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】「経済敗戦」に終止符を 成否の鍵は財政出動にあり田村秀男
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     終戦の「8月15日」から、まもなく72年がたつ。最近の20年間、日本経済はデフレのふちに漬かったままだ。安倍晋三首相がいまだに「経済再生・脱デフレを最優先する」と繰り返すのは、何とももどかしい。中国は停滞日本を押しのけて急膨張を遂げ、傍若無人に振る舞う。改造内閣の使命は、直ちに「経済敗戦」に終止符を打つことだ。成否の鍵は国家の財政政策にある。
     7月末、ワシントンでは国際通貨基金(IMF)の対日年次審査報告書が発表された。日本経済新聞は「アベノミクスは目標未達」との見出しで報じ、あたかもIMFがアベノミクスに低い評価を下したかの印象を与えたが、報告書に目を通すとさにあらず。「アベノミクスは経済状況を改善した」と称賛している。
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     脱デフレ目標は「未達」だが、達成のためには財政支出を活用した成長戦略が必要と指摘している。平成26年4月の消費税率8%への引き上げによる経済失速後は、昨年秋の政府の大型補正予算の効果が上がっていると分析している。安倍首相が今年4月に予定していた消費税率10%への引き上げを、2年半先送りしたことも正しいとみる。
     「財政収支の健全化」については中長期的な課題としながらも、短期的には財政刺激策が経済成長率とインフレ率の上昇につながると診断、政府が29年度以降、緊縮財政に舞い戻ることがないよう勧告した。要するに、当面は財政出動をためらうな、というわけである。
     IMFの対日報告といえば、これまでほぼ日本の財務官僚の意向に従って緊縮と増税による財政健全化を求めてきた。拙論はリーマン・ショック(20年9月)以来、本欄などで財政・金融緩和の両輪を回せと主張し、緊縮財政を求めるIMFの対日報告は日本にデフレを押し付ける誤った処方箋だと批判してきた。
     昨夏、ノーベル経済学賞受賞者のクリストファー・シムズ米プリンストン大教授が、脱デフレのためには金融緩和政策偏重では無理で、財政出動の併用が必要との「シムズ理論」を発表して以来、米経済学界では財政の役割を重視する考え方が広がっている。市場原理主義・金融偏重のIMFも、宗旨変えせざるをえなくなった。
     グラフはリーマン前からの財政の緊縮・拡張度合いと個人消費の伸び率を対比させている。緊縮・拡張度は社会保障、公共事業、教育など一般会計の政策関係支出合計額の前年度との差額から税収の前年度との差額を差し引いて算出した。政府支出が多くなっても、民間の稼ぎを吸い上げる税収の増加分を下回れば緊縮型(数値はマイナス)、上回れば拡張型(同プラス)とみなした。特別会計や地方自治体会計を含まず、一般会計に限っているので財政の緊縮・拡張規模を正確に表してはいないが、トレンドはつかめるはずだ。
     日本財政は緊縮と拡張の繰り返しで、景気が少しでも上向けばすぐに財政を引き締める一貫性のなさが目立つ。安倍政権は25年度からアベノミクスを本格化させたが、その前の民主党政権時代と同じパターンの繰り返しだ。26年4月からの消費税増税を含む財政緊縮とともに、個人消費はリーマンショック後を上回る急激な落ち込みぶりで、アベノミクスは死にかけたが、昨年秋の大型補正予算による財政出動で蘇生(そせい)しつつある。
     問題は今年度、さらに編成準備に入った来年度予算である。今年度当初予算を前年度決算と比較すると、グラフが示すように民主党政権末期のような大型緊縮になり、せっかく軌道に乗りかけた景気を冷やし、脱デフレどころではなくなるだろう。
     与党内部から今年度も大型補正予算を求める声が出るのは無理もない。それでも、当初予算で緊縮し、補正で追加するのはいかにも場当たり的、泥縄式だ。当初予算こそが重要だ。まず支出削減ありきの予算編成は不毛な結果しか生まない。企業は内需の先行きを見通せないと賃上げや雇用に慎重にならざるをえないし、消費者は将来に不安を抱く。
     中長期的なプログラムに基づき教育、防衛、基礎研究、防災インフラに支出を回し、若手を育て、安全を確保しつつ経済成長の道筋を明示する。そのためには国債増発もためらうべきではない。実体経済に回らず、たまる一方のカネは企業の利益剰余金、銀行の日銀当座預金合わせて700兆円を超える。その一部、100兆円を政府が吸い上げ、財源にする。経済再生のための100兆円プラン、経済敗戦から抜け出すのは政治の意思次第なのだ。
    posted by: samu | 経済認識 | 21:07 | - | - | - | - |
    安倍内閣の“カギ”握る働く中年女性/田村秀男
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      安倍内閣の“カギ”握る働く中年女性 雇用動向に敏感、男性よりも失業率に反応示す
      内閣支持率の前年比と失業率の相関係数
       3年前の消費税増税によるデフレ圧力が薄らぎ、アベノミクスの効果がようやく出始めたところで、安倍晋三内閣の支持率が急落し、政界やメディアの反安倍勢力が増長、この機とばかり、アベノミクスをけなす。(夕刊フジ)
       TBS系BS番組は、先の日曜夜の番組で自民党行政改革推進本部・河野太郎本部長に「インフレ目標を達成していない。無責任」だと黒田東彦日銀総裁を罵倒させたかと思うと、元日銀政策審議委員の白井さゆり慶大教授ら“反黒田日銀学者”らに「このままでは悪性インフレになる」と言わんばかりの解説をさせた。登場したアベノミクス支持の専門家は浜田宏一内閣官房参与(エール大学名誉教授)のみだが、擁護論は大幅に削除されたようだ。
       拙論はアベノミクスの限界を指摘する場合にはきちんと修正点や代案を用意する。ところが、反安倍の専門家に代案はない。白井氏の場合、元日銀政策委員なのに、代案は「持続可能な政策」。異次元緩和政策だってもう4年間も持続し、2%の物価上昇目標達成を先延ばしにしたとはいえ、デフレ防止や雇用改善の成果を挙げている。何が持続可能政策なのかを示すのが学者の責務ではないか。
       偏向した反安倍メディアの政策批判の合唱が高まるようなことがあれば、アベノミクスへの世論支持は下がる。それは株価や雇用など実体経済の先行きを不安定にする。それが支持率下落をさらに誘うという悪循環に陥りかねない。したがって、安倍内閣が支持率を反転、上昇させることができるかどうかが、われわれの明日の暮らしにも響く。その点、安倍首相による内閣改造は不可欠だが、効果は一過性だ。支持率の安定した回復という点では十分ではないだろう。
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       内閣支持率を左右する決め手は何だろうか。一般的には、景気動向が根本的な要因になることは、世界共通だ。どの景気指標と支持率が相互に反応するのか。拙論はさまざまなデータを比較して、支持率との相関係数を算出してみた。2つの異なったデータの相関係数は、1またはマイナス1に近ければ近いほど連動性が高い。マイナスというのは互いに反対方向に動く関係で、破局寸前のカップルに例えられる。
       グラフは安倍内閣発足後1年の2013年12月から今年5月までの支持率の対前年の差と失業率の相関係数である。失業率が上がると支持率が下がる「逆相関」になり、相関係数はマイナスになる。結果は男女とも極めて逆相関度になるが、女性の方が男性よりも度合いが高い。
       年齢別にみると働き盛りの40歳前後から50歳代半ばにかけて、女性の支持率のほうが男性よりも失業率に反応していることが読み取れる。支持率データは産経とFNN合同調査によるが、7月は女性の40歳代、50歳代の支持率が3割を切った。中年女性が雇用動向に敏感で、支持率を振れさせるわけだ。安倍内閣は働く女性の雇用改善に気を配らないと支持率を上げられないようだ。(産経新聞特別記者・田村秀男
      posted by: samu | 経済認識 | 10:25 | - | - | - | - |
      内閣支持率は失業率次第 警戒すべきは緊縮財政勢力/田村秀男
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        人々の暮らしや安全とは無関係の加計学園の獣医学部新設問題などで、安倍晋三内閣の揚げ足取りに野党などが血道を上げる。背後には、世論の内閣支持率の急落がある。長いデフレ経済のトンネルからようやく抜け出そうとしている時期だけに、見過ごすわけにはいかない。

         世論と失業率の関連性を追ったところ、内閣は雇用の安定で地道に成果を挙げれば、国民の支持が得られるという結果が出た。安倍内閣が真に警戒すべきは、雑音に乗じて雇用情勢を悪化させる緊縮財政を仕掛ける政官およびメディアの懲りない面々である。
         まずは論より証拠。グラフは産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)による合同世論調査での内閣支持率の前年同期との差(%ポイント)と完全失業率の推移である。一目瞭然、この2つのデータはおしなべて連動している。失業率が低下基調にある局面では支持率が前年を上回り、失業率が悪化する場合では支持率が前年より下がる。
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         支持率は、平成24年12月の第2次安倍内閣発足当時、アベノミクスへの政策期待から急騰し、25年3月には70%を超えたほどで、いわば「バブル」状態だった。しかし、はがれるのは当然で、アベノミクスが本格的に始動して景気に作用する中で、支持率が比較的安定した水準に落ち着いたあとの推移が重要になってくる。
         内閣発足から1年後の支持率は上記の理由で前年比マイナス15%ポイント前後の落ち込みぶりだが、そこから改善するかどうかが内閣に問われることになる。失業率のほうは26年半ばの3.7%を底に徐々に改善し始めるが、再び上昇するとき、内閣支持率が前年を下回るように見える。
         そんな視覚が錯覚かどうかをチェックするために、統計学手法でよく使われる相関係数を算出してみた。相関係数は2つの異なったデータの連動する度合いを示し、最大値は1である。1とは、皇居のお堀端ではおなじみのカルガモの親と親の動きに追従するひなたちの行動、あるいは熱々の新婚カップルに例えられる。
         各種統計データの場合、0.7以上の係数であれば、強い相関関係があるとみなされる。本グラフの場合、失業率の数値が上がれば支持率が下がるという逆さまの関係にあるので、1を失業率で割った数値と支持率の前年比の差の相関係数を算出した。解は0.8余であり、文句なしの相関関係だ。内閣支持率は失業率とともに変化するとみていいわけだ。
         さらに、分布状況を調べてみる。失業率が3.1%以上になると内閣支持率は多くの場合、前年より下がり、3%以下の局面では支持率がいつも前年を上回る。直近の失業率は5月の3.1%なので、安倍内閣は支持率の下落を避けるためには、それ以上の失業率上昇を警戒しなければならないだろう。
         固より、経済知識水準が高い日本国民が、失業率が端的に物語る身近で切実な雇用情勢から、内閣への支持、不支持を判断するのは自然だ。傲慢な官僚の陰湿な工作に便乗して安倍内閣を追求する野党に、世論は辟易(へきえき)するはずだ。加計学園こそが政治の重大問題であるかのように大騒ぎし、雇用や緊迫する朝鮮半島情勢への対応、中国公船の領海侵犯など安全保障問題を素通りするメディアは「社会の公器」と言えようか。
         他方、内閣支持率の下落とともに与党内を含めた野心家の安倍批判が勢いづくのは、政界の習いだ。気掛かりなのは、こうした「反安倍」勢力の多くが、消費税増税や財政支出削減こそが「財政健全化」をもたらすと信じてやまないことだ。
         安倍首相が2度にわたって消費税率10%への引き上げを延期したおかげで、雇用は好転してきた。財政健全度の国際指標である地方政府、社会保障基金を含めた「一般政府」の財政収支の国内総生産(GDP)比は昨年マイナス2%で、経済協力開発機構(OECD)統計でマイナス3%以下の米英仏を大きく上回るほど改善した。経済成長こそが財政健全化の近道なのだ。
         名指しはしないが、「反安倍」の政治家やメディアはアベノミクスの成果から目を背け、経済政策の代案はデフレ容認、増税で共通し、時計の針を30年前に戻そうとする。
         安倍内閣が政権の安定に向け、心すべきは何か。内閣改造によってイメージをよくしようとするのは当然としても、肝心なのはあくまでも雇用および雇用を左右する景気の先行きを着実に上向かせることだ。
        posted by: samu | 経済認識 | 18:41 | - | - | - | - |
        法人税収減で消費増税は自滅策 企業はあふれる利益をため込むだけ/田村秀男
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          企業利益が増えれば法人税収が増えるはずだが2年連続で減収だ。これを見て、企業利益と連動する国内総生産(GDP)が成長しても税収は増えないとし、一部メディアは緊縮財政や消費税増税を正当化しようと勢いづくが、日本経済の自滅策だ。(夕刊フジ)

           グラフは金融・保険業を含む全産業の経常利益合計額と法人税収の推移である。経常利益は2008年9月のリーマン・ショック後、回復過程に入り、アベノミクスが本格的に始まった13年度から増勢に弾みがついた。16年度の経常利益総額は88兆円で09年度の2・3倍に上る。

           それに比べ、一般会計の法人税収は62%増にとどまる。法人税収は15、16年度連続で前年比減収だが、経常利益は増え続けている。経常利益に対する法人税収の比率をみると、アベノミクス開始後急減し、16年度は11・8%(10年度は17・7%)にまで落ち込んだ。企業(金融機関を含む)は儲けても税を少なく払っている。

           巨額の収益を上げながら、税をほとんど払わない企業は日本企業としての義務をないがしろにしていると非難されてしかるべきだが、それを可能にしているのは法人税制である。多国籍化している大企業は海外法人からの配当収入への課税を最小限に抑えられる。海外子会社は現地で納税すれば日本からの課税を免れるので、税率の低い海外に利益を集中させる。

          米国も欧州も、法人税を引き下げて、本国企業を国内に引き止め、外国企業を引きつけようと競っている。安倍晋三政権も法人税率を引き下げて、企業の対外シフトを食い止めようとする。その結果が法人税減収である。

           法人税率を上げれば、企業はますます国内にそっぽを向くようになるので、税収は減るし、国内経済は停滞しかねない。

           日本経団連など経済団体はさらなる法人税減税と消費税増税を求める。消費税収は景気に左右されにくいので、財務省も与党議員の多くも消費税増税に執着し、法人税減税とのバーターを考える。企業は税負担を軽くして、税引き後利益を増やしたい。しかし、企業はあふれる利益を「利益準備金」としてため込むだけで、設備投資や賃金・雇用に投入しないと、国内経済は停滞する。

           日本企業平均では14年以来、経常利益のうち6割前後しか設備投資に回していない。バブル崩壊不況の1990年代後半でも経常利益の1・5倍以上を設備投資に回していた。アベノミクスのおかげで企業は利益を増やしてきたが、企業は税、投資、雇用で国民経済に貢献してきたとは言い難い。20年デフレの間に企業の血気が失せたのだ。

           正解は明白だ。国内投資や雇用に積極的に資金を投入する企業を減税で支援する。政府は併せて、今後の成長分野の基礎研究、人材教育に資金を投入する。民間で眠る巨額の余剰資金を国債発行で吸収すればよい。内需拡大に向け消費税減税を検討すべきで、増税どころではない。(産経新聞特別記者・田村秀男)

           

          posted by: samu | 経済認識 | 09:00 | - | - | - | - |
          中独連合は危険、日米EPAをためらうな/田村秀男
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             ■中独は密月関係、貿易ルールで取り囲み
             ドイツ・ハンブルクで開かれた20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)は、首脳宣言で「保護貿易主義との闘い」を盛り込んだが、問題はトランプ米大統領の国際経済秩序からの逸脱だけではない。舞台裏で進行した議長国ドイツのメルケル首相と「一帯一路」構想の中国・習近平国家主席の蜜月関係だ。中独という巨大貿易黒字国連合は世界の不均衡、対立と分裂を助長しかねない。アジアを代表する日本は、欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)の大枠合意に続いて、米国にも締結を働き掛けるべきだ。
             EV売り込み躍起
             ハンブルク・サミットに合わせて安倍晋三首相はEU首脳とEPA締結で大枠合意したが、ドイツやフランスの首脳が目の色を変えて売り込むのはワインやチーズではなく、電気自動車(EV)であり、提携先は日本ではなく世界最大の市場、中国だ。
             メルケル氏と習氏との5日の会談では、ダイムラー社と中国社のEV共同開発、シーメンス社と中国メーカー数社との戦略的連携で合意した。そしてメルケル氏は一帯一路構想への参加を約束した。ハンブルクは一帯一路の欧州側ターミナルであり英国離脱後のEUの盟主同然のドイツと中国の連結は中・欧経済圏の実現を予期させるのに十分だ。
             だが、中独が米国に代わって世界経済の安定をもたらすはずはない。両国は対外貿易黒字で他を圧倒する。輸出の輸入に対する超過額(経済協力開発機構=OECD=統計)は2016年で、中国5472億ドル(62兆3800億円)、ドイツは2820億ドルで、G20総計の貿易黒字700億ドル、日本の367億ドルを圧倒する。中独合わせた貿易黒字は米国の貿易赤字と対称形をなしており、貿易収支を国家の損得と考え、貿易をゼロ・サム・ゲームとみなすトランプ政権の保護貿易衝動を一層駆り立てかねない。
             上記のEVの場合、中国は党・政府総ぐるみで開発と普及を支援しており、EV用を中心に需要が急増するリチウムイオン電池生産の中国の世界シェアは55%で、21年には65%に拡大する(ブルームバーグ調べ)。党の強権をバックにした中国式デファクトスタンダード(事実上の標準)がここでも幅を利かせるだろうか。
             もちろん、ドイツは対中協力に手放しではない。一帯一路への参加について、メルケル氏はプロジェクトの応札プロセスの透明化を条件にしている。しかし、ドイツの大手企業が中国国有企業と広範囲の分野でパートナーを組むなら中国のインサイダー同然だ。透明性は国際批判をかわすための言い訳であり、偽善ではないか。
             米政権は二の足
             トランプ政権は中国に対する強硬策で二の足を踏んでいる。早い話、北朝鮮が米本土狙いの核搭載可能なミサイル実験に成功した今でも、トランプ政権はオバマ前政権と同様、中国側の反発を恐れ、北朝鮮の資金洗浄に協力する銀行制裁は地方の零細銀行止まりで大銀行はおとがめなしだ。
             日本はどうすべきか。中国が既存の貿易体制を踏み台に増長する現実を直視すれば、自由で公正な貿易圏ルールで中国を取り囲むしかない。12日には環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)参加11カ国が、離脱した米国を除く協定について協議を始めるが、この機を逃さず、米国に日米EPA構想をぶつけてはどうか。2国間協定にこだわるトランプ政権を引きつけて交渉に持ち込み、11カ国のTPPルールと調和する日米協定を目指す。米国抜きで中国と欧州に世界の貿易・経済を主導させるのは危険過ぎると、トランプ政権を説き付けるべきだ。
             ドイツ・ハンブルクでのG20首脳会議は8日、首脳宣言を採択して閉幕した。宣言では、焦点となっていた反保護主義の記述について、米国に配慮して両論を併記。地球温暖化対策では「パリ協定」からの離脱を表明した米国と、他の19カ国・地域の事情を列挙し、溝が残った。2019年の議長国を日本が務めることも盛り込んだ。
             首脳宣言では、保護主義について自由貿易推進を訴える各国の主張を受け「闘いを続ける」と明記。同時に、保護主義的手法も辞さない米国が受け入れやすいよう不公正な貿易相手国に対し「正当な対抗措置」を容認すると盛り込んだ。
            posted by: samu | 経済認識 | 10:23 | - | - | - | - |
            文大統領がブチ上げた“南北融和”は「絵に描いた餅」田村秀男
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              先週末、韓国・済州島では中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)の第2回年次総会が開かれた。文在寅(ムン・ジェイン)大統領が就任後に初めて出席する国際会議で、文大統領は「アジア大陸の極東側の終着駅に韓半島(朝鮮半島)がある。南と北が鉄道でつながる時、新たな陸上・海上シルクロードが完成するだろう」と、ぶち上げた。(夕刊フジ)

               ユーラシア大陸と、それを取り巻く海洋の両インフラを整備する中国の習近平国家主席の「一帯一路」構想に便乗し、南北朝鮮の融和を図る意図をあらわにしたわけだが、筆者の目から見れば「絵に描いた餅」にしかすぎない。何よりも必要なカネがAIIB元締めの中国にない上に、韓国自身、外貨不安を抱えており、資金分担どころではないからだ。

               グラフは韓国の外貨準備と韓国企業株など外国の対韓証券保有(韓国にとっての対外証券負債)の推移である。韓国は流入する外貨を通貨当局が買い上げて外貨準備を積み上げる。2000年代初めからは韓国株式市場への海外からの投資が主要な外貨流入減になっている。

               08年9月のリーマン・ショック時には、外資が対韓証券投資を一斉に引き上げたために、外貨の大流出が起きた。幸い、混乱は短期間で収束し、その後は再び外からの証券投資が増え、外準の増勢基調を維持している。外国の証券保有の外準に対する割合は今年3月末で1・8倍以上にのぼる。リーマン時のように外資が突如、証券の売却に転じると、外貨準備が干上がる不安が生じる。

              危機は北朝鮮ファクターばかりではない。何よりも、外資への依存度が高い韓国市場は国際金融不安に弱い。韓国の対中輸出は国内総生産(GDP)の1割を超え、中国の景気変動の影響を強く受ける。14年のユーロ不安の際には、ドル不足に陥った米欧金融機関が韓国資産の売却に動いた。頼みは、日本との通貨スワップだが、日韓スワップ協定は期限切れになったままで、再開のメドが立っていない。

               AIIBは世界一の外準を保有する中国が胴元だから大丈夫とはならない。中国自体、海外からの投機マネーを当局が買い上げて外準を水増ししている。投機資金を含む中国の対外負債は外準の1・5倍以上で、韓国と同様、いつ外準が底を突くかわからない。

               英国、ドイツなど欧州主要国もAIIBに参加しているが、いずれも金融やインフラ受注の機会狙いで、自身は資金提供するつもりは全くないようだ。インドもロシアも主要メンバーだが、外貨不足に悩まされている。世界最大の対外債権国日本とドル発行国米国が参加しないこともあって、AIIBは国際金融市場で信用ゼロ、外貨調達は不可能だ。AIIBは発足して1年半以上経っても、「金欠銀行」のままだ。

               韓国は中国に貢ぐ。済州島総会で、年内にもAIIB事業準備特別基金として800万ドル(約8億8700万円)拠出を約束したが、なんか変な数字だね。(産経新聞特別記者・田村秀男)

              posted by: samu | 経済認識 | 16:50 | - | - | - | - |
              AIIBの正体は「アジアインフラ模倣銀行」/田村秀男
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                 中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)の正体はアジアインフラ模倣(Imitation)銀行である。北京は加盟国・地域数でアジア開発銀行(ADB)を上回ると喧伝するのだが、自力でドル資金を調達、融資できず、ADBや世界銀行のプロジェクトの背に乗って銀行を装っている。元締・中国の外貨準備は減り続け、対外借金がなければ底をつく。ドル本位のAIIBに限界を見て取った習近平政権はユーラシアのインフラ整備構想「一帯一路」の決済通貨を人民元にしようともくろむ。
                 韓国・済州島でのAIIB第2回年次総会会場では韓国企業などが最先端の情報技術(IT)インフラ設備の売り込みを競っているが、AIIB目当てでは「とらぬたぬきの皮算用」同然だ。ドル建て金融のAIIBの信用の源泉は元締・中国の外貨準備で、残高は3兆ドル余りだが、帳簿上だけだ。海外からの対中投資や融資は中国にとって負債だが、当局はその外貨を強制的に買い上げて、貿易黒字分と合わせて外準に組み込む。外貨の大半が民間の手元にある日本など先進国とは仕組みが違う。
                 グラフを見よう。外準は3年前をピークに急減している。対照的に負債は急増し、昨年末には外準の1・5倍以上だ。外国の投資家や企業が中国から資金を一斉に引き揚げると、外準は底をつくだろう。
                 中国外準を見せ金にして昨年初めに開業したAIIBには世界最大の債権国日本とドルの本家米国が参加を見送った。当然のように国際金融市場はそっぽを向く。米欧の信用格付け機関はAIIBの格付けを拒否するので、AIIBはドル建て債券発行ができない。
                 AIIBはやむなくADBや世銀との協調融資で当座をしのぐ。5月末時点の融資額は授権資本金1千億ドル(約11兆1千億円)に対し21億ドル余りにすぎない。加盟国の多くは割にあわないことを恐れ、当初約束した出資金の払い込みを渋る。
                 習近平国家主席は5月中旬、北京で開いた一帯一路の国際会議で、人民元資金、7800億元(約12兆8千億円)をインフラ整備用にポンと出すと表明した。国際通貨としての信用力が貧弱な人民元でも不自由しない企業は中国の国有企業に限られるので、韓国や欧米企業は受注で二の足を踏むだろう。借り手国は人民元の返済原資確保のために、対中貿易に縛りつけられる。AIIBに見切りをつけた習政権は中国による中国企業のためのプロジェクトを周辺国に押し付けるだろう。
                posted by: samu | 経済認識 | 22:33 | - | - | - | - |
                トランプ大統領の信認低下が景気を壊す/田村秀男
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                  【田村秀男のお金は知っている】トランプ大統領の信認低下が景気を壊す
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                  米国の株価と個人消費の推移
                   トランプ米政権は23日、議会に2018会計年度(17年10月〜18年9月)予算教書を提出した。米国の予算は政府ではなく議会が作成と決定権限を持つ。このため「デッド・オン・アライバル」(教書は議会に到着した途端に死ぬ)と称されるが、新大統領が議会を動かす絶好の機会だ。今回は議会に到着する前に、死に体になっている。「期待感なき予算教書」(23日付ウォールストリート・ジャーナル電子版)とみなされる始末である。(夕刊フジ)
                   理由は、トランプ大統領が外遊中でワシントンに不在であるばかりではない。米連邦捜査局(FBI)のコミー前長官の罷免をきっかけにした「ロシア・ゲート」疑惑などトランプ大統領への信認が揺らぎ、オバマ前政権の医療保険制度改革(オバマケア)の撤廃、大型減税、大規模なインフラ投資など、政権の目玉となるべき政策や予算項目の実現が怪しくなっているからだ。そんな不安から、昨年秋の大統領選以降、続いてきた株式市場の熱狂「トランプ・ラリー」は冷える一方だ。
                   気掛かりなのは経済全般へのマイナスの影響だ。米景気は08年9月のリーマン・ショックの1年後には底を打ったが、その後しばらく回復速度が遅かった。昨年から次第に力強さが出てきている。政権への信頼性の喪失とともに失速しかねない。
                   グラフは、米株価と個人消費の推移である。米個人消費は株価への感応度が極めて高いことが見て取れる。統計学の手法である相関係数を毎年末までの10年間単位で算出してみると、13年末以降は一貫して0・7を上回っている。相関係数は最大値が1だが、0・7以上は相関関係が極めて強いと判定される。日本の場合、株価と個人消費の相関係数は極めて低い。アベノミクスが始まった12年12月以降でみても0・27だ。相関関係がほとんどない水準である。
                   米国の個人消費は株価によって左右される。株価が上がれば個人は財布のヒモを緩めて消費に向かい、株価が下がれば消費を我慢する。米国の国内総生産(GDP)の7割は個人消費が占め、同6割程度の日欧をしのぐ。米景気は株価動向で決まるのだ。
                   気になるのは日本を含む世界への影響だ。米株価に牽引(けんいん)されてきた世界の株価はすでに上昇基調が崩れているのだが、米実体景気が減速するようだと、世界経済の楽観ムードが怪しくなる。消費税増税による需要減からようやく回復してきた日本経済も例外ではないだろう。
                   今後の景気の最大の鍵になるのは、米株価であり、その株価を動かすのはトランプ大統領の政策への信頼性だろう。トランプ氏がロシア・ゲートの重苦しい霧を解消させる、外交で大成果を挙げる、あるいは低水準の世論の支持率をぐいと押し上げる起死回生策に成功すれば、議会への影響力を強めて政策の実現可能性を高め、市場の評価を取り戻せるのだろうが、まだ見通し難だ。(産経新聞特別記者・田村秀男)
                  posted by: samu | 経済認識 | 21:38 | - | - | - | - |
                  日本の株価にかかる靄の正体/田村秀男
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                    株価にかかる靄の正体 「血気」なき企業が停滞招く

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                     米国をはじめ、世界の株価は国際政治情勢の激変をものともせずに上げ潮に乗っている。欧州市場は昨年6月の英国の欧州連合(EU)離脱決定に震撼(しんかん)させられたことをすっかり忘れている。韓国株式市場は北朝鮮の軍事挑発を平時のごとくみなして沸き立つありさまだ。
                     ならば、日本の株式市場の展望も良好となるはずだが、いまひとつすっきりしない。うっすらとした靄(もや)がかかったままなのだ。「日経平均株価2万円の壁」を引き合いに出して、そう見なすわけではない。投資家心理というものはうつろいやすいもので、表面的な相場のありさまに振り回されてはならない。
                     トランプ米政権の円安警戒はどうか。確かにこれまで日本の株価は円安で高くなり、円高で下がってきた。それでも、トランプ大統領が円高・ドル安に向け、「口先介入」したところで、効き目はつかの間だ。トランプ氏の保護貿易主義もドル高要因だ。トランプ政策目玉の大型減税やインフラ投資計画が米議会で受け入れられれば、米景気回復にはずみがつき、海外からのドル資産買いが急増し、ドル高、すなわち円安に振れるだろう。ただ、政治的イベントが引き起こす市場現象が長続きするはずはない。
                     「日本株の靄」は、株式市場を支える土台から発しており、短い期間で一掃できない、根深い構造要因である。グラフは、1980年代後半のバブル経済期以降の金融業を除く日本企業全体の税引き前利益、設備投資動向である。年ごとのデコボコをならして長期的なトレンドを浮き上がらせるために、各年までの10年分を合計し、各年のその値の10年前との増減額をグラフ化した。
                     判明したのは、2002年までは経常利益増加額以上の設備投資が増えていたが、03年以降は逆転し、05年以降は設備投資が10年前の水準を下回る点だ。対照的に、経常利益は急増し、その増加幅はバブル期をしのいでいる。
                     節目になった02、03年には小泉純一郎政権(当時)の構造改革路線による株主重視型の米国型資本主義への移行が始まった。90年代のバブル崩壊期に企業収益減と連動して株価は下落を続けてきた。企業は設備投資を抑制して、リストラを進め、収益力の回復に努めたことがうかがわれる。その結果、株価は持ち直したが、08年9月のリーマンショックのあおりで急落し、底をはった。12年12月発足の第2次安倍晋三政権によるアベノミクス開始後、株価は異次元金融緩和に伴う円安と企業収益増とともに急速に持ち直した。
                     日本の株価は上述した通り、円相場動向に振り回される。企業収益は大幅に改善しているのに、株価を押し上げる決定要因にはならない脆弱(ぜいじゃく)さがつきまとう。それこが現在の株式市場の実相である。
                     よくよく考えてみれば、もたつく株価は嘘をついているわけではない。経済実体を反映している。資本主義国家のダイナミズムは本来、「アニマルスピリッツ」(血気)と呼ばれる企業家の設備投資意欲から生まれる。現代経済学の祖、J・M・ケインズの「一般理論」が説く世界では、投資に伴う予想収益率が高く、しかも金利が低ければ、血気が企業者の間に沸き起こるはずなのだが、今の日本では設備投資を見送り利益を増やして株主におもねる企業が大多数を占める。
                     国内景気は、ここにきてようやく14年4月からの消費税増税によるデフレ圧力が和らいでおり、一部業種では人手不足が深刻化している。株価は上がって資産家は潤っても、景気には無縁、賃金は上がらず、格差社会だ。庶民感覚からすれば好景気の実感はない。事実、実質経済成長率は16年で1%に過ぎない。企業は依然として正規雇用者に対する賃上げに慎重だ。設備投資をせず、利益の内部留保を増やす経営姿勢がそうさせるのだ。
                     投資不足は、日本産業力の縮小均衡を意味する。製造業の場合、高収益を稼ぎ出している企業が多いとはいえ、肝心の国内では成長部門への投資が後回しにされている。米ウエスチングハウス(WH)の大型買収に余剰資金をつぎ込んだ東芝のように、買収した海外子会社で巨額の損失を出す失敗例は少なくない。
                     米国はどうか。本グラフと同様の手法で10年単位で企業利益と設備投資をチェックしてみたら、リーマン後から利益増加額が設備投資を上回っている。日本と違うのは、投資は増勢基調を持続している点だ。企業家の血気は衰えてはいない。米株価が上がるのも無理はない。
                    posted by: samu | 経済認識 | 09:58 | - | - | - | - |
                    日本以上に株式上昇 韓国「金正恩バブル」はちょっと気味悪い/田村秀男
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                      2017.4.29 10:00
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                      韓国株価とウォンの対ドル相場の推移
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                       同日に限らず、メディアが連日、緊迫したニュースを流しているのにマーケットに重苦しさはみられない。日本がそうなるのは「平和ぼけ」の表れといえなくもなさそうだが、首都ソウルが北緯38度線からわずか40キロメートルしか離れていない韓国の方では、日本以上に株価が上昇し続けているのには、正直驚かされる。
                       韓国の場合、朴槿恵(パク・クネ)前大統領が罷免、訴追という異様な政治状況が続く。5月9日に投票が予定されている大統領選挙では北朝鮮寄りの発言を繰り返す左派系最大野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)氏が最有力候補になっている。「親北」だからといって、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が核やミサイルを韓国にぶっ放さない、攻め込まないという保証は全くない。不可解だ。
                       韓国経済界を代表するサムスングループの事実上のトップ、李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長や幹部4人が贈賄、着服などの容疑で起訴されている。やはり財閥大手のロッテグループは中国市場から締め出しを食らっている。
                       米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国配備に反対する中国が、その用地を提供したロッテを狙い撃ちにした。韓国向け旅行ツアーの停止など、北京からの韓国に対する「経済制裁」はロッテにとどまりそうにない。
                       グラフは、今年初め以来の韓国総合株価指数と通貨ウォン相場の日ごとの推移である。1月6日に北の4回目の核実験、2月7日には核弾頭搭載用長距離弾道ミサイルの発射実験と挑発が続いたが、株価は下がらない。
                       代わりに目立ったのはウォン安だ。ウォン安とともに株価が上昇気流に乗ったのは3月初めで、3月6日に北京がロッテの23店舗の閉鎖を命じても、総合株価下落は一瞬だけだった。以来、株価が下がるときはウォン相場が上がったときだけである。国内総生産(GDP)に対する輸出比率が約42%(日本約16%)にも上る韓国は通貨安が企業収益や経済全体を押し上げる度合いが極めて高い。従って株価が上がるのも無理はないように見えるが、ちょっと待てよ。
                       トランプ政権の剣幕に押されて習近平政権が北朝鮮から譲歩を引き出し、緊張緩和に進む情勢に転じた場合どうなるか。有事不安の中で行き過ぎたウォン安は是正されてウォン高に転じる。すると韓国の景気や株価にはマイナスだ。
                       皮肉な見方をすれば、韓国経済にとっては、中国が米国の圧力を適当に受け流す結果、北のならず者が居座り、緊張が長引くほうが好ましいということになりやしないか。でもその場合の株価は「金正恩バブル」、ちょっと気味悪い。(産経新聞特別記者・田村秀男)
                      posted by: samu | 経済認識 | 11:19 | - | - | - | - |