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天気図から大陸動乱の予兆を感じた/西村眞悟
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    昨日来、関東以北、我が国の北半分の地域に、
    極寒と風雪をもたらしている北東アジアの気圧配置を観て心に浮かんだこと、
    そして、本日の産経新聞の社説に我が意を得たりと思う警告があるので、
    この両者を書き込みたい。
    本日の気圧配置(等高線の形)と本日の産経新聞の社説には、
    相互に何の関係もない。
    しかし、私の直感の中では、
    この両者は、共に、東アジアに迫る動乱を予知し指し示している。

    暖かい日々が数日続き、
    そして、一変して昨夜来、氷点下のなかの暴風雪が関東以北を襲っている。
    山岳での遭難はこういう気候の変化の時に時に起こる。
    本日のこの気圧配置を観て、
    明治三十五年一月の、
    陸軍第八師団歩兵第五連隊の八甲田山雪中行軍隊の、遭難・全滅が心に浮かんだ。
    この第五連隊の遭難も、本日と同じ気圧配置のなかで起こったからだ。
    さらにまた、本日の気象から、百十六年前の八甲田山雪中行軍を思った訳は、
    多分、一月十八日午前四時から開始予定だった、
    陸上自衛隊第三七普通科連隊の
    大阪城本丸にあった旧第四師団司令部の南隣、
    即ち難波宮跡公園から駐屯地の信太山までの三十匚垠碍盈が
    突如、何者かの圧力によって、中止になった無念さが心に残っているからだろう。

    弘前の第八師団は、
    ロシアとの極寒期における戦闘を想定して、
    青森の第五連隊には、
    ロシア軍によって青森北西の沿岸部のルートが使用不能になった際、
    八甲田山中を抜ける輸送は可能かを調査するため、
    弘前の第三十一連隊には、
    寒地における行軍と戦闘の際の装備などの教訓を得るため、
    それぞれ、同時に青森と弘前を出発して八甲田山中で交差して踏破する行軍を実施した。
    しかし、明治三十五年一月二十三日午前六時五十五分に、
    行程二十辧∋鈎羂貲颪鯀枋蠅靴特麁崔呂鮟佝した第五連隊二百十名は、
    急激にマイナス二十度に低下した暴風雪の山中で、道を失い
    極寒の山中を数日間彷徨して一月二十七日までに百九十九名が絶命した。
    弘前の第三十一連隊は、
    現地の案内人をつけて暴風雪でも道を失わず
    途中で汽車に乗って引き返した落伍者一人以外は全員行軍を完遂した。
    しかし、この行軍に成功した第三十一連隊も、
    三年後の日露戦争において、
    日本軍が崩壊の危機に瀕した極寒の満州黒溝台の会戦でほとんど全滅した。
    この黒溝台会戦で、
    第八師団は十倍のロシア軍と戦って三分の一の兵が死傷している。
    八甲田雪中行軍隊隊長の福島泰蔵大尉は、
    黒溝台において、突撃によるロシア軍機関銃座の制圧を決意し、
    部下に、命ある限り進めと命令して軍刀を抜き、先頭に立って突撃し、
    明治三十八年一月二十八日午後四時、胸を打ち抜かれて戦死した。
    八甲田山中で全滅した第五連隊の将兵も、
    満州黒溝台で全滅した第三十一連隊の将兵も、
    ともにロシアとの国家の興廃をかけた戦いで我が国の存続のために命を捧げた英霊だ。
    これが、本日の気圧配置から思い浮かんだことである。
    百十六年前、
    この気圧配置の二年後に日露戦争が勃発したのならば、
    本日のこの気圧配置も、大陸と半島に動乱が勃発する予兆なのか。

    次に、本日の産経新聞社説は、
    単純明快見事である。
    いや、見事なものは単純明快なのだ。
    我が国の真の敵は中共だと言い切っている。
    この危機感から
    「中国の脅威に言及足りぬ」(見出し)
    総理の施政方針演説を痛烈に批判している。
    そもそも、我が国の真の脅威は、中共とロシアなのだ。
    しかるに、安倍総理は、
    もっとも危険なロシアのプーチンとは、個人的信頼関係を掲げて甘く、
    もっとも獰猛でずるい中共の習近平には、
    「安定的に友好関係を発展させる」と所信表明で述べた。

    しかし、
    尖閣への無法で貪欲な執着一つ観ても、
    国内への広範囲かつ徹底的な言論弾圧を観ても、
    中共は、安定的に友好関係を発展させることができる相手ではない。

    産経新聞社説は、
    「今の中国と法の支配や航行の自由、民主主義などの価値観を共有するのは困難だ」
    と断定した上で、
    インド太平洋戦略に基づいて協力するとは甚だ疑問だとし、
    習近平の「一帯一路」への安易な協力は、
    中国の覇権に手を貸すことにならないか、と警告し、
    安倍総理の、
    「中国の覇権主義にどう対処するか。
    関係改善の流れに水を差すまいとして、
    厳しい現実を国民に語れないような戦略では危うい」
    と言い切っている。
    まことに、見事では無いか。
    そう!
    安倍総理の所信表明に現れた戦略では、
    国が危ういのだ。
    国が危ういということは、
    習近平の中共に甘いのは、
    総理として失格だ、ということだ。
    昨日の所信表明通りしてはならない、ということだ。

    百年前のロシアは、
    背後に軍隊を構えた鉄道施設と銀行設立(東清銀行)によって
    シベリアから満州に勢力圏を伸ばしてきた(鉄道と銀行による侵略)。
    現在の中共は、
    共産党独裁で人民に言論の自由を認めず、外への勢力拡張を目指し、
    背後に軍隊を構えさせた公共事業と金貸しによって(一帯一路)、
    ユーラシアに勢力を伸ばそうとしている。
    これ、覇権主義そのものではないか。一帯一路は覇権拡張の道具なのだ。

    さて、この安倍総理をはじめとする内閣と自民公明の与党は、
    この度の所信表明のように、
    常に無防備に日中友好を掲げ、
    自民党も公明党もよく団体で無邪気に北京詣でをしている。
    これは、何かあれば、
    アメリカ様が守ってくれるという甘えからくる
    脳の麻痺、思考停止では無いか。
    つい最近も、幹部が北京詣でをしてきたようだ。

    しかし、今朝の産経新聞朝刊には、
    この総理と内閣と与党の対中脳麻痺の前提であるアメリカに関し、
    三重で開かれた「正論」懇話会で、
    伊藤俊幸元海将がまことに適切なことを申されたことがでている。
    伊藤元海将は、
    アメリカは朝鮮半島に何の国益も見いだしていない、
    従って、アメリカが朝鮮半島に先制攻撃をする可能性は極めて低いとの見方を示した。
    そのうえで、
    自衛隊は北朝鮮や中共に常に抑止力を働かせているとして、
    我が国がアメリカに守ってもらっているとよく言われることは、
    大きな間違いだと断言したという。
    つまり、伊藤元海将は、
    現在の我が国を守っているのはアメリカではなく、
    自衛隊だと言い切ったのだ。
    さすが、アメリカにも中共にも優る自衛隊の潜水艦艦長である。
    その通りだ。
    自衛隊は、現実に、今、強い抑止力を働かせて我が国を守っている。
    その抑止力の淵源は、
    「軍の光輝ある歴史と訓練」ではないか。
    にもかかわらず、
    我が国を抑止力の無い弱い状態にしておきたいという
    中共をはじめとする内外の勢力を、
    「刺激しないために」、
    その訓練をこの度の三十七連隊の行軍中止のように
    中止するものが政府内に巣くっておる。
    まことに、利敵行為とはこのことである。

    以上、今朝の産経新聞には
    社説と伊藤元海将の三重「正論」懇話会での話が掲載され、
    まことに適切な正論が読めた。
    また、伊藤俊幸元海将は、
    一月十九日の産経新聞「正論」欄においても有意義な見解を展開されている。
    本年に入り、尖閣の我が国の接続海域を
    中共海軍の潜水艦が潜航しながら航行した件に関し、
    我が国も中共に関して、
    「相互主義」で対処せよとの主張である。
    中共は、国際海洋法を無視して独自の基準を定め、
    外国艦船が領海内を通航するときにも「事前許可」を求め、
    接続水域や排他的経済水域では「事前通告」を求めている。
    従って、我が国も中共に対しては、黙っておらずに、
    我が領海内では「事前許可」、
    我が接続水域や排他的経済水域では「事前通告」を求めよということだ。

    さて、この頃、海空自衛隊の諸氏と会った際によく言うのは、
    現在の進行する厳しい状況下においては、
    戦闘機のパイロットと護衛艦の艦長は、
    いずれ、突然、
    国際の法規及び慣例に従って、
    断固として適切な行動を決断しなければならない状況に遭遇する確立大である。
    その時は、浪速艦長の東郷平八郎大佐が、明治二十七年七月、
    日清戦争の際、清国兵と武器弾薬を積み込んだイギリス船籍の貨物船高陞号を
    国際法に基づいて断固撃沈した措置を決断して欲しい。
    この時、我が国は、戦後体制から脱却する。
    我が国を取り巻く四方の海と空は、
    今、既に、我が国の力と決断で守り抜く段階に入っている。

    以上、本日の天気図と産経新聞社説と伊藤俊幸元海将の談に啓発され記しておきます。

    posted by: samu | 政治認識 | 10:32 | - | - | - | - |
     国民を教唆扇動するテレビの「ワイドショー」加瀬英明
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      昨年、いくつか私は暗然としたことがあった。

      1つは神奈川県座間市で起った、9人が犠牲となった連続殺人事件だった。

      日本を震駭させた事件だった。何日にもわたって、テレビのどのチャンネルを回しても、視聴者の好奇心を満たすために、この猟奇的な事件ばかり取り上げていた。

      あそこまで微に入り細に入り、詳細に報道する必要があるのか。

      日本では、テレビの「ワイドショー」が花形のニュース番組となっているが、ニュースを客観的に伝え、分析する番組であるよりも、娯楽番組仕立てとなっている。

      キャスターを中心に、ニュースについて専門知識がないシロウトが、レギュラーの出演者として並んで、思いつきを喋りまくる。

      中国や北朝鮮で、人を裁く資格がない村民を集めて行う人民裁判を、彷彿させるものだ。

      連続殺人事件の犠牲者の9人のうち8人が、1人の未成年者を含めて未婚の女性だった。

      だが、どの番組を観ても、未婚の若い女性が面識がない男性に誘われて、それも男の住居まで出掛けたことを、批判する声がまったくなかった。

      つい3、40年前だったら、このような女性は「ふしだら」とか、「あばずれ」といって、強く非難されたことだろう。もし私がテレビに出演したとしたら、そういったはずだ。

      もっとも、今日では娘が「ふしだら」だとか、「あばずれ」というような言葉は、死語となっているから、犠牲者にはそのような自覚がなかったにちがいない。

      このような言葉を死語にした社会は、狂っている。

      もちろん、凄惨な連続殺人を犯した兇悪な犯人は、厳罰に処せられるべきだ。だが、今日の社会が、8人の娘たちを殺したのではなかっただろうか。

      テレビ局がこのような社会をつくったというのに、反省することがまったくない。

      「アディーレ」という法律事務所が、不正を働いたといって、弁護士資格を停止された。

      私はこの法律事務所について知らなかったが、毎日のようにテレビがCMを流していたので、法律事務所が外国名だったのが当世風かと思って、記憶に残っていた。

      だが、この法律事務所の大多数の顧客が、テレビが流していたCMによって勧誘されたのだから、当然、テレビ局にも責任があったはずだ。テレビ局はCMを流したことを、ひとことも陳謝することがなかった。CMをただ放映すればよいというものではあるまい。テレビ局は破廉恥だ。

      10月22日の総選挙で、俄かづくりの立憲民主党が大量得票して、野党第1党に躍り出た。

      東京比例区では、自民党に180万票台投じられたのに対して、立憲民主党は140万票台を獲得した。

      立憲民主党は、日本国憲法の「専守防衛」の制約を守るべきだと、公約として掲げていた。「専守防衛」では、日本を守れない。

      2020年の東京オリンピック大会で、野球が種目となった。もちろん、日本チームも出場するが、胸に日の丸を縫い取った日本チームは、憲法解釈による「専守防衛」という束縛によって、攻撃することを許されず、守備に専念しなければならない。

      日本チームの打者はバットを持たずに、ピッチャーと向かい合う。

      バットを持つことを禁じられているから、はじめからゲームを放棄するようなものだ。「専守防衛」も同じことだ。野球界だけではなく、世界に通用しない。

      テレビでは、「専守防衛では、日本を守れない、日本国憲法はおかしい」と発言することは、許されない。

      新聞に休刊日があるが、テレビも毎月何日か、放映を休んでほしい

      posted by: samu | 政治認識 | 16:07 | - | - | - | - |
      「 憲法改正の機会は2018年しかない /櫻井よしこ
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        『週刊ダイヤモンド』 2017年12月30日・2018年1月6日合併号
        新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1213
         

        2018年は、大袈裟でなく日本の命運を決する年になる。戦後72年間かけて日本人の「常識」となった種々の価値観が根底から覆される年になるだろう。私たちはそのような大変化に対処する覚悟ができているだろうか。
         
        17年12月18日にドナルド・トランプ米大統領は、米政権の基本方針を示す「国家安全保障戦略」(以下「戦略」)を発表した。56頁にわたる「戦略」は、(1)力による平和の達成、(2)米本土と米国民、米国の価値観と暮らし方の防衛、(3)米国の繁栄の推進、(4)米国の影響力の拡大、を柱とする。

        「アメリカ第一主義」を全分野にわたって実現し、米国を守り抜くという視点から、トランプ氏は世界を分析した。この1年間の外交で必ずしも明確にされてこなかった対中、対露政策も明確にされた。両国に対する分析は厳しく、力によって米国優位を守り抜く決意が溢れている。
         
        たとえば南シナ海における中国の行動を「拠点の建設と軍事化が南シナ海における自由貿易の流れを危険に晒し、中国は他国の主権を脅かし地域の安定を揺るがしている」と、客観的に見て正しく分析した。

        「中国は急速に軍の近代化を進めているが、それは米国のインド・太平洋地域への接近を制限し、中国優位を確立することになる」「中国の大戦略は、相互に利益をもたらすと彼らは主張するが、中国勢力の強化はインド・太平洋諸国の主権制限につながる危険がある」
         
        このようにも書いたうえで、米国は地域の安定と諸国の主権の相互尊重、諸国の独立性尊重という価値観を掲げる国々と協力して問題に対処していくと、謳い上げた。
         
        米国の対中、対北朝鮮への厳しい見方は、日本にとって心強い。それだけに日本も努力しなければならない。
         
        現に北朝鮮問題に関して、「同盟国との関係強化」「公平に責任を分担する同盟国との協力」の重要性を重視すると強調したのは日本への直接の要請、要求と見てよいだろう。
         
        北朝鮮情勢、トランプ政権、中韓両国の歴史問題を含む執拗な対日攻勢、中国の尖閣諸島への侵略行動など、日本周辺の状況はとてつもなく厳しくなる。米国が守ってくれた戦後体制は様変わりし、国家としてどう対処するのかが問われる1年になる。
         
        一番よいのは、無謀な挑発を日本に仕掛けても、それを退けるだけの力が日本にあること、究極の場合、その力を行使できる国であることを示せる体制をつくることだ。しかし、これは憲法改正なくしては不可能だ。眼前の北朝鮮危機、中国による軍事的脅威には間に合わない。
         
        だからこそ、日本は日米同盟を堅持しなければならず、そのために、イージスアショアなど、1セット1000億円といわれる高額な買物もせざるを得ないのだ。だが、こんなふうに他国に頼りきりの国防政策は1日も早く変えなくてはならない。自国と自国民は自国が守るという鉄則を確立しなくてはならず、憲法改正が必要だ。チャンスは実はこの1年しかない。
         
        政治日程を考えてみよう。19年は、4月に統一地方選挙、同月末には今上陛下ご退位、5月には新陛下ご即位、7月には参院選挙、G20の主催に加えて10月には消費税増税の予定もある。重要な国事が目白押しの19年に憲法改正を発議し、国民投票を実施する余裕はないと思う。
         
        その次の20年は東京オリンピックだ。安倍晋三首相三選の任期も終わりに近づく時期であり、どれだけの影響力を残していられるのかは予測が難しい。こうして政治日程を考えれば、憲法改正の機会は18年しかない。
         
        この1年で憲法改正を成し遂げることができなければ、日本の真の意味での再生は難しい。18年こそが試練の年だ。頑張るときでもある。

        posted by: samu | 政治認識 | 09:43 | - | - | - | - |
        この国を洗濯致し度候/加瀬英明
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          平成29(2017)年は、「希望の党」が演じた慌(あわただ)しい滑稽劇(ドタバタ)によって、忘れられない年となった。

          私は小池百合子都知事が国政に乗り出すのに当たって、自分の政党を「希望の党」と命名した時に、「ああ、これはもう駄目だ」と思った。

          「希望」の「希」は、「ごく稀」「すくない」「珍しい」という意味である。「希薄」「希有」「希少」「希覯(きこう)」(めったに出会えない)というではないか。「希望」はめったに実現することがない望みであって、安直に口にすべき言葉ではないのだ。

          10月22日の総選挙の投票日は、日本列島を超大型といわれた台風が襲った。

          昨年は明治元年から数えて、150年目に当たった。

          当日、私は雨がすべてを洗うように降るのを見て、幕末の志士の坂本龍馬が姉の乙女に宛てて、「この国を洗濯致し度候」と、手紙を認めたのを思い出して、天が安倍政権を大勝させて、憲法を改正することによって、日本を洗濯することになるのだと、思った。

          自民党が圧勝した。私は安倍首相が70年も待たれた「日本の洗濯屋」になることを、祈った。

          昨年、私は3冊の本を発表した。11月はじめに、『小池百合子氏は流行神(はやりがみ)だったのか』(勉誠出版)が店頭に並んだが、投票日の前に印刷に入ったので、題名は「希望の党」が失速することを見込んだものだった。

          私は先の都議会議員選挙で「都民ファーストの会」が圧勝した時に、流行神のような一過性のものになると確信した。

          日本で流行神についてもっとも古い記録といえば、『日本書紀』のなかに登場する。あのころから、日本では空しい一過性のブームが、繰り返し起ってきた。いまなら「風が吹く」というのだろう。詳しくは、拙著をお読みいただきたい。

          北のミサイル脅威の最大の原因は何か

          12月4日の午前9時から、TBSテレビの『腹が立ったニュース・ランキング2017』という番組を観ていたら、第1位は「北のミサイル脅威」だった。

          通行人の中年の男性がインタビューに答えて、「北朝鮮がボンボン、ミサイルを撃っているけど、日本政府は何かできないんですかね?」と、ぼやいていた。

          いつ、北朝鮮危機が爆発するか分らない。

          日本がある東アジアは、無秩序状態(アナーキー)にある。

          いったい、東アジアをこのような無秩序状態にした、最大の原因は何だろうか。

          日本国憲法が災いをもたらした

          日本国憲法だ。もし日本が講和条約によって独立を回復した後に、“マッカーサー憲法”を改正して、日本の経済規模の半分しかないイギリスか、フランス程度の軍事力を整えていたとしたら、弱小国にすぎない北朝鮮によって、ここまで侮られることがなかった。

          イギリスとフランスのGDPを足すと、ちょうど日本と並ぶ。両国は核武装しており、それぞれ空母や、核を搭載した原潜を保有している。イギリスも、フランスも、平和愛好国であることはいうまでもない。

          もし、日本がイギリス、フランス並みの軍事力を持っていたとしたら、北朝鮮が日本列島を試射場として使って、頭越しにミサイルを撃つことはなかった。

          そして、中国が隙あらば尖閣諸島を奪おうとして、重武装した海警船によって、連日、包囲することもなかったろう。

          平和憲法はまじないにしかすぎない

          きっと、枝野幸男氏たちの立憲民主党を支持した、「専守防衛」を信仰している人々は、これまで憲法第9条が日本の平和を守ってきたと、信じていることだろう。

          だが、「平和憲法」という呪(まじな)いが、日本を守ってきたはずがない。「平和憲法」を信仰している善男善女は認めたくないだろうが、戦後、日本を守ってきたのは、一貫してアメリカの軍事力であり、日米安保体制だった。

          もし、日米安保体制がなかったら、韓国が竹島だけでなく、対馬も盗んでいただろうし、中国が尖閣諸島を奪っていたことだろう。ロシアが北方領土だけで、満足しただろうか。

          私は「良識」を信じない

          私は日本の「良識」を、まったく信じない。

          私はいまから40年前に、『誰も書かなかった北朝鮮「偉大なる首領さま」の国』(サンケイ出版)を著した。韓国に通って、多数の北朝鮮から逃れてきた脱北者(タルプクチャ)をインタビューして、北朝鮮社会の実情をあからさまにしたものだった。

          私はこの本によって、北朝鮮研究の草分けとなった。その後、多くの北朝鮮研究者から、この本によって触発されて北朝鮮に関心を持ったと聞かされた。

          私がこの本を発表した時には、朝日、読売新聞をはじめとする大新聞や、著名な人士が、北朝鮮を「労働者の天国」とか、「地上の楽園」として賞讃していた。

          朝日新聞が、この年に『北朝鮮みたまま』という連載を行ったが、「抜きん出る主席の力」「開明君主」「建国の経歴に敬意」という見出しが、続いていた。

          「こどもは物心つくと金日成主席の故郷、マンギョンデ(万葉台)の模型を前に、いかに主席が幼い日から革命指導者としての資質を発揮したか教えられ、それを自分で説明できる」という記事は、いまなら籠池泰典氏の森友学園の幼稚園のようではないか。

          金日成主席を礼さんした人々

          1976年に、作家の三好徹氏が北朝鮮に招かれて、「社会主義メルヘンの国」と呼んで、絶賛した。

          「主席に会えなかったのは残念ですが、どういう人かということは、おぼろげながらわかりました。キム・イルソンという人は、天が朝鮮の人々のためにこの地上に送ったような人だということです」(『今日の朝鮮』)

          1976年に、小田実氏が訪朝して金日成主席と会見して、「『北朝鮮』を『南侵』の準備態勢にある国として見るには、きちがいじみた猜疑心と想像力を必要とするにちがいない」(朝日ジャーナル、1976年)と、書いている。当時、小田氏は日本の青年男女の寵児(ちょうじ)だった。

          私は北朝鮮を絶賛した、多くの人々の発言をいくらでも引用することができるが、同じ日本人として恥しいから、ここまでにしたい。

          読者はつい15年前まで、NHKから大手のテレビ局までが、北朝鮮に言及する時に「チョーセンミンシュシュギジンミンキョウワコク」と、正式国名をいわなければならなかったことを、憶えておられよう。

          当時、私はもし正式国名で呼ばなければ良識に反するのなら、どうしてドイツを「ドイッチェラント」、なぜイギリスを「ブリテン連合王国」、ギリシアを「ヘラス」と呼ばないのかと、からかった。ドイツも、イギリスも、ギリシアも、もとにない日本語なのだ。

          中国についても、同じことだった。1972年に日中国交正常化が行われた時に、日本中が「日中友好」の大合唱に酔い痴れていた。

          私は「『子子孫孫までの友好』のような戯言(たわごと)に惑わされてはならない」と、警鐘を鳴らした。だが、「日中友好」が、その時の「良識」だった。

          「文化の日」を「文武の日」にしよう

          北朝鮮を正式国名を呼ばなければならないという不思議なきまりは、2002年に小泉首相が訪朝して、金正日総書記が日本人を拉致したことを認めると、国民のあいだで北朝鮮に対する嫌悪感が強まったために、どこかに消えてしまった。

          日本の「良識」が、北朝鮮危機という妖怪をつくりだしたのだ。

          今年は、政府が「明治維新100周年」を祝うという。

          明治の日本が近代国家を造ることができたのは、日本国民が文武両道を重んじて、「富国強兵」に取り組んだからだった。

          戦後、「明治節」は、「文化の日」と呼ばれる休日となっている。今年から、「文武の日」に改めてほしい。

          posted by: samu | 政治認識 | 09:53 | - | - | - | - |
          フェイスブックにてご縁をいただいている皆様へ/藤岡 信勝
          0

            フェイスブックにてご縁をいただいている皆様へ

            平成30年(2018年)があけました。
            おめでとうございます。

            ...

            振り返ってみると、昨年はいろいろな問題が凝縮し、煮詰まった年でした。

            その中でも最大のテーマは、北朝鮮のミサイルと核兵器の脅威です。その現実的な恐怖に日本国民が初めてさらされたのが昨年でした。

            軍事と国際政治について発言している人のうち、専門性が高い人ほど、アメリカは最終的には軍事行動に出ないだろうし、北は暴発することはないだろう、という予測をする傾向があります。米・朝ともに、先に手を出すことのメリットがないからです。

            しかし、このような宙ぶらりんの恐怖下に日本国民が置かれているなかで、私は3つのことが気がかりでなりません。第一に、偶発的な暴発はいつ起こらないとも限りません。過去の戦争は、指導者の合理的判断を超えて起こっています。第二に、反対に米朝が手を結んで、日本の頭越しに北の核兵器を認めてしまう危険です。こうなったら日本は永久に北の核恫喝のもとで、奴隷国家として主権を奪われる亡国の道をたどるでしょう。第三に気がかりなのは、こうしたなかで、日本の防衛体制の整備が必要なスピードで進んでいるようには思えないことです。例えば、最近急増した北の漂流船の例をとっても、朝鮮有事の予備訓練という説もあるようです。ああいう船が雲霞のように押し寄せたらどうするのか、物的にも、法的にも、組織的にも、民心的にも、対策はほとんど進んでいないのではないかと疑われます。

            どの道を通っても、日本にとって、悪夢です。これは深刻です。

            次に、2年前の日韓合意は、日本側に有利ないかなる成果もあげず、見事に破綻しました。こうなることは、初めからわかりきったことでした。韓国の誰の政権でも、同じことです。しかも、日韓合意の最大の問題は、国際社会に、日本政府の見解として、反日派の希望通りのメッセージが送られてしまったことです。合意の英文は、「測定不可能な苦痛」、「治癒不可能な心身の傷」など、反日派が妄想する「性奴隷」の描写そのものです。その上で、日本政府は「謝罪」し、金まで支払ったのですから、これで完成です。日本民族にあらぬ罪をかぶせる、驚くべき裏切り行為を政府はおこなったのです。アメリカの圧力があったというのは、言い訳にはなりません。国家・民族の名誉に関わる大嘘を容認することは、いかなる事情があってもできない、という立場を政府は確立すべきです。日本は対韓経済制裁を発動すべきですが、それを妨害する国内勢力がいるようです。いずれにせよ、日韓関係も煮詰まってきました。

            歴史戦の分野では、ユネスコの「世界の記憶」に登録申請していた反日派の国際グループの「慰安婦」が、日本の民間団体とアメリカの民間団体の連名で提出した「慰安婦」と両立しないため、事実上却下されたことが注目されます。3年前から手弁当でジュネーブにまで出かけて活動してきた運動が、初めて目に見える形で成果をあげました。今後、反日派は、ユネスコに三度目の申請をすることはもはや出来なくなったといえます。中心となった山本優美子さんらの活動に心よりの敬意を表します。この余勢をかって、他のテーマでも仕掛けられている国連の場での反日策動に反撃する活動に取り組みたいものです。

            私自身にかかわることでは、昨年、3つの新たなテーマに取り組みました。

            1つめは、通州事件です。80周年の7月29日、慰霊と記憶をテーマにした集会をもつことができました。出版でも、藤岡信勝・三浦小太郎編著『通州事件 日本人はなぜ虐殺されたのか』(勉誠出版)などを出すことが出来ました。

            2つめは、軍艦島の現地調査と報告会です。こちらの方は、新たに出来た「真実の種を育てる会」の企画により、私は調査団長として、11月21−23日、長崎市と端島の現地を視察しました。報告会は、12月19日に開催し、元島民の方のお話を伺う貴重な機会となりました。

            3つめは、正定事件の研究書の出版です。書名は、峯崎恭輔著『「正定事件」の検証 カトリック宣教師殺害の真実』(並木書房)です。2年前の年末に、初めて正定事件のことを知り、早急に史料を集めて本を書くべきだ、と主張した手前、出版についてお手伝いすることになりました。これは、第二の南京事件として、中国に利用される可能性があります。先に真実の歴史を書いてしまうということが重要な理由です。予定通り、80周年の昨年中に出版が実現したことに、大きな満足を感じています。この場を借りて、この著書の普及にお力添え賜りたく、お願い申し上げます。

            以上、昨年の総括が長くなりましたが、昨年の延長上に今年の展開があります。

            国の基本を決める憲法改正が今年のテーマになります。ただ、これについて、昨年5月の安倍首相の、「加憲案」は、かえって問題の所在を混乱させたように思えます。私は自民党の、「2項削除」の憲法改正案のままで、現下の安全保障上の危機を国民に訴えていたほうが、はるかにスジがとおって説得力があったと思います。

            秋には自民党の総裁選挙があります。この小文で私は歯に衣を着せず、安倍政権の批判をしましたが、日本の独立を推進できる若手の政治的リーダーがまだ姿を現していない現状では、安倍総裁の三選が最も望ましいことです。私は安倍首相を支持します。政権は安定しているほどメリットがあり、国益に資するのです。安倍長期政権は、それだけで、国際的に日本の立場を強めている面があることを知るべきです。ただ、安倍政権の継続は3月の日銀総裁人事で決まる、という倉山満氏の分析視点は重要です。いかなる政権も、究極的には経済がうまくいかないと国民の支持は得られないからです。

            野党と反日メディアは、いまだに「モリ・カケ」に期待をつないでいるようですが、こんな程度のことしか考えられない、あまりの低レベルの政党の現実は寒心に耐えません。関連して、朝日新聞が小川榮太氏の著書を裁判に訴えてその言論を封殺しようと企てたことに驚くと同時に、快哉を叫びたいほどの思いをしました。なぜって、これは自己の言論の死を意味し、この時点ですでに朝日は死んでいるといえるからです。いずれにせよ、朝日は滅亡につながる負のスパイラルに入り込んだように見えます。世の中、悪いことだけではない、と思うべきです。

            あと一つ、重要なテーマがあるのですが、これについては、おいおい改めて書くことにします。

            フェイスブックの皆様の知見、情報、分析に大変助けられています。本年も、どうぞ、沢山のことを教えて下さるようお願いいたします。

            posted by: samu | 政治認識 | 10:10 | - | - | - | - |
            「 強欲NHK、650億の蓄財を説明せよ 」櫻井よしこ
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              『週刊新潮』 2017年12月28日号
              日本ルネッサンス 第784回

              テレビを設置したらなぜ、NHKと契約し受信料を払わなければならないのか。NHKを見たくない人にまで契約を強要するのは、契約の自由を侵す憲法違反ではないのか。
               
              こうした問いに最高裁判所は12月6日、合憲の判断を下した。その判決のおかしさは、「受信設備を設置した者は、協会(NHK)とその放送の受信についての契約をしなければならない」という放送法第64条1項には沿っているが、その他の重要事項に全く配慮していないことだ。
               
              NHKは放送法第4条に定められた➀政治的公平性、➁事実は歪曲しない、➂対立意見のある事柄は多くの角度から論点を明らかにする、などについては全く守っていない。「公共放送」にあるまじき極端な偏向報道に最高裁は全く触れなかった。
               
              金満体質になってしまったNHKが公共放送とは無関係の投資活動に多額の資金を投入していることも、最高裁は全く考慮しなかった。
               
              最高裁がNHKへの受信料支払いを「法的義務」としたことから、裁判を起こせばNHKは必ず勝訴し、受信料取り立てが可能になる事態が生まれた。受信料徴収率はすでに約80%で、NHKの一人勝ち体制が強化されるだろう。加計学園報道や種々の歴史ドキュメンタリー番組で明らかな偏向報道をするNHKに、受信料という事実上の税金をこれまで以上に注入してよいはずがない。
               
              そこで、私は、インターネット配信の「言論テレビ」で12月15日、特別番組を組んで同問題を取り上げた。その議論の中から、偏向報道が半端ではないNHKの、これまた半端ではない彼らの金満体質を紹介する。経済評論家の上念司氏がNHKの財務諸表を分析し、今年度の中間決算を基に報告した。

              「NHKには1兆円超、正確には1兆1162億円の資産があります。その金持ち振りに驚きますが、中身を分析するともっと驚きます」
               
              1兆円余の資産の内、一見してNHKには不要だと思われるのが有価証券、長期保有有価証券、特定資産である。それぞれ2461億円、946億円、1707億円で、計5114億円だ。ひとつずつ見ていこう。

              受信料を国民に戻すべき
               
              まず、1番目の有価証券だ。この多くは譲渡性預金、要は定期預金だ。なぜこんなに定期預金をするのか。資金に余裕があるからだとの上念氏の説明はわかり易い。
               
              次は長期保有有価証券だ。「これは特殊法人の発行する債券と地方債です。NHK自体が特殊法人ですが、他の特殊法人のスポンサーになっている。どこにそんな必要があるのか、わからない」と、上念氏。
               
              長期保有有価証券946億円の中に105億円の非政府保証債が含まれている。政府系特殊法人が発行する債券を105億円も購入している。

              「NHKが財政投融資みたいなことをやっているわけです」と上念氏は説明したが、再び同じ疑問を抱く。NHKがそんなことをする必然性はあるのか、と。
               
              この長期保有有価証券には他にもよくわからないものが入っている。たとえば事業債の購入費591億円だ。この事業債は主に電力会社が発行している証券だが、やはり同じ疑問を抱く。国民の受信料で、なぜ、電力会社の債券を買うのか、と。これもお金が余っているからであろう。
               
              次はNHKにとって必要がないと思われる3番目の項目だ。1707億円に上る特定資産である。上念氏の説明を聞いてもっと驚いた。

              「実は、特定資産の中にも、前述の非政府保証債と事業債が入っているのです。各々794億円と640億円です。すでに説明した長期保有有価証券の中にも同じ名目で入っていましたから、両方に分散されているものを足すと、非政府保証債が約900億円、事業債が約1231億円。凄い額です」
               
              非政府保証債が政府系特殊法人の債券であること、事業債が主として電力会社の債券であることはすでに述べた。国民のための放送事業に必要だとして徴収する受信料を、他の特殊法人や電力会社のために使う理由をNHKは説明すべきだ。
               
              そんな余裕があれば、NHKは受信料を国民に戻すべきだ。或いは前会長の籾井勝人氏が主張したように受信料を大幅値下げすべきだ。そこでNHKの懐にはどれだけの資金があるのか、上念氏が分析した。

              「単体決算で見ると、純資産は7442億円、連結決算では8340億円、名だたる上場企業に引けをとらない凄い実績です。優良企業のパナソニックの純資産が9814億円、富士通が9098億円、NHKは両社には及ばないが7442億円。マツダの5132億円よりも富士重工の4962億円よりもはるかに巨額の純資産をNHKは持っています」

              高給取りの集団
               
              こんな金余りのNHKであるから、当然、職員への利益配分も大きい。平成28年度決算ではNHKの給与総額は1109億3094万円だった。NHK職員の総数、1万273人で割ると、1人当たり平均年収は1079万8300円だ。他方、民間給与実態統計調査によると、日本人の1年間に得た平均給与は421万円である。
               
              単純平均値だが、日本国民の平均給与の2.5倍をNHK職員は得ている。「皆さまのNHK」は高給取りの集団である。これはフェアか。民間企業が競争に晒されコストを削減し、新製品や技術を開発し、努力して利益を上げるのに対して、NHKは法律をバックに受信料を徴収するだけだ。おまけに凄まじい偏向報道で事実を歪曲し、放送法第4条は守らない。そんなNHKにこんな給料格差は許せない。

              「キャッシュフローを見ると、半期で508億円もキャッシュが残っています。1年では1000億円以上です。うち、半期で327億円、1年で650億円強が有価証券取得に回されています。先にも言いましたが、この多くは定期預金なのです。お金が余っているからこれだけ貯め込んでいる。そこで言いたい――NHKさま、お金が余っているなら、国民にお返し下さい」
               
              上念氏の呼びかけに、私たちは爆笑したのだが、笑って済む話ではない。金余りのNHKは余った分を国民に返すべきだ。最高裁判断を笠に着て、受信料徴収に励む強欲NHKであり続けてはならない。そしてNHKは国民に説明せよ。なぜ毎年650億円も私たちの受信料から抜き取って、有価証券を買うのか。この問いにきちんと答えよ。
               
              このように抗議をしても、恐らくNHKの強欲と偏向報道は改まるまい。そうした姿勢はすでに彼らの体質になっている。それでも私たちはNHKの現状を黙って受け入れるわけにはいかない。一日も早く、スクランブル放送や電波オークションなど新制度を導入し、NHKの強欲と偏向の厚い壁を破っていきたい。

              posted by: samu | 政治認識 | 09:50 | - | - | - | - |
              「言論機関の自殺」へと踏み出した朝日新聞/門田隆将
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                「はあ?」。思わずそんな素っ頓狂な声をあげてしまった。昨日、文芸評論家の小川榮太郎氏が、朝日新聞から謝罪広告の掲載と計5千万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こされたというニュースを聞いたときである。

                日本を代表する言論機関である新聞社が、自社を批判する書籍を発行した人物を名誉毀損で訴えたのだ。「言論」に対して「言論」で闘うのではなく、「言論」には「法廷で」というわけである。

                これは、「自分への批判は許さない」という態度を朝日新聞が明確にしたもので、「言論の自由」に対する完全なる否定であることは疑いない。欧米では、この手の裁判は、「スラップ訴訟(Strategic lawsuit against public participation)」として軽蔑される。いわゆる「批判的言論威嚇目的訴訟」である。

                大企業など資金豊富な組織体が、一個人を相手取って、威圧、あるいは恫喝といった報復的な目的で起こすものがそれだ。今回は、小川氏個人だけでなく、出版元の飛鳥新社も訴えているから、純粋な「大企業vs個人」ではないが、それに“近いもの”とは言えるだろう。

                しかも、朝日新聞は、言論を持たない大企業ではなく、前述のように「言論機関そのもの」である。言論で挑んできた相手に、司法の判断を仰ぐというやり方は、日頃、「言論の自由」に則って、さまざまな報道をおこなっている新聞には、許されざる行為である。

                今年10月に出された小川氏の著書『徹底検証「森友・加計事件」 朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪』(飛鳥新社)は、非常に興味深く読ませてもらった。朝日が5月17日付一面トップで文科省内部文書の「総理の意向」記事で加計問題をブチ上げたとき、そこで使われた文書の写真が黒く「加工」され、朝日にとって“都合の悪い部分”が読めなくなっていたのである。

                このことは、私自身も、何度も指摘しているが、これらのほかにも、マスコミの恣意的な報道の数々を当欄の7月30日付でも、詳しく書かせてもらった。小川氏の評論は、細かい分析に基づいており、モリカケ報道に関心がある人間にとって、間違いなく“必読の書”である。

                朝日は、この本が「言論の自由の限度を超えている」とコメントして訴訟を正当化しているが、実際に、ベストセラーになっているこの本を読んだ多くの国民は、そう思わないだろう。

                私は、朝日新聞の今回の行動は、裁判官との「密接な関係」なくしてはありえないものだったと思う。裁判官と報道機関とは、想像以上に密接な関係にあることをご存じだろうか。

                司法記者クラブと裁判官との間には、折々に「懇親会」が持たれており、グラスを片手に、さまざまな問題について、話し合う関係にある。そこで記者は、裁判の進行具合や判決について、感触を得る。なにより「密接な人間関係」を構築していくのである。

                有力政治家との日頃の関係によって、新聞社が一等地に政府から破格の値段で土地払い下げを受け、それが今の新聞社の経営を支えていることは広く知られている。朝日新聞などは、大阪の中之島にツインタワーを完成させ、いまや不動産事業で屋台骨を支えようとしているほどである。

                司法とも密接な関係を維持してきた朝日新聞は、選択型実務修習先として司法修習生を積極的に受け入れ、裁判官の社会見学や実務研修に対しても、大いに協力してきた歴史がある。

                つまり、裁判官にとって、新聞とは「朝日新聞」のことであり、これに敵対する勢力は、イコール自分たちの「敵」でもあるのだ。

                私のデビュー作は、『裁判官が日本を滅ぼす』(新潮社)である(※その後、再編集して現在は『新版 裁判官が日本を滅ぼす』WAC)。

                その中でも指摘させてもらったが、社会常識に欠け、事実認定力が劣る日本の官僚裁判官たちは、「権威の序列化」が得意な人種だ。特に民事訴訟の場合だが、訴訟の勝敗を「どっちに、より権威があるか」ということをもとに判断する傾向が強い。

                「一個人」と「朝日新聞」ということになれば、裁判官はどっちに軍配を上げるか。いうまでもなく朝日新聞である。個別の事情に踏み込まず、「権威の序列化」に基づき、判決を下すからだ。

                これらをバックに、朝日新聞が大いに勇気が湧いた判決が、さる10月24日に最高裁であった。朝日新聞のこれまでの慰安婦報道で「知る権利を侵害された」として、千葉県や山梨県に住む28人が朝日新聞社に1人1万円の損害賠償を求めた「慰安婦報道訴訟」で、朝日新聞の勝訴が最高裁第三小法廷(林景一裁判長)で確定したのだ。

                3つの団体から起こされている訴訟は、いずれも朝日の勝訴が続いている。私は、当初から裁判官との「密接な関係」と「権威の序列化」をキーワードにして、住民側の訴えは通らないと予想していた。

                周知のように、吉田清治証言や女子挺身隊との混同、あるいは証拠なき強制連行など、朝日の慰安婦報道が現在のように世界中に慰安婦像が建ち、「日本=姓奴隷国家」というレッテルを貼られる元になっている。しかし、そのことが、どれほど明白であっても、裁判官と朝日新聞との“岩盤の関係”によって、ハネ返されているのが実情なのである。

                「司法に持ち込んだら何とかなる」――言論機関でありながら、朝日新聞はそんなことを考えているのではないだろうか。それが「言論機関としての自殺」であることを社内で説く人間がいないことが朝日新聞の病巣の深さを物語っている。ジャーナリズムの世界にいる人間として、私にはそのことが信じられない。

                 

                 

                posted by: samu | 政治認識 | 09:49 | - | - | - | - |
                死のシルクロード「一帯一路」の片棒を担ぐバカものども/田村秀男
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                  【田村秀男の日曜経済講座】大甘の「一帯一路」参加論 死のロードに巻き込まれるな
                   政財界・メディアでは中国の習近平国家主席が推進する広域経済圏構想「一帯一路」への参加熱が再燃している。北京も盛んに甘い声で誘ってくるが、ちょっと待てよ。その正体は「死のロード」ではないのか。 
                   一帯一路は2014年11月に習氏が提唱した。ユーラシア大陸、東・南アジア、中東、東アフリカ、欧州の陸海のインフラ網を整備し、北京など中国の主要都市と結ぶ壮大な計画だ。中国主導で現地のプロジェクトを推進する。資金面でも中国が中心となって、基金や国際金融機関「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」を15年12月に北京に設立済みだ。
                   一帯一路とAIIBにはアジア、中東、ロシアを含む欧州などの多くの国が参加しているが、先進国のうち日本と米国は慎重姿勢で臨んできた。国内では「バスに乗り遅れるな」とばかり、産業界、や与党、日本経済新聞や朝日新聞といったメディアの多くが積極参加を安倍晋三政権に求めてきた。安倍首相もAIIBには懐疑的だが、一帯一路については最近一転して、「大いに協力する」と表明するようになった。
                   自民党の二階俊博幹事長は先週、中国で開かれた自民、公明両党と中国共産党の定期対話「日中与党交流協議会」で、一帯一路での日中の具体的な協力策を話し合った。一帯一路、AIIBへの参加問題は日中平和友好条約締結40周年を迎える来年の大きな対中外交テーマになりそうだ。一帯一路やAIIBが中国共産党主導の粗暴な対外膨張主義の一環と論じてきた拙論は、捨ててはおけない。
                   グラフは一帯一路沿線地域・国向けの中国政府主導のプロジェクトの実施、契約状況と国有企業などによる直接投資の推移(いずれも当該月までの12カ月合計値)である。新規契約は順調に拡大し、中国の対外経済協力プロジェクトの約5割を占めるようになり、習政権の意気込みを反映している。
                  イメージ 1
                   半面、プロジェクトの実行を示す完成ベースの伸びは鈍い。中国企業による一帯一路沿線への進出を示す直接投資となると、水準、伸び率とも極めて低調だ。習氏の大号令もむなしく、実行部隊である国有企業は投資を大幅に減らしていることが読み取れる。
                   背景には、北京による資本流出規制がある。中国は3.1兆ドル超と世界最大だが、対外負債を大きく下回っている。中国の不動産バブル崩壊への不安や米金利上昇などで巨大な資本流出が起きかねず、資本規制を緩めると外貨準備が底を尽きかねない。北京は中国企業による対外投資を野放しにできなくなった。カネを伴うプロジェクト実行にもブレーキがかかる。
                   他方、一帯一路の「金庫」の役割を果たすはずのAIIBは外貨調達難のために半ば開店休業状態にある。AIIBは北京による米欧金融市場への工作が功を奏して、アジア開発銀行並みの最上位の信用度(格付け)を取り付けたが、AIIBが発行する債券を好んで買う海外の投資家は多くない。
                   四苦八苦する習政権はぜひとも世界最大の対外金貸し国日本の一帯一路、さらにはAIIBへの参加が欲しい。資金を確保して新規契約プロジェクトを実行しやすくするためだ。その見返りに一部のプロジェクトを日中共同で、というわけだが、だまされてはいけない。
                   中国主導投資の道は死屍(しし)累々である。習氏は12年に政権を握ると、産油国ベネズエラへの経済協力プロジェクトを急増させてきた。同国は反比例して経済が落ち込み、実質経済成長率は16年、マイナス16%に落ち込んだ。経済崩壊の主因は国内政治の混乱によるのだが、ずさんな中国の投資が政治腐敗と結びついた。
                   中国投資が集中したスーダンもアフリカのジンバブエも内乱や政情不安続きだ。中国と国境を接している東南アジアは今、中国化が急速に進んでいる。ラオスやミャンマーでは中国国境の地域ごと中国資本が長期占有してつくったカジノ・リゾートがゴーストタウン化するなど、荒廃ぶりが目立つ。中国が輸出攻勢をかけるカンボジアは債務の累積に苦しみ、中国からの無秩序な投資に頼らざるをえなくなっている。
                   ティラーソン米国務長官は10月、「中国の融資を受ける国々の多くは膨大な債務を背負わされる。融資の仕組みも、些細(ささい)なことで債務不履行に陥るようにできている」と警告した。麻生太郎財務相も11月、AIIBを「サラ金」に見立てた。一帯一路やAIIBへの参加は泥舟に乗るようなものなのだ。
                  posted by: samu | 政治認識 | 09:52 | - | - | - | - |
                  2018年はメディアの「報道しない自由」への怒り高まるだろう /ケントギルバート
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                    明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

                     本コラム「ニッポンの新常識」は、来月初めに連載開始から丸3年を迎える。この夕刊フジの連載を始めてから、うれしいことに執筆依頼が急増した。対談・共著と既刊本の文庫化も含めると、私はこの3年間で、24冊もの著書を出版していた。

                     なかでも昨年2月出版の『儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇』(講談社+α新書)は、特に大きな反響があり、発行47万部。「2017年 年間ベストセラー(日販調べ)」の「新書ノンフィクション部門」第1位、総合でも第6位にランクインした。

                     購入や口コミを通じて応援してくださった読者の方々と、制作や宣伝、販売に尽力してくださった関係者の皆さまには、この場を借りて厚く御礼を申し上げたい。

                     私の近著に必ずと言っていいほど登場する言葉が、「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム(WGIP)」である。ところが、13年11月に出版した『不死鳥の国・ニッポン』(日新報道)には、この言葉が一度も出てこない。

                     評論家の江藤淳氏が1989年、著書『閉された言語空間』(文藝春秋)で存在を明らかにした「WGIP」について、5年前の私はまだ1次資料を確認できていなかった。デマや都市伝説である可能性を排除できていなかったのだ。

                    現在は、GHQ(連合国軍総司令部)の組織の中で、WGIPの実施を担当したCIE(民間情報教育局)の報告書という1次資料を複数確認済みである。WGIPについて、私は日本国民全員が知るべき史実であり、教科書への掲載を義務付けてもいい重要事項だと思うが、WGIPに協力してきた歴史学会や文科省にその気はないだろう。

                     1次資料などによると、NHKや新聞はWGIPで中心的役割を果たした。最近、NHKは「反戦平和」を訴える伝統的態度を維持しつつも、反米的要素を歴史番組の中に巧みに織り込んでいるように思える。都合が悪いのか、同局がWGIPを取り上げた番組を見たことがない。

                     2018年は、メディアの「報道しない自由」に対する、読者や視聴者の認識と怒りが、一段と高まるだろう。私は、意図的に隠されてきた事実が「ニッポンの新常識」になることを目標に、今年も著書や講演などで訴え続けるつもりだ。

                     唐突だが、乾電池と無縁な生活を送る日本人はめったにいない。同時に、乾電池発明者の屋井先蔵(やい・さきぞう)の名前を知る日本人もめったにいない。

                     6日発売の『日本人だけが知らない 世界から尊敬される日本人』(SB新書)にも、「ニッポンの新常識」を満載した。乞うご期待。

                     ■ケント・ギルバート 米カリフォルニア州弁護士、タレント。1952年、米アイダホ州生まれ。71年に初来日。著書に『儒教に支配された中国人・韓国人の悲劇』(講談社+α新書)、『トランプ大統領が嗤う日本人の傾向と対策』(産経新聞出版)、『日本覚醒』(宝島社)など。

                    posted by: samu | 政治認識 | 16:09 | - | - | - | - |
                    やはり「中国と対決」の道を選んだトランプ政権/古森義久
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                      中国は、米国が主導する国際秩序への最大の挑戦者である──。米国のトランプ大統領が12月18日に発表した「国家安全保障戦略」は、対中政策の前提として中国をこう位置づけ、長期的には中国の膨張を抑える対決の道を選ぶという姿勢を明確にした。

                       日本の一部では、トランプ政権が中国とやがて手を結ぶという「対中取引外交」説が語られていたが、その説を否定する形となった。

                      アジアで他国の主権を脅かしている中国

                       今回トランプ大統領が発表した国家安全保障戦略は、中国とロシアが軍事力や経済力政治力を拡大して、米国が主導する現在の国際秩序を壊し、米側の利益や価値観に反する新たな世界を作ろうとしているとして、その試みを防ぐことが不可欠であると強調していた。

                       特に、米国にとって今後長期にわたり最大の脅威となる相手と位置づけていたのが中国である。同戦略は中国の特徴を以下のように定義づけていた。

                       

                      ・中国はインド・太平洋地域で米国に取って代わることを意図して、自国の国家主導型経済モデルを国際的に拡大し、地域全体の秩序を作り変えようとしようとしている。中国は自国の野望を、他の諸国にも利益をもたらすと宣伝して進めているが、現実にはその動きはインド・太平洋地域の多くの国の主権を圧迫し、中国の覇権を広めることになる。

                      ・ここ数十年にわたり米国の対中政策は、中国の成長と国際秩序への参加を支援すれば中国を自由化できるという考え方に基礎を置いてきた。だが、米国の期待とは正反対に、中国は他の諸国の主権を侵害するという方法で自国のパワーを拡大してきた。中国は標的とする国の情報をかつてない規模で取得し、悪用し、汚職や国民監視などを含む独裁支配システムの要素を国際的に拡散してきた。

                      ・中国は世界の中で米国に次ぐ強力で大規模な軍隊を築いている。その核戦力は拡張し、多様化している。中国の軍事力の近代化と経済拡張は、大きな部分が米国の軍事や経済からの収奪の結果である。中国の急速な軍事力増強の大きな目的の1つは、米国のアジア地域へのアクセスを制限し、自国の行動の自由を拡大することである。

                      ・中国は自国の政治や安全保障の政策に他国を従わせるために、経済面での“飴と鞭”の使いわけのほか、水面下で影響力を行使する工作、軍事的な威嚇を手段としている。インフラ投資や貿易戦略は、地政学的な野望の手段となっている。また、南シナ海における中国の拠点の建造とその軍事化は、他国の自由航行と主権を脅かし、地域の安定を侵害する。

                       

                      そして同戦略は、インド・太平洋地域の諸国は、中国に対する集団防衛態勢を米国が主導して継続することを強く求めていると強調していた。

                      明確に否定された「米中融和」の推測

                       このように同戦略は、中国は他の諸国の主権や独立を侵害しようとする危険な存在であり、アジア・太平洋地域全体にとっての脅威となっているため、米国が中国の脅威を受ける諸国を集めて、対中防衛、対中抑止の態勢を共同で保たねばならない、と唱える。

                       つまりトランプ政権は、長期的にみて中国が米国にとっての最大の対抗相手、潜在敵であるとみなしているのだ。

                       その一方、トランプ大統領は就任からこの11カ月ほどの間に、北朝鮮の核兵器開発を防ぐための協力を求めるなど対中融和と受け取れる言動もあった。そのため日本では一部の識者たちの間で、「トランプ大統領は、結局は中国との協調姿勢をとることになる」「米中はやがて水面下で手を結び絆を強め、日本を疎外するようになる」という観測が述べられてきた。トランプ大統領の実業家としての経歴を重視して「トランプ氏は中国との間でビジネス的な取引を進め、対立を避けるだろう」と予測する向きも少なくなかった。

                       しかし、今回、打ち出された国家安全保障戦略は、中国を米国にとっての最大の脅威と位置づけており、「米中融和」や「米中蜜月」という推測を明確に否定したといえよう。

                      posted by: samu | 政治認識 | 10:25 | - | - | - | - |