、これが有事の際の集団的自衛権行使の基本である。
                     
                    深刻な現実問題として、日本は北朝鮮の核及びミサイル攻撃にどう対処するのか。北朝鮮が複数のミサイルを日本に向けて発射した場合、日本は防げない可能性がある。彼らはノドンミサイルを200基、スカッド改良型ミサイルを300基有しており、複数のミサイルを同時に、正確に発射する能力を持った。加えてミサイルに搭載可能な小型の核も彼らは手にしている。
                     
                    日本を守るには北朝鮮がミサイルを撃つ前に、向こうの基地を攻撃するしかない。国会でようやく敵基地攻撃能力についての議論が行われるようになった。それに対して野党側は、強い牽制の批判を声高に叫ぶ。しかし、日本国民を守るのが政治の責任ではないのか。北朝鮮が移動式ミサイル発射の能力も手にしている現在、事前に彼らの攻撃能力を潰すことはいよいよ困難になりつつある。それでも日本は自衛の軍事行動を可能にする法的、物理的準備を急がなければならない。
                     
                    一方、横田早紀江さんが語る。

                    「子供たちを拉致するという絶対に許してはならない犯罪に、世界各国は一致協力して当たってほしい。安倍首相を信頼していますが、絶対に全員を取り戻すために、あらゆる手段を取ってほしい」
                     
                    拉致被害者の家族で構成する家族会は2月22日、安倍晋三首相に北朝鮮に対する日本独自の制裁を解除してほしいと要請した。国際社会で絶対的な孤立に陥ったいま、唯一何らかの救いを求めることができるのは日本であると、北朝鮮側が見ている節がある。わずかでも歩み寄りができるのであれば、それを逃さないでほしいと家族の皆さんは切望する。日本は拉致問題ゆえに国際社会よりも厳しい制裁を科している。その日本独自の制裁の分を解除して拉致問題解決につなげてほしいというのである。
                     
                    安倍首相にとっては極めて難しい判断だが、私も日本は拉致問題解決を第一に考えてほしいと思う。

                    posted by: samu | 政治認識/中国韓国 | 09:43 | - | - | - | - |
                    日本のEEZ内に数百隻の大船団…中国漁船の進出防ぐ海上警備の改革急務だ/山田吉彦
                    0

                      ≪北朝鮮が操業許可を付与か≫

                       長崎県壱岐市の漁師から先頃、「日本海中央部の大和堆付近で中国らしい漁船が漁をしているのを目撃した」との情報を入手した。その海域は、日本の排他的経済水域(EEZ)内であり、外国漁船の操業は禁じられている。

                       また2月18日にはNHKが石川県の漁民が撮影した大和堆付近で操業する中国の大型漁船と北朝鮮のイカ釣り漁船の映像を報道した。中国漁船には中国南部の海南島に拠点を置く船であることを示す船名が書かれ、北朝鮮漁船には「清津」と母港名が書かれていた。さらに、映像ではレーダーの画像の中に、日本のEEZ内に進入している数百隻に上る大船団が映っていた。

                       韓国からの報道によると北朝鮮は、同国沖海域の漁業権を中国企業に売却しているという。1隻あたり、期間3カ月で200万円相当。既に300隻に操業許可を与えたとされる。

                       これとは別に700隻ほどの中国漁船団の存在が報告され、北朝鮮沖から日本の海域に進出しているもようだ。

                       北朝鮮は日本海に対する影響力の拡大をもくろみ、昨年9月には、わが国のEEZ内にミサイルを落下させるなど、日本海を狙った活動を活発化させている。同国にとって日本海は、経済的に結び付きが強いロシア極東地域や中国をつなぐ重要なシーレーンだ。

                      また、中国にとっても北太平洋への最短航路であるほか、ロシアにとっては極東開発や、2018年に商業実用化が始まる北極海航路につながる重要な海域であり、戦略的価値が大きい。

                      ≪漁場からの日本船締め出しを狙う≫

                       北朝鮮の相次ぐ日本海へのミサイルの発射には、単に実験だけにとどまらず、日本海への影響力を誇示する狙いが込められているとみられる。そしてその後ろには、日本海にも触手を伸ばす中国の影が見え隠れする。

                       北朝鮮では金正恩体制の下で強引な漁業振興を進めているが、漁船が貧弱で順調にいっているとは言い難い。

                       昨年11月に、京都府舞鶴市の海岸に漂着した北朝鮮の木造漁船から9人の男性の遺体が発見されたが、昨年だけで日本の沿岸に漂着した北朝鮮船は66隻に上っており、航行能力の低さを物語っている。

                       そこで、大規模な中国船団を引き入れ、入漁料として現金を得る一方、水揚げの一部を取得しているとされる。水産資源が欲しい北朝鮮と海洋進出を進めたい中国との利害が一致したといえる。

                       中国漁船は、北朝鮮の清津港付近に拠点を置いて、期間内に可能な限り魚を取り続け、冷凍して運搬船や陸路で本国へと輸送している。遠く中国本土や海南島から漁船団を送った場合、燃料代がかかり、採算がとれないためだ。

                      また、海南省の漁民の多くは軍事訓練を受けており、乗船しているのは海上民兵と呼ばれる漁民の可能性が高い。やがて「中国漁船の保護」を名目に、日本海にも中国海警局の船が姿を現すのは間違いないだろう。

                       中国の大船団が姿を現すと、水産資源が一気に枯渇する一方、日本漁船が中国漁船団に囲まれて威嚇行為を受けるおそれが高い。五島沖や小笠原海域では、大量の中国漁船が入り込み、漁場から日本漁船が締め出されている。

                       自らの影響下に置きたい海域に大規模な漁船団を送り込んで「支配」をもくろむのは、中国の常套(じょうとう)手段だといえる。今回も北朝鮮沖を足掛かりとして、日本海進出に布石を打ったのではないか。南シナ海や尖閣諸島のケースと同様に、いずれ「日本海は、歴史的に中国民族が漁業や交易の拠点としてきた中国の海である」と主張してくることも考えられる。

                      ≪海上保安庁だけでカバー困難≫

                       石川県の漁業団体から中国船、北朝鮮船による密漁の取り締まりを要請されている水産庁も、いまのところ実効性のある施策が打てていない。また海上保安庁の警備は、東シナ海に重点が置かれ、日本海警備に割く割合は限られる。

                      現状では広大な日本海の警備を海上保安庁だけでカバーすることは困難である。まずは中国漁船の動向をいち早く把握するために、防衛省などと情報連携を強化する一方、ヘリコプターも含めた航空機を増やし、大型巡視船や高速巡視船との統合運用を進めるなど抑止力を高める必要がある。日本海の出入り口となる対馬、津軽、宗谷の各海峡の警戒も怠れない。

                       日本は海洋立国であり、海運が経済を支えている。さらに、EEZ内の水産資源が人々の食生活に貢献し、メタンハイドレートや海底熱水鉱床などの海底資源は未来の日本を築く。

                       海上保安庁の業務を警察の業務と整理統合し、機動力を持った本格的なコーストガード体制に移行するなど、広大な日本の海を守るための海上警備態勢の大規模な改革が急がれる。海を守ることは日本と国民生活を守ることである。強い危機意識をもって対処することが必要だ。(東海大学教授・山田吉彦 やまだよしひこ)

                      posted by: samu | 政治認識/中国韓国 | 09:56 | - | - | - | - |