PR
Search
Calendar
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
<< June 2018 >>
New Entries
Category
Archives
Profile
Links
mobile
qrcode
RSSATOM 無料ブログ作成サービス JUGEM
米中貿易100年戦争の号砲が鳴った 習近平氏の野望を潰す2000億ドル削減/田村秀男
0

     中国の膨張主義に対し、覇権国家の米国が対峙(たいじ)する。習近平政権に対するトランプ政権の対米貿易黒字2000億ドル削減要求は、米中貿易「100年戦争」の号砲である。

     米中間の通商協議は、まず5月初旬に北京で開かれ、米側は今年6月から12カ月の間に対米貿易黒字を1000億ドル、19年6月から12カ月の間にさらに1000億ドルを削減するよう求めた。知的財産権侵害や米企業に対するハイテク技術提供強要の中止などを迫った。

     5月17、18日の米ワシントンでの2回目の協議の後、中国側は農産物やエネルギーなどの輸入拡大を表明した。米側は対中制裁関税の適用を棚上げし、とりあえず米中は「休戦」した。そんな駆け引きからすれば、「100年戦争」とは大げさと思われるかもしれないが、中国の国際収支と米中貿易収支に関するグラフを見ていただきたい。

    中国は輸出を通じて巨額の経常収支黒字を生み出してきた。これと日米欧など海外企業による対中投資で外貨が流入する。発券銀行の中国人民銀行は外貨を吸い上げて外貨準備とし、外準の増加に見合う人民元を発行し、商業銀行を通じて融資を拡大させる。それこそが改革開放路線以降の中国高度成長の方程式だ。

     特に2008年9月のリーマン・ショックは中国の膨張加速のきっかけになった。米連邦準備制度理事会(FRB)は米国が5年間でドルの発行額を約4倍、3兆ドル以上増やした。中国には貿易黒字や海外からの投資を通じてほぼ同額のドルが流入し、人民銀行は米国と同じ規模で金融の量的緩和を行い、2桁台の経済成長率を取り戻した。

     12年秋に党総書記に就任した習氏は、14年11月にユーラシアから中近東、アフリカまでの陸海を結ぶ現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」をぶち上げた。軍拡を背景に、東南アジア各国に有無を言わせず南沙諸島を占拠する。それを支えるのがマネーパワーだ。

    とどのつまり、流入外貨が経済・軍事両面に渡る膨張の原動力といえるわけだが、中国は致命的とも言える脆弱(ぜいじゃく)な構造を内包している。グラフが示すように、対米貿易黒字は経常収支を一貫して上回る。対米貿易で巨額の黒字を稼げなければ、通貨も金融も拡大させられないのだ。

     トランプ政権として、その急所を突く意図があったかどうかは確認できないが、米側統計で昨年3750億ドルに上った米国の対中貿易赤字に着目した。中国の経常収支黒字は縮小する傾向にあり、昨年は1200億ドルにとどまった。2000億ドルもの対米黒字を減らせば、中国の対外収支は大幅な赤字に転落し、習政権の対外膨張戦略は頓挫しかねない。

     今や中国のマネーパワー自体、見かけだけだ。外準は3兆ドルを超え、世界ではダントツだが、中身はおみやげの菓子箱によくあるような上げ底だ。中国の場合、外国企業の直接投資、海外市場での債券発行、銀行借り入れなど、負債によって入る外貨も人民銀行が最終的に吸収するので、外準として数える。グラフが示すように、負債の増加額が外準の追加分をはるかに超える。

    貿易などの経常黒字に加えて負債が大きく増えても、外準は前年をかろうじて上回る程度である。中国から巨額の資本逃避が絶えないのだ。

     資本逃避の規模は15年後半で年間1兆ドルに上った。当局が輸出競争力強化のために踏み切った人民元切り下げを嫌って、中国国内の投資家や富裕層が闇ルートを通じて資金を海外に移したためだ。

     その後、当局が人民元相場をやや高めに誘導したことで資本逃避は減ったが、昨年でも2000億ドル前後の水準だ。そんなお寒い外準事情ならなおさらのこと、習政権は2000億ドルどころか、その半分であっても対米黒字削減に応じるはずはない。

     シンガポールでの開催が予定されていた米朝首脳会談は中止となったが、米中摩擦には当面、北朝鮮情勢の成り行きが影響する。トランプ大統領はかねてから、北朝鮮の金正恩労働党委員長に対する習氏の影響力に期待してきた。習氏はそれを逆手にとって、通商交渉で譲歩を迫るが、長き攻防のほんのひとコマだ。

    トランプ後の米政権にとっても、中国の脅威の増大を食い止めるために最も効果的な方法が、中国の対米黒字大幅削減なのは火を見るよりも明らかだ。これに対し、終身国家主席の座を確保した習氏は絶対に譲らないだろう。2000億ドル削減は一帯一路に賭ける野望をくじくばかりか、共産党主導の経済モデル自体が崩壊危機にさらされるのだ。

    (編集委員)

    posted by: samu | 経済認識 | 09:39 | - | - | - | - |
    つじつま合わせに奔走する官僚たち 「財務」本来の使命忘れたか田村秀男/
    0

       

       学校法人「森友学園」への国有地売却をめぐる公文書改竄(かいざん)や口裏合わせ工作の露呈に続く、セクハラ問題による福田淳一事務次官の更迭。相次ぐ不祥事でささくれだった財務省の外皮をはぎ取ってみると、国家と国民を豊かにする使命を果たさず自壊するいびつな構造が見える。
       財務省が日本経済に占める地位は絶大である。一般会計と特別会計の歳出純合計は平成28年度で363兆円、国内総生産(GDP)の67%を占める。このうち、国債借換償還額を除いても254兆円で47%である。国内で支出されるカネの7割近く、あるいは実体経済の5割近くを財務省が差配していることになる。
       カネは情報と一体になっているのだから、財務官僚は政財官学、さらにメディアにも強大な影響力を直接、間接に行使できる。首相も、国会議員も、財務官僚の協力がなければ無力だ。財務官僚がおごるのは無理もない。
       だからといって、「絶対的権力は絶対に腐敗する」という英国の格言を財務官僚に当てはめるつもりはない。一連の不祥事は「絶対的権力」者としてはあまりにもちまちましている。いじましいほど、つじつま合わせに奔走する小ざかしいだけの小物役人の作為であり、できそこないのドタバタ喜劇である。
       早い話が福田氏のセクハラ問題調査に関する財務省声明(4月16日付)だ。「一方の当事者である福田事務次官からの聴取だけでは、事実関係の解明は困難」とし、被害者とされる女性記者の「協力」を求めた。これには「二次被害が出る」と与党からも反発が出るほどだったが、矢野康治官房長らは通常のトラブル並みに双方の言い分を聞くのが当然と信じきっていた。セクハラ事件で配慮すべき社会的要因は頭の中にはない。
       財務省主流の主計局などで予算の歳出と歳入のバランスにこだわり続けているうちに、まずはきちんとつじつまが合わないと落ち着かない性分になったのだろう。
       森友文書改竄問題はどうか。佐川宣寿(のぶひさ)前国税庁長官の国会答弁と矛盾しないように決裁文書を書き換えた。国有地売却価格を約8億円値引きした理由をもっともらしくみせるために、ゴミ撤去の口裏合わせをよりにもよって森友学園側に依頼した。最高学府の法学部出身者が多数を占める財務官僚がルールを踏みにじる。帳尻合わせに執念を燃やす企業の経理オタクのようである。筆者の知り合いの元財務省幹部は「後輩たちは経理屋か」と嘆く。
       確かに、財務官僚式財政学は経理的思考方法そのものである。歳出削減と増税によってこそ、財政は均衡、つまり健全化すると信じてやまない。足し算、引き算を基本に、帳尻を合わせる家計簿に似ている。財務省のホームページでは、国の財政を家計に例え、一家計のローン残高5397万円に相当すると堂々と論じている。国民は金融機関経由で政府債務の国債という資産を持ち、運用している。それを国民の借金だと言い張り、緊縮財政や増税への賛同を求める。
       賃上げ幅が物価上昇率に追いつかないとデフレ経済になり、GDPの6割を占める家計消費が減る。なのに財務省は消費税増税によって物価を無理やり押し上げる。アベノミクスによって回復しかけた家計消費は消費税増税によって、しぼんだままだ。国家財政を経理屋が担うから、日本はいつまでたってもデフレから抜け出せないのだ。
       財務は資産と負債のバランスで成り立ち、債務が増えないと資産は増えない対称的な関係にある。企業なら株式発行や借り入れによって資金調達して負債を増やし、設備投資や企業買収によって資産を増やす。財務とは、成長を考え、実現するための中枢機能である。
      イメージ 1
       グラフは、日本全体の資産・負債のバランス構造を表す。国家経済は貸し手と借り手で成り立つ。借り手がいないと国は成長できない。国民は豊かになれない。資本主義なら、企業負債が家計の資産を先導する。グラフでも企業は負債側にあるが、株式を除くと昨年末で616兆円の純資産を持っている。家計と同じく貸し手側だ。となると、家計が豊かになるためには政府に貸すしかない。政府が借金を減らすなら、貸し手の家計は為替リスクのある海外に貸すしかない。
       財務官僚は増税で家計から所得を奪うことしか頭にない。財務官僚は「財務」を忘れてしまった。優秀であるはずの頭脳でも使われないと弛緩(しかん)し、空洞化する。凡人があきれるほど低次元の素行に走るはずだ。
      (編集委員)
      posted by: samu | 経済認識 | 22:37 | - | - | - | - |
      つじつま合わせに奔走する官僚たち 「財務」本来の使命忘れたか/田村秀男
      0

         

         学校法人「森友学園」への国有地売却をめぐる公文書改竄(かいざん)や口裏合わせ工作の露呈に続く、セクハラ問題による福田淳一事務次官の更迭。相次ぐ不祥事でささくれだった財務省の外皮をはぎ取ってみると、国家と国民を豊かにする使命を果たさず自壊するいびつな構造が見える。
         財務省が日本経済に占める地位は絶大である。一般会計と特別会計の歳出純合計は平成28年度で363兆円、国内総生産(GDP)の67%を占める。このうち、国債借換償還額を除いても254兆円で47%である。国内で支出されるカネの7割近く、あるいは実体経済の5割近くを財務省が差配していることになる。
         カネは情報と一体になっているのだから、財務官僚は政財官学、さらにメディアにも強大な影響力を直接、間接に行使できる。首相も、国会議員も、財務官僚の協力がなければ無力だ。財務官僚がおごるのは無理もない。
         だからといって、「絶対的権力は絶対に腐敗する」という英国の格言を財務官僚に当てはめるつもりはない。一連の不祥事は「絶対的権力」者としてはあまりにもちまちましている。いじましいほど、つじつま合わせに奔走する小ざかしいだけの小物役人の作為であり、できそこないのドタバタ喜劇である。
         早い話が福田氏のセクハラ問題調査に関する財務省声明(4月16日付)だ。「一方の当事者である福田事務次官からの聴取だけでは、事実関係の解明は困難」とし、被害者とされる女性記者の「協力」を求めた。これには「二次被害が出る」と与党からも反発が出るほどだったが、矢野康治官房長らは通常のトラブル並みに双方の言い分を聞くのが当然と信じきっていた。セクハラ事件で配慮すべき社会的要因は頭の中にはない。
         財務省主流の主計局などで予算の歳出と歳入のバランスにこだわり続けているうちに、まずはきちんとつじつまが合わないと落ち着かない性分になったのだろう。
         森友文書改竄問題はどうか。佐川宣寿(のぶひさ)前国税庁長官の国会答弁と矛盾しないように決裁文書を書き換えた。国有地売却価格を約8億円値引きした理由をもっともらしくみせるために、ゴミ撤去の口裏合わせをよりにもよって森友学園側に依頼した。最高学府の法学部出身者が多数を占める財務官僚がルールを踏みにじる。帳尻合わせに執念を燃やす企業の経理オタクのようである。筆者の知り合いの元財務省幹部は「後輩たちは経理屋か」と嘆く。
         確かに、財務官僚式財政学は経理的思考方法そのものである。歳出削減と増税によってこそ、財政は均衡、つまり健全化すると信じてやまない。足し算、引き算を基本に、帳尻を合わせる家計簿に似ている。財務省のホームページでは、国の財政を家計に例え、一家計のローン残高5397万円に相当すると堂々と論じている。国民は金融機関経由で政府債務の国債という資産を持ち、運用している。それを国民の借金だと言い張り、緊縮財政や増税への賛同を求める。
         賃上げ幅が物価上昇率に追いつかないとデフレ経済になり、GDPの6割を占める家計消費が減る。なのに財務省は消費税増税によって物価を無理やり押し上げる。アベノミクスによって回復しかけた家計消費は消費税増税によって、しぼんだままだ。国家財政を経理屋が担うから、日本はいつまでたってもデフレから抜け出せないのだ。
         財務は資産と負債のバランスで成り立ち、債務が増えないと資産は増えない対称的な関係にある。企業なら株式発行や借り入れによって資金調達して負債を増やし、設備投資や企業買収によって資産を増やす。財務とは、成長を考え、実現するための中枢機能である。
        イメージ 1
         グラフは、日本全体の資産・負債のバランス構造を表す。国家経済は貸し手と借り手で成り立つ。借り手がいないと国は成長できない。国民は豊かになれない。資本主義なら、企業負債が家計の資産を先導する。グラフでも企業は負債側にあるが、株式を除くと昨年末で616兆円の純資産を持っている。家計と同じく貸し手側だ。となると、家計が豊かになるためには政府に貸すしかない。政府が借金を減らすなら、貸し手の家計は為替リスクのある海外に貸すしかない。
         財務官僚は増税で家計から所得を奪うことしか頭にない。財務官僚は「財務」を忘れてしまった。優秀であるはずの頭脳でも使われないと弛緩(しかん)し、空洞化する。凡人があきれるほど低次元の素行に走るはずだ。
        posted by: samu | 経済認識 | 14:25 | - | - | - | - |
        森友問題より気になる…日本を衰退させる財務省の“詐欺論法”/田村秀男
        0

          「森友文書」の書き換えなぞ、と言ってはなんだが、日本の針路を狂わせ、国力を衰退させてきた財務官僚の欺瞞(ぎまん)のほうが気になる。

           財務省のホームページを見ればよい。「日本の財政関係資料(2016年4月)」の中に「我が国財政を家計にたとえたら」というコラムが漫画入りで載っている。政府一般会計を月収30万円の家計にたとえると、毎月18万円の新しい借金をしている状況で、そのローン残高は5397万円に上るという。いかにも国民をぞっとさせる解説だ。

           それにとどまらない。3カ月に1回の割合で、財務省は「国の借金」なるものをプレスに発表する。そのつど、担当官は記者クラブの面々に、ご丁寧にも総務省推計の人口をもとに、国民1人当たりの借金はいくら、と説明する。朝日新聞など一般紙はもとより、経済専門の日経新聞もそのままうのみにして報じる。17年12月末時点では「国民1人当たり約858万円の借金を抱えている計算になる」という具合だ。

           財務官僚といえば、高額の国費を支給され、米国などの有名大学に留学して、最新の経済、財政理論をものにしているはずなのだが、上記のようなでたらめを国民に流すのだから、開いた口がふさがらない。

           拙論は民主党政権時代に、恐るべきデマだと、産経新聞朝刊1面コラムで批判し、拙著『財務省オオカミ少年論』(11年、産経新聞出版刊)でも取り上げた。以来、一部の評論家が同調したが、東大などの著名教授は無視、財務省はホームページも記者向けレクチャーも改めない。メディアも相変わらずだ。

          何が間違いであり、欺瞞(ぎまん)なのか。まず、経済というのは、借りと貸しで成り立つ。政府債務である国債を保有しているのは主に金融機関だが、原資は預金である。国民は金融機関経由で国債という資産を持ち、運用している。それを国民の借金だと言い張るのは、まさに詐欺論法である。

           第2に、家計が資産を増やす、つまり豊かになるためには、借り手がいなければならない。資本主義の場合、主な借り手は国内では政府と企業のはずだが、日本の企業は借金を大きく減らし、貯蓄に励んでいる。銀行は家計の預金を企業に貸せない。となると、家計が資産運用で頼る相手は政府しかない。その政府が借金を増やさないのだから、家計は豊かになれない。

           第3に、政府と家計の決定的な違いは、政府は財政支出を通じて国内総生産(GDP)、言い換えると国民の総所得を増やす結果、収入(税収)を増やせる。徴税権のない家計は不可能なわざだ。政府が借金を減らし、財政支出をカットし、増税で家計から富を巻き上げるなら、経済は停滞し、国民が疲弊する。結果が「20年デフレ」である。

           安倍晋三首相はアベノミクスを打ち出し、財務省と距離を置き、財務官僚が敷いた日本凋落の道を断ち切ろうとした。皮肉にも、首相の意向を忖度したと疑われる財務官僚の文書書き換えで立ち往生だ。(産経新聞特別記者・田村秀男)

          posted by: samu | 経済認識 | 13:28 | - | - | - | - |
          なぜ仮想通貨が世にはばかるのか/田村秀男
          0
            なぜ仮想通貨が世にはばかるのか 金融システムに適合、当局も認定やむなし
            乱高下しながらも拡大する仮想通貨(ロイター)
             ビットコインなど仮想通貨は相場がたったひと月で2倍になったり、半値になったりと激しく動く投機の塊だ。交換所からの巨額の資金流出事件も起きるし、犯罪組織の不正資金の温床にもなるなど、社会的には問題だらけだ。にもかかわらず、仮想通貨がますます世にはばかるのはなぜか。(夕刊フジ)
             それを考える前にまず質問。目に見えない電子空間のなかでしか存在しないのに、仮想通貨がなぜ「通貨」になるのか?
             優等生なら以下のように答えるだろう。お店次第だが、モノが買えるし、食事代が払える。円やドルなどと交換できる。ネットを使って容易に海外送金できる、と。
             それにしても、通貨、あるいはおカネって正体は何だろうね。
             金融用語でいうマネー(おカネ)とは、現金と銀行預金の合計、さらには現金に簡単に替えられる投資信託や国債などの証券も含まれる。調べてみると、現預金の総額のうち、現金は日本で9%、米国で8%程度に過ぎない。残る預金通貨は市中銀行のデータセンターに記載された数値情報であり、それを統括するのが日銀など中央銀行のデータセンターだ。
             日銀は異次元緩和政策によって、最大で年間80兆円ものカネを金融機関に流し込む。金融機関はその資金をもとに家計や企業に融資すると預金になって還流し、その預金が原資になって新たな融資がなされ、預金が増える。つまり預金通貨という名のマネーが創造され、増殖する。
             技術面でみれば、この取引はコンピューター端末間で行われる。つまりおカネの創造とは電子空間上で追加記載された数値のことで、最終的なカネの増加額は中央銀行のデータセンターで確認される。何のことはない。電子空間上でおカネの取引データを追加記載した分が創造されたおカネということになる。
             ビットコインはこの記録作業を「採掘」と呼び、民間業者の大型のコンピューター装置によって行われる。取引記録を追加すれば新たなカネが創造されるとみなし、その業者は報酬として追加ビットコインを得るという。つまり、仮想通貨は法定通貨を単位に成り立つ通貨・金融システムに適合するのだから、当局も通貨として認定せざるをえなくなったのだ。
             権威ある中央銀行としてはどこの馬の骨かもわからぬ業者にカネを創造されたら、面白いはずはない。日銀の黒田東彦総裁は「仮想通貨には裏付けとなる資産がない」とけなす。法定通貨は徴税権を持つ国が価値を保証するという論法だが、欺瞞(ぎまん)ではないか。
             インフレになれば価値が損なわれる。悪性インフレになれば法定通貨は紙くずになるが、国家は知らぬフリで、国民は泣き寝入りするしかない。ビットコインの場合、その点、発行上限を定めており、金鉱と同様、残存量が少なくなるにつれて、採掘量は減る仕掛けになっている。
             仮想通貨の時価総額は2月下旬時点で4500億ドル(約48兆円)。14兆ドル弱の米国のおカネの総量に比べると大したことはないようだが、仮想通貨の時価総額はたったひと月で2000億ドルも増え、年間で増加額が7000億ドル前後の米国マネーに匹敵しかねない。中央銀行はさて、どうするのか。(産経新聞特別記者・田村秀男)

             

             

            仮想通貨に自由の大義あり 中国による統制を警戒せよ
             仮想通貨は金融バブルの塊、テロ資金の隠れみのなどと非難されがちだが、正体は国境を越える自由通貨である。対極が中国共産党政権の通貨、人民元だ。習近平政権はビットコインなど私家版仮想通貨を全面禁止した上で、国家版仮想通貨の発行をもくろむ。実現すれば、中国が国内外を問わず人民元を使う個人や企業、金融機関を全面統制するという、恐ろしい近未来図が浮かび上がる。
            イメージ 1
             習政権はビットコインなど仮想通貨退治に躍起となってきた。無国籍仮想通貨が資金流出を加速させ、虎の子の外貨準備を激減させかねないからだ。グラフを見れば、その理由がよくわかる。
             中国の外準は2014年8月に4兆ドル近くまで積み上がったが、翌年8月の人民元切り下げの後、急減し始めた。元安政策を嫌った投資家が人民元を外貨に換えて外に持ち出すからだ。当局は規制を強めて、いったんは外準の減少を食い止めたが、投資家はビットコインに殺到した。ビットコインはネットを通じて国外に楽々と移動し、ドルなど外貨に交換できるからだ。
             ビットコイン取引額は16年秋に急増し、11月に760億ドル、12月には850億ドルに達した。取引全額が資金流出につながるわけではないが、外準は11月に前月比690億ドル減ったことから、因果関係を無視できない。
             外準こそは現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」など、習政権が推進する対外膨張路線の原資だ。当局は翌年1月初旬にインターネットなどによる外貨送金規制を強化した。中国当局は接続業者をことごとく支配するなど、ネットの監視体制を整備してきた。同年1月下旬にはビットコイン取引がぴたっと止まった。当局の取り締まり能力の高さの表れだ。
             中国の投資家はそこで、香港など本土外の仮想通貨交換所に駆け込む。当局は抜け道を封じようとする。今年1月16日付のロイター通信の報道によれば、中国人民銀行の潘功勝副総裁は中国のユーザー向けに仮想通貨取引サービスを提供する国内外のウェブサイトや携帯端末向けアプリを遮断し、仮想通貨決済サービスを手掛けるプラットホームに制裁を科すべきとの見解を示しているという。無国籍仮想通貨を全面的に駆除するつもりだが、その狙いは国家版仮想通貨の発行にある。
             仮想通貨自体はITを駆使した通貨・金融の技術革新のたまもので、金融サービスを迅速にし、効率や利便性を高める。ビットコインのような仮想通貨は国家に縛られない自由がある。中国当局にとって、その自由が何よりも気にくわない。自由な特性を骨抜きにして、国家の意のままになる仮想通貨を夢想する。
             実際に、中国には人民元紙幣を仮想通貨に置き換えるだけの需要も素地もある。横行する偽札を無力化できる。次にはスマホを使った決済の普及だ。露店、コンビニから高級デパートに至るまでのショッピング、タクシー代金、さらには物乞いまでが2次元バーコード「QRコード」を手にして、スマホによる支払いが行われている。ネットショッピングも急拡大している。
             中国で出回るお金の総量に占める紙幣・硬貨の割合は今や5%に過ぎない。米国の8%、日本の9%に比べても驚くべき現金離れである。現金を除くカネは預金だが、預金通貨は銀行の帳簿上に追加記録される数値の合計、すなわちデジタル情報である。仮想通貨も金融取引データを追加して記録することで創出されるのだから、預金と同類の通貨とみなされる。
             中央銀行が国家版仮想通貨を導入すること自体、不自然ではない。日米欧の場合、金融や資本取引は自由化され、国家による統制は民主主義の下に極力制限され、オープンだ。ところが、ネットを中央政府が極端までに支配、監視するシステムの下に、法定通貨という通貨・金融の基盤が仮想通貨になってしまえばどうなるだろうか。
             人民元をやりとりするあらゆる情報は当局のデータセンターに送られ、監視対象になる。統制先は中国国内にとどまらず、中国と関わる全世界の個人や企業に及び、関係者は北京にひれ伏す羽目になる。習政権は指令一つで、対外投資を外国の企業や不動産買収に集中させる一方で、外準の減少を招く資金流出を徹底的に取り締まれる。対外膨張戦略は計画的かつ円滑に展開される。その中国と対抗できるのは、ビットコインなど無国籍仮想通貨だけだ。
             日米欧では仮想通貨への規制の強化など排除論も多いが、その前に中国に金融自由化を求めるべきだ。
            posted by: samu | 経済認識 | 21:56 | - | - | - | - |
            米株価不安、アベノミクス危機の可能性 日本の景気に黄信号/田村秀男
            0

               

              イメージ 1
              株価次第の米国経済
               あれよっ、という間の米国株急落、そして世界同時株安である。米景気は絶好調のはずなのに、「なぜだ」といぶかる向きも多いだろうが、米景気は株高が原動力だ。その歯車が逆に回りだした。株価が低迷するなら米経済が失速する。外需頼みの日本の景気は大きなリスクに直面することになる。(夕刊フジ)
               米国景気については、日経新聞紙上で専門家やアナリストが小難しい分析をしてみせるが、多くは見通しを間違える。拙論にとっては、米景気は実にシンプルでわかりやすい。株価次第なのだから、株価がわかれば景気も見えるのだ。
               グラフは2008年9月のリーマン・ショック以降の米個人消費と平均株価の推移で、その密接な連動ぶりは一目瞭然だ。
               統計学でいう相関係数を算出してみると、株価と景気の相関係数の高さに驚かされる。17年末までの期間、株価との係数は個人消費が0・97、設備投資、住宅投資など民間国内投資0・94、そして国内総生産(GDP)は0・97である。相関係数の最大値は1で、すべて夫唱婦随のカップルに例えられるが、米株価と景気はそれに近い。ちなみに日本の場合、株価と個人消費の相関度は米国の3分の1程度と低い。
               犬の胴体と尻尾の関係に例えると、景気はボディーで株価は尻尾で、景気が株価を振り回すはずなのだが、実際には逆だと見抜いて実践してみせたのはバーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)元議長である。
               リーマン・ショックが起きると、同議長は巨額のドルを発行し、金融市場に流し込んだ。株価は押し上げられ、デフレ不況に陥りかけた景気は緩やかに回復し始めた。
               16年11月の米大統領選で勝利したトランプ氏は大型のインフラ投資や史上空前規模の減税を打ち出すと、株価上昇にはずみがつくと同時に、景気回復も加速した。そこで株価上昇と景気拡大の好循環が生まれたかのように見えたが、株価を動かしてきたのはカネの供給と実質ゼロ金利政策をとったFRBに違いない。
               FRBは「金融政策の正常化」をめざし、金融の量的拡大を止めた後、金利の引き上げに転じたのだが、輸血で太った患者の血を回収するような仕業だから、利上げという劇薬投与には慎重そのものだった。市場はそれをみて安心し、トランプ相場に沸くが、バブルへの警戒感も次第に高まってきた。
               そんな中、賃金の上昇を背景にインフレ期待が高まり、市場金利が上昇し始めると、投資家の多くが不安に駆られて一斉に株売りに転じたのが株価急落の実相だ。米株価は企業収益率からみた適正水準よりも7割以上高いとされるので、下げ圧力が働き、株価の先行きは読みにくい。
               このまま株価低迷が続けば、個人消費や企業の設備投資意欲が冷やされる。株式主導の米景気が世界を引っ張り、日本は輸出増でその恩恵を受けてきた。アベノミクスは輸出なくして成り立たない。その経済モデルの危機になりかねない。(産経新聞特別記者・田村秀男)
              posted by: samu | 経済認識 | 15:23 | - | - | - | - |
              賃上げ主導の「脱デフレ」 政府は緊縮財政で邪魔するな /田村秀男
              0
                 安倍晋三首相は1月22日に衆参両院本会議で行った施政方針演説で、賃上げ主導による脱デフレに意気込んだ。経団連と連合も3%賃上げに前向きなので機運は上々だが、ちょっと待てよ。20年間も日本経済に取りついてきたデフレ病を、賃上げ頼みで克服できるのだろうか。
                 日本の慢性デフレの期間は1930年代の大恐慌時代の米国をはるかに上回る歴史上未曽有の経済事象で、米欧流の経済学教科書では説明できない。特徴は緩慢な物価低落傾向の中で賃金がしばしば物価以上の幅で下がることだ。
                 モノやサービスの値下がりは一般の家計にとってみれば悪くないことなので、デフレ病の自覚に乏しいのだが、何となく懐具合が寂しくなってきたと感じる。日銀の「生活意識に関するアンケート調査」によれば、デフレが始まって以来、「暮らし向きが悪くなった」との回答比率が「良くなった」を上回っているのはそんな背景による。
                 従って、賃上げが脱デフレの鍵になるという考え方は、正社員、パートを問わず勤労者全体に恩恵が及ぶという条件付きだとしても、いかにももっともらしい。慢性デフレが始まった平成9年12月を100とした賃金水準と消費者物価指数を見ると、昨年9月時点では賃金は96.5であるのに対し、物価は100.1。両者間のギャップは3余りだから、3%賃上げは確かにつじつまが合うが、単純過ぎる。
                 全体的なモノやサービスの需要の伸びを表す経済成長率が名目で1〜2%の中で3%賃上げが全雇用の9割を占める中小・零細企業に浸透するとは考えにくい。人手を確保するためとはいえ、製品需要、つまり売り上げが2%程度しか伸びないのに、経営者がそれ以上の幅で賃上げに踏み切るには覚悟がいるだろう。
                 繰り返すが、日本では物価下落を上回る速度で賃金が下がる「賃金デフレ」に陥りがちだ。今は物価がわずかずつ上がる傾向にあるが、賃上げ率がインフレ率を下回る限りデフレ圧力が加わり、需要が押し下げられる。総需要を左右する政府・日銀の財政・金融政策が、賃上げ以上に脱デフレの鍵を握るはずだ。
                 金融は、日銀の異次元緩和政策が円安局面を演出し、輸出企業を中心に企業収益を好転させてきたが、円安は外部要因によって左右されがちだ。日銀の黒田東彦総裁は大規模な金融緩和とマイナス金利政策の堅持を強調して、円高阻止に努めているが、トランプ政権要人の「ドル安容認」が伝わった途端、外国為替市場で円が大量に買われる始末だ。円高による収益源を恐れる企業は賃上げに慎重になりかねない。
                 財政はどうか。グラフは22年度から30年度までの国の一般会計からみた財政の緊縮・拡張度と、民間給与の増減額を対比させている。緊縮・拡張度は前年度に比べた歳出の増減額から税収の増減額を差し引いて算出した。財政支出が増えると拡張型と解釈する向きもあるが、税収の増加額がそれを上回ると民間の所得を政府が奪う、つまり、緊縮型とみなすのが当然だ。30年度は国の一般会計予算案を、前年度の補正後と比較している。
                イメージ 1
                 24年12月にアベノミクスが始まって以降、24年度を含め明確な拡張型に転換したのは28年度のみだ。対照的に民間給与はほぼ一貫して増加し、国内需要増に貢献している。消費者物価指数と並ぶ代表的なインフレ指標である国内総生産(GDP)項目の総合物価指数であるデフレーターは給与が上がれば上向くが、緊縮財政によって下押しされるトレンドが読み取れる。
                 緊縮財政の最たるものは、26年4月の消費税率8%への引き上げだ。26年度の給与増額2.7兆円に対し、財政の緊縮額は8.4兆円、GDPの1.6%にも上った。巨額の民間需要を政府が取り上げる。その後、デフレーターがマイナスに落ち込んだのは増税のせいである。
                 安倍首相は、施政方針演説で「4年連続の賃上げにより、民需主導の力強い経済成長が実現し、デフレ脱却への道筋を確実に進んでいる」と強調したが、民間給与がつくり出す需要増を奪い取ってきたのは政府のほうである。
                 政府は31年10月に消費税率10%への再引き上げを予定しているばかりか、軽減税率導入に先駆けてサラリーマン増税を予定するなど、緊縮財政路線を堅持している。賃上げ主導で脱デフレを早めに実現するつもりなら、安倍政権はさっさと大型補正を組んで財政の緊縮度をゼロにし、民需の足を引っ張らないようにすべきだ。さて、春闘でどれだけの賃上げになるのか。
                posted by: samu | 経済認識 | 10:08 | - | - | - | - |
                うなぎ上りの米原油生産、経済に驚異的な波及効果/ロイター
                0



                  うなぎ上りの米原油生産、経済に驚異的な波及効果 1月22日 ロイター

                  [ヒューストン 16日 ロイター] - 米国内の原油生産量は、シェールオイルの急激な増産によって日量1000万バレルの大台に近く達しようとしている。これは1970年に記録した過去最高を上回り、10年前にはほとんどの関係者が想像すらしなかったような水準だ。

                   さらに米政府の見通しでは、来年終盤までに生産量は1100万バレルまで増え、世界最大の産油国ロシアに並ぶだろうという。

                   こうした生産増がもたらす経済的、政治的な波及効果は驚異的と言える。例えば10年間で米国の原油輸入量を20%減らし、地方社会に高給の仕事を生み出しているほか、国内のガソリン小売価格を2008年の高値に比べて37%も引き下げている。

                   デロイトの米エネルギー・資源事業責任者ジョン・イングランド氏は「米経済にとって信じられないほどのプラスの影響を与えている」と強調した。

                   シェール部門が今の生産ペースを維持できるのかどうかは、なお議論が分かれるところだ。急成長を遂げてきただけに、この業界は既にピークを迎え、生産量の予想は楽観的過ぎるのではないかとの懸念も広がっている。

                   ほとんどの油田において、人件費や関連サービスへの支払い費用はこのところ高騰し、掘削可能な土地の値段も跳ね上がっている。シェール業界の資金提供者からは、掘削事業を拡大するより目先のリターン確保に専念しろという要求も聞かれる。

                   ただ米国の生産者はこれまで、予想をはるかに上回るペースで増産を続け、さまざまな難しい課題も克服してきた。最近では、石油輸出国機構(OPEC)が国際市場に大量の原油を供給して価格を押し下げ、採算割れを起こさせる「シェール生産者つぶし」を試みたが、原油安に対して先に音を上げたのは、一部のOPEC加盟国だった。シェール業界は積極的なコスト圧縮や掘削技術の急速な進歩を通じて、この闘いを勝ち抜いたのだ。

                   今や原油価格は1バレル=64ドル超と、米国の生産者の多くが事業拡大と株主への配当支払いの双方に動くだけの資金を調達できる水準になった。

                  パイプライン増設

                   OPECとの闘いで事業が効率化し、生産量が十分増えたおかげもあり、米石油業界による政府への原油輸出解禁の働き掛けは成功した。2015年終盤に議会が輸出禁止を解除し、現在では最大で日量170万バレルが輸出されている。今年は日量380億立方フィートの天然ガス輸出も見込まれている。

                   こうした輸出需要とともに、テキサス州西部とノースダコタなど離れた地域で生産が急増しているという事情から、米国ではパイプライン建設も活発化。パイプライン・ハザーダス・マテリアルズ・セーフティ・アドミニストレーションによると、キンダー・モーガンやエンタープライズ・プロダクツ・パートナーズといった企業は、12年から16年までに2万6000マイル相当を増設した。

                  技術力

                   シェール生産の伸びがさらに高まるかどうかは、それぞれの油井からより大量に採掘する技術次第だ。各企業は現在、ドリルにセンサーを取り付けて鉱床を一段と正確に探り当てようとしたり、設備と熟練のエンジニアを最大限に活用するためにAI(人工知能)や遠隔操作などの手段も用いている。

                   ウォーウィック・エナジー・グループのケート・リチャード最高経営責任者(CEO)は、技術力が採掘事業の収益性を高める手助けをしてくれると指摘した。

                   また過去2ヵ月で原油価格が約10バレル上がったことにより、水圧破砕法(フラッキング)を利用した掘削サービスを提供しているキーン・グループやリバティ・オイルフィールド・サービシズなどは、新たな受注を期待して高額の新機材を購入している。

                   調査会社スピアーズ・アンド・アソシエーツの見積もりでは、米フラッキングサービス業界の今年の収入は20%増加し、14年に記録した過去最高の290億ドルに迫るという。

                  潤う地方経済

                   シェール開発を当初主導したのは中小企業で、海外での資源開発に力を入れていたエクソンモービルやシェブロンなどの大手は遅ればせながら、先発のシェール企業や権益を取得する形で参入し、米国内への投資を加速させている。

                   エクソンは昨年、パーミアン盆地の土地に最大66億ドルを支払うことに合意。シェブロンは今年シェール開発に43億ドルを投じる。

                   こうした動きは、米国の地方の人件費や掘削可能な土地の値段を押し上げ、地域の賃金水準を引き上げて豊かさを提供することに貢献しつつある。「シェール城下町」のテキサス州ミッドランドでは失業率が2.6%まで下がった、と地元で企業の求人を支援する機関の幹部が明らかにした。この幹部の話では、企業側は人材獲得のためにボーナスを提供することも提案しており、就職状況は「かつて買い手市場だったが、今は売り手市場の側面が強い」という。

                  (Liz Hampton記者)



                  株式日記と経済展望ブログより(私のコメント)

                  最近のシェールオイル革命は、全く予想外の出来事であり、私もオイルピーク説を信じて世界のエネルギー予測を誤った。ロイターの記事ではシェールオイルの生産高は日産1000万バレルに及ぶといいますから1970年の過去最高を上回る生産高だそうです。しかしシェールオイルは数年で枯れてしまうということですが、いつまでもつのだろうか。

                  石油の採掘は、地下から金が湧き出てくるようなものであり、アメリカの繁栄は石油の国内生産が本格化したことでもたらされた。それまでは普通の国家であり海外への影響力もそれほどなかった。アメリカの強みは石油の国内生産にあり、来年度は生産量は1100万バレルまで増えて、ロシアと並ぶ石油生産大国になる。

                  サウジはアメリカのシェールガス・オイルつぶしに動いたが、原油下落の影響はOPECのほうにダメージが出てしまった。特に南米のベネズエラはハイパーインフレが起きて政治が大混乱だ。現在の原油価格は60ドル台に乗せて、シェールオイル生産者の事業拡大に拍車がかかっている。

                  アメリカでシェールガス・オイルの生産が盛んなのは、パイプラインが整備されていることであり、他の国にもシェールオイルの埋蔵はあるが、地層が深かったりパイプラインの整備がないと生産しても運べない。シェールガス・オイルの採掘技術は年々進歩しており、アメリカの石油採掘技術は最先端を行っている。

                  採掘可能な土地の値上がりが地方経済を支えている。日本では温泉くらいしか出ませんが、アメリカでは不毛な荒野の下に石油が埋まっている。なんとも羨ましい限りですが、だからアメリカは空前の好景気に沸いている。テキサス州では失業率が2、6%で完全雇用に近い。

                  もともとシェールガス・オイルは中小の石油ベンチャー企業が開発した技術であり、メジャーはシェールガス・オイルに乗り遅れた。それが本格化してくればメジャー主導のアメリカの石油政策が行われるようになる。スタンダード石油も中小の石油会社を買収して大きくなってきてロックフェラー財閥ができた。

                  シェールベンチャーもメジャーにどんどん買収されて石油のメジャー支配が完成するのだろう。石油は戦略商品であり、米ドル基軸通貨の価値の源泉にもなっている。サウジとアメリカの関係も石油によるものであり、イラク戦争も石油支配が狙いだった。

                  その後のシェールガス・オイルの採掘の本格化で、イラク戦争は必要だったのかと思いますが、5000名以上の戦死者とその数倍の負傷者を出した。ちょうど満州に大慶油田があるにもかかわらず、戦争を始めた日本軍によく似ている。

                  posted by: samu | 経済認識 | 10:40 | - | - | - | - |
                  1ドル=100円より円安なら景気は大丈夫か?/田村秀男
                  0
                    1ドル=100円より円安なら景気は大丈夫か? 企業の景況判断と円相場
                     今年も残すところ後わずか。来年の景気はどうか、とよく読者の方々から聞かれるが、「現在のような円安水準が続く間は大丈夫ですよ」と答えている。(夕刊フジ)
                     景気は「気」、それは端的に企業経営者の見方に表れる。その点、日銀が四半期ごとに行う「全国企業短期経済観測調査」(短観)はその手がかりになる貴重なデータだ。
                     とはいえ、日経新聞など専門紙の短観報道を読んでも、企業の業況判断以上の景気は見えにくい。何が景気の決め手なのかを理解していないと、短観を読み解くことはできないのだ。
                     そこで、どう短観を読めばよいのかという問いに答えたのが本グラフである。日銀が先週、公表した短観の業況予測指数(DI=景気が「よい」と見る割合から「悪い」と見る割合を差し引いた数値)を円の対ドル相場と対照させている。期間は2012年12月のアベノミクス開始期間から現在までである。
                    イメージ 1
                     一目瞭然、円相場が1ドル=100円の水準を超えると、DIはプラスに転じる。円高に振れても100円のラインよりも高くならない限り、マイナスにはならない。業種、規模を問わず、100円ラインよりも円安であれば、景況感をよいとする企業が悪いとする企業よりも多いのだ。
                     円相場とDIについて統計学上の相関係数を計算してみると、0・77(1が最高値)と極めて高い。
                     円安と景気を関連付ける材料はほかにもいくつかある。財務省の法人企業統計調査の企業収益と円相場は高い相関度がある。円安は自動車など輸出企業を後押しし、設備投資に前向きになる。国内総生産(GDP)も上向き、景況感は全業種に浸透していく。円安は企業収益を好転させるので、株価も上昇する、という具合である。
                     拙論が以前から指摘してきたように、アベノミクス最大の狙いは実のところ、円安である。政府・日銀ともそれを公には認めないのは、「円安誘導」だと米国などからバッシングされかねないからだ。日銀がおカネを大量発行する異次元金融緩和は円安を実現し、その効果が薄れたと見るや日銀はマイナス金利政策に踏み切り、円安水準の維持に努めた。
                     問題はこれからだ。まず、1ドル=110円前後の円相場水準は持続するのか。米利上げが事前予想よりも遅く緩やかなテンポであれば、日米間の金利差が広がらないとみられ、円高になりうる。トランプ政権の大型減税は世界の対米投資の魅力を高めるので、ドル高・円安になるが、米議会の調整が難航すると、逆にもなる。

                     他方で、政府と与党は19年10月の消費税再増税に合わせて、所得税など増税を相次いで繰り出そうとしている。増税はデフレ要因であり、円高を招きやすい。円高に反転させたら、景気が逆戻りすることを、本グラフは暗示している。安倍晋三政権と日銀はそのことに気付いているのかどうか、心配になる。(産経新聞特別記者・田村秀男)http://www.sankei.com/premium/news/171223/prm1712230011-n1.html

                    posted by: samu | 経済認識 | 10:19 | - | - | - | - |
                    家計に対する増税主義の策謀にだまされるな /田村秀男
                    0

                      家計に対する増税主義の策謀にだまされるな 97年度の増税後にデフレ不況突入、財政収支悪化の失敗

                      民間給与所得者の階層別人数と比率
                       大方のメディアは政府・与党が合意した所得税増税容認だが、拙論は別だ。(夕刊フジ)
                      イメージ 1
                       米国トランプ政権と議会は大規模な減税の方向で一致し、景気拡大を加速させようというのに、依然としてデフレ圧力が止まない日本が停滞する個人消費を押し下げる議論しかしないのは異様だ。どの国でも、経済成長の責務を持つ政治・政策としてはお粗末に過ぎやしないか。
                       政府・与党は今週初め、年収850万円超の会社員を対象にした所得税増税で合意した。国税庁の統計によると、年収800万円超、1000万円以下の会社員は全体の4・6%、1000万円超は4・3%なのに対し、500万円以下は71%、500万円超800万円以下は20%弱だ。
                       この構成比はアベノミクス開始前の2012年に比べほとんど変わらないが、数では800万円超が69万人、500万円以下は155万人それぞれ増え、格差は拡大気味だ。
                       メディアがおとなしいのは、(1)増税対象は「高額所得者」に分類される(2)家計の税負担増は年間900億円で小規模(3)実際の増税対象者は公務員も含め、子育て・介護世帯を除くので、全給与所得者の5%程度-などの口実がある。建前だけは「平等」にこだわり、「金持ち」に冷たい大衆迎合メディアらしい反応だが、ちょっと待てよ。もっともらしい化けの皮を剥いでみれば、本合意の正体は家計に対する増税主義そのものではないのか。
                       思い起こせば、財務省の策謀に弱い歴代の政権はことあるごとに、パブロフの犬のごとく財源すなわち増税と反応してきた。11年の東日本大震災が起きるや、民主党の菅直人政権(当時)はただちに増税し、全国の家計に負担を押し付けた。
                       次の野田佳彦政権は自民、公明両党を巻き込んで消費税増税の3党合意に踏み込んだ。慢性デフレの泥沼は完全に無視し、野田氏は「増税すれば景気はよくなる」とうそぶいた。増税して社会保障財源を確保すれば、家計は将来不安が少なくなり、消費に励むという論法だが、1997年度の消費税増税後、デフレ不況に突入、肝心の財政収支が悪化した失敗を一切省みなかった。
                       公正に言えば、この増税主義は自民、公明両党内にも根付いている。
                       所得税増税は19年10月予定の消費税再増税実現の手段である。消費税率10%時に食料品などに軽減税率が導入されるのだが、軽減分だけ消費税増収見込み額が減る。タバコ増税をしても穴埋め必要額はおよそ6000億円と財務省は騒ぐ。その財源確保のための増税という理屈を与党は受け入れた。今回合意の小規模所得税増税は次から次へと繰り出す増税の前触れなのだ。
                       19年5月には平成に代わる元号に改まる。10月には消費税増税、翌年1月が所得税増税実施、夏は東京五輪だ。各国の例から見て、五輪は終われば消費が冷える。増税主義者たちは新元号時代もデフレにしようとしている。(産経新聞特別記者・田村秀男)
                      posted by: samu | 経済認識 | 11:01 | - | - | - | - |