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「 731部隊を巡る中国の対日歴史復讐戦 事実の歪曲・捏造阻止へ全容の解明を 」櫻井よしこ
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    『週刊ダイヤモンド』 2017年12月2日号
    新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1209
     

    米国と中国の大きな相違は民主主義体制か専制独裁体制かとの点にとどまらない。米国は呑み込まない国、中国は呑み込む国である。米国は自国の広大な国土に満足しており、それ以上に植民地や国土を拡張しようとは考えていない。中国はすでに広大な土地を手に入れているにもかかわらず、これからも他国の領土領海を奪い膨張しようとする国である。

    もうひとつ大事なのは、米国は歴史を乗り越えようとする国、中国は歴史を恨み復讐する国だということである。

    他国の土地を奪う点についての米中の相違は、米国が植民地だったフィリピンの独立を認め、沖縄をわが国に返還したのに対し、中国はチベット、モンゴル、ウイグルの三民族から奪った国土は絶対に返さないことだ。3民族の国土は現在の中華人民共和国の60%に当たる。加えて中国は現在もインド、ブータン、北朝鮮、台湾、フィリピン、ベトナム、マレーシア、インドネシア、日本などの国土を自国領だとして奪い取りつつある。

    歴史への向き合い方も米中ではおよそ正反対だ。まず私たちはさまざまな想いを込めてバラク・オバマ前米大統領と安倍晋三首相の広島、及びパールハーバー訪問を想い出すことができるだろう。他方中国は、アヘン戦争以来、帝国主義諸国に奪われ続けたという視点に立ち、中華民族の偉大なる復興として、「失ったもの」を取り戻す作業にとりかかっている。その根底をなすのが復讐の想いであり、それを可能にするのが中国共産党の指導力という位置づけだ。前置きが長くなったが、その結果何が起きているかが、今回の当欄で指摘したいことだ。

    対日歴史復讐戦として仰天する非難がまたもや言い立てられ始めた。「中国日報」(China Daily)が11月13日付で、旧日本軍の731部隊が少なくとも3000人の中国人を人体実験して殺害し、30万人以上の中国人を生物兵器で殺害したと報じたのだ。

    また30万人か。「南京大虐殺」の犠牲者30万人は多くの研究によって虚構であることが明らかにされている。慰安婦30万人を旧日本軍が殺害したということも、絶対にあり得ない。だが、中国共産党は右の2つの「30万人被害説」を、国を挙げて主張し、世界に広めてきた。いままた、対日歴史復讐戦として731部隊の犠牲者30万人説が持ち出された。

    中国日報は、黒龍江省のハルビン社会科学院の研究者四人が米国立公文書館、議会図書館、スタンフォード大学フーバー研究室で2300頁に上る資料を発見したと報じている。

    4人のうちの1人、リュウ・リュージア氏(女性)は「細菌戦における731部隊と軍の密接な関係を示す研究資料が大量に含まれている。資料には多くの英語による書き込みがある。誰が何を意味して書いたのかはこれからの研究だ」と語っている。

    リュウ氏は同僚たちとこれまで7年を費やして資料を集めたそうだ。その結論として30万人が731部隊に殺害されたと主張するわけだ。

    731部隊に関する資料の多くは戦後米国に持ち去られた。日本で発表された衝撃的な報告として日本共産党などが盛んに取り上げた森村誠一氏の『悪魔の飽食』が想い出される。

    30万人説を早くも打ち出したリュウ氏らの研究は純粋な歴史研究というより対日歴史復讐戦の一環と見るべきだろう。中華民族の偉大なる復興を目指す習近平主席は自身の体制維持のために、進んで日本を貶める。当然、731部隊に関しても事実の歪曲や捏造が起きるだろう。それを防ぐには、日本人にとって触れられたくないテーマだとしても、研究を進め事実の全容を明らかにすることが必要だ。

    このようなことにこそ、外務省に与えた歴史の事実発信のための500億円を活用することが大事である。

    posted by: samu | 政治認識/中国韓国 | 10:07 | - | - | - | - |
    本当は北朝鮮情勢よりももっと危ない尖閣の今/古森義久
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      中国は今なお軍事手段による尖閣諸島の奪取を目指しており、米中戦争にまでつながりかねない軍事衝突の危険性をはらんでいる──米国議会の米中関係諮問機関が年次報告書でこんな見解を公表し、警告を発した。

       日本は、北朝鮮の脅威よりも切迫した国難に直面しているといえそうだ。

      現在も高頻度で続く尖閣水域への侵入

       米国議会の政策諮問機関「米中経済安保調査委員会」は11月中旬、2017年の年次報告書を発表した。

       同委員会は、米中経済関係が米国の国家安全保障に及ぼす影響を調査することを主目的として2000年に設置された。以来、超党派機関として12人の専門家の委員(コミッショナー)を中心に活発な調査、研究活動を続け、その結果を議会と政府への政策提言として公表している。

       2017年度の報告書は全体で657ページに及び、米中二国間関係だけでなく、米国の国家安全保障に影響を与える同盟国の日本と中国との関係についても多くの章で言及している。

       

      特に日本にとって注目すべきなのは、同報告書が中国の尖閣諸島への軍事がらみの攻勢によって日中関係の緊迫が高まっていることを強調し、中国側が具体的な尖閣奪取作戦を立案しているという見方も紹介していたことだ。

       尖閣諸島をめぐる中国の意図、行動、そして日本側との対立による危機についての記述の骨子は以下のとおりである。

      ・中国政府は、尖閣諸島の主権や施政権を有するという日本側の主張を、中国領土の違法な占拠の結果だとみなしている。その「占拠」を崩すために、人民解放軍と中国海警の艦艇などによる尖閣周辺の日本の領海、接続水域への侵入を繰り返し、中国側の権利の確立を記録して、その結果を誇示している。

      ・中国側による尖閣水域侵入は2013年頃に最も頻繁に行われたが、2017年夏以降もかなり高い頻度で続いており、現在は毎月平均3回となっている。日本側も対抗手段をとっており、尖閣は日中間の偶発的な軍事衝突が最も発生しやすい最大の発火点となっている。

      ・中国側は、尖閣を中心とする東シナ海の空域で、空軍の各種戦闘機、迎撃機、爆撃機などによる爆撃訓練や監視飛行を続けており、日本側のスクランブル飛行を頻繁に引き起こしている。特に宮古海峡上空での中国軍機による爆撃演習は、日本の航空自衛隊だけでなく米空軍による真剣な監視も招き、緊張を高めることになる。

       

      以上のように、日中二国間関係においては尖閣諸島をめぐる対立が両国の緊張を高める最大の要因となり、実際に軍事衝突の危険性をも生み出しつつある。中国の大規模な軍事拡張と侵略的な言動は日本側の反発をさらに高め、日中間の緊迫を強めている。さらに尖閣での日中の軍事衝突は、日米安保条約による米軍の介入も招く可能性があり、米中戦争の発火点ともみなされるようになった。

      尖閣奪取作戦を具体的に立案?

       米中経済安保調査会の2017年度報告書は以上のような日中関係の緊迫した状況を伝え、「中国側は、日本が長年主張してきた尖閣諸島の統治の実権をすでに奪った」(中国人民解放軍・国防大学戦略研究所の孟祥青所長)という趣旨の見解を紹介している。

       また同報告書は、孟氏ら中国側の軍事専門家たちの著作などを根拠として、中国が尖閣諸島周辺での大規模な軍事演習を実施して、その演習を一気に実際の尖閣奪取作戦に変えるという戦術や、人民解放軍が正面から水陸両用攻撃で尖閣を占拠する作戦を立案していることも指摘していた。

       日本にとっては、まさに「今そこにある明白な危機」というわけである。

      posted by: samu | 政治認識/中国韓国 | 17:58 | - | - | - | - |
      ニッポンはなぜ歴史戦に負け続けるのか/藤岡信勝
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        日韓合意は2015年12月28日に公表された。この時ほど落胆したことはなかった。滅多に落ち込まない私も、体に変調を来し、治るのに4、5日を要した。安倍内閣は日本の名誉を守れない政権であることがハッキリした。中西輝政氏は、日韓合意が河野談話の固定化・永続化だったと意味づけている。(『ニッポンはなぜ歴史戦に負け続けるのか』)まったく同感である。しかし、当時、事の本質を見抜いていた人は多くはなかった。保守言論人の多くは、何と日韓合意は安倍政権の外交的成果だと褒め称えたのである。

         山岡鉄秀氏は、この時、事態を見通していた人の一人だった。氏はオーストラリアの慰安婦像を阻止した団体のリーダーだった。そのグループが日韓合意についての世界中のメディアの論調を素早く集めて官邸や各政党に送った。これが転機となった。翌年の1月18日、中山恭子先生が参議院予算委員会で質問し、安倍総理は慰安婦問題の3点セット(強制連行、性奴隷、20万人)を全て否定する答弁をした。先日、中山恭子先生が主催する政治塾で「歴史戦の構図と争点」という講義をさせていただいたが、殆どの受講生は中山...質問の意味を知らなかったように見受けられた。

         さて、日韓合意はオバマ政権が4年前から日本に譲歩させるべく策動を続けてきた結果でもあった。今やトランプ大統領のもとで、政権の性格は根本的に変わった。トランプはアメリカでゴルフをしながら、「シンゾー、『iannfu』って、何だ?」と聞いてきた。安倍総理が説明すると大笑いしたそうだ。

         しかし、残念ながら、昨今の韓国政府のふるまいに対する政府の反応は、普通の国民の意識よりもさらに遅れている。もはや、この問題でアメリカ政府から圧力がかけられる状況にはない。政府はすでに明らかになった事実に基づいて、断固として反撃するべきだ。逃げ腰になってはならない。あれだけの得票と議席を取って国民からの圧倒的支持を得たにもかかわらず、安倍政権の政策は全体としてモタモタしていて、切れ味が感じられない。しっかりしていただきたい。

         と、思っていたら、山岡氏がフェイスブックに投稿されていたので、シェアーさせていただくことにした。

        ◆山岡 鉄秀氏の投稿(16時間前) ・
        日韓合意の直後、私は「韓国は金を受け取り次第、反日活動を民間にやらせて裏から支援する戦術に出る」と明言していた。新しい手法でもなんでもない。わかりきったことだ。そのわかりきったことがなぜ予想できないのか、それこそまったく理解できない。「強制連行した根拠はない」とだけ言っても駄目である。そもそも、慰安婦制度とは何だったのか?何のために設置したのか?問題点はなんだったのか?強制連行していないなら、なぜ日本政府は謝り続けて来たのか?などを明確に説明できなくてはならない。つまり、自らの立場を立論する、ということだ。それをせずに、相手の顔色ばかりを伺って、「遺憾だ、残念だ」を繰り返しても何の説得力もない。日韓合意で慰安婦問題が収束するどころか、世界中にまき散らされたのは当たり前だ。日本政府がすべての罪を公式に認めたのだから。友人のイギリス人弁護士が吐き捨てるように言った。「日本政府が謝罪して金を払った時点で慰安婦問題は終わった」日本政府はいい加減に腹を決めて、一次資料に基づく立論をし、慰安婦制度とは何だったのか、慰安婦は実在したが、慰安婦問題は存在しなかったことを自分の言葉で語らなくてはならない。それができないのなら、自ら永遠の敗者に甘んじて生きるしかない。さらに言えば、国連とはこんなに腐りきった機関でもある。青山の国連大学はオリンピックに向けてさっさとマンションに転換した方がよい。ちなみに、昨年12月の人種差別撤廃委員会での日本政府回答では土下座外交に戻っていたが、今回は少し杉山発言ラインに戻した。韓国が「日韓合意は被害者や民間団体は受容できないと訴えている」などと寝言を言ってきたら、その場で"That's your problem, not ours. You received the money. Just manage your people" と答えて終わりだ。こんなものは新手法でもなんでもない。しっかりしてほしい

        posted by: samu | 政治認識/中国韓国 | 18:44 | - | - | - | - |
        「 北朝鮮情勢や中国の脅威こそ重要なのにより大きな危機を後回しにする韓国政府 」櫻井よしこ
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          『週刊ダイヤモンド』 2017年11月18日号
          新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1207
           

          ドナルド・トランプ米大統領歓迎の晩餐会で韓国政府が「独島エビ」を献立に、元慰安婦をゲストに加えたのにはいささか驚いた。菅義偉官房長官は、「外国が他国の要人をどのように接遇するかについて政府としてコメントを差し控えるが、どうかとは思う」と語った。本当に、どうかと思う。

          歴史を振りかえれば、竹島は間違いなくわが国の領土で韓国が不法に占拠しているにすぎない。他国の領土問題には介入しないのが米国の建前だが、実は竹島は日本国の領土であるとの立場は共有している。

          わが国は大東亜戦争で敗北、占領された。占領が終わりに近づいた昭和26(1951)年、どの範囲を日本国の領土とするかについて連合国側は調査に入った。米国案は主な4つの島に加えて竹島も日本の領土として認めていた。これがサンフランシスコ講和条約の第二条(a)である。

          その内容を察知した韓国は、早速駐米大使を時のトルーマン政権の国務長官特別顧問、ジョン・フォスター・ダレスの元に派遣し、済州島、巨文島、鬱陵島の他に竹島(独島)と波浪島を韓国の領土としてほしい旨、要請した。

          要請を受けてさらに調査を進めたダレスは韓国政府に書簡をもって「我々の情報によればリアンクール岩(現在の竹島)が朝鮮の領土として扱われたことは一度もない」として、韓国の要請を却下した。波浪島に至っては存在を確認することもできなかった。

          その時点で米国政府は、竹島は日本国の領土だとの立場に、明確に立ったのである。このままなら翌昭和27(52)年4月には日本は主権を回復し、竹島も日本国の領土とされてしまう。焦った韓国は52年1月18日、突如、李承晩ラインを設定し、力で竹島を奪い、韓国領に編入した。

          以来、竹島は彼らに不法占拠され、今日に至る。不法占拠の海で捕獲したエビは控えめに言っても不法捕獲である。誇りをもって国賓にお出しできるようなものではないだろう。

          元慰安婦、李容洙氏(88歳)の晩餐会への招待は何よりも文在寅大統領の反日歴史戦争の姿勢を示す。文氏は2015年12月の慰安婦問題の日韓合意を「(これで)慰安婦問題が解決したというのは正しくない」と批判した。合意を見直したいという本音が透視される発言だ。

          おまけに文氏の支持勢力は皆、左翼勢力だ。慰安婦問題で反日を強める程、彼らは満足する。そのような背景が今回の招待につながったのであろう。

          ピンクの衣装の李氏はトランプ大統領に自分から手を差しのべ抱擁した。抱擁の写真はトランプ大統領が慰安婦問題で韓国の主張に共鳴し、女性に同情したというメッセージとしてこれから多くの場面で活用されていくだろう。

          晩餐会にこの女性を招くと決めた段階でこれらのことはある程度予想できたはずだ。提案したのは韓国側であろうが、米国側が受け入れた。慰安婦問題で渦巻く非常に複雑な感情の中で、米国務省が韓国側の感性を受け入れたといえるのではないか。

          問題のむつかしさがここにある。誰しも元慰安婦の女性は気の毒だと同情する。当時は公娼だった、もっと多くの日本人女性が慰安婦だったと言って正面からぶつかるようなことはしたくない。たとえ真実でも、気の毒な元慰安婦の女性という情緒の壁の前で事実は打ち砕かれる。それでも日本側は客観的な事実については語り続け、その一方で政治問題化を避けようと配慮してきた。

          今回、そうした努力は文政権には伝わらないことが明らかになった。だが、もっと大事なことは北朝鮮情勢だ。その背後の中国の脅威だ。より大きな危機を後回しにするかのような韓国政府の視野は余りに狭く、危機の深刻さを自覚していない。

          posted by: samu | 政治認識/中国韓国 | 18:14 | - | - | - | - |
          中国に「降伏文書」を差し出した韓国/鈴置高史
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            「我が国は中国の属国に戻った」と韓国の保守はうなだれる。

            白旗を掲げた韓国

            韓国が中国と関係改善で合意しました。

            鈴置:10月31日に中韓両国が双方の外交部のサイトに「合意文」を掲載し、そう唱えました。「関係改善」と言いますが要は、韓国が中国に「言う通りにします」と白旗を掲げたのです。

             中国は在韓米軍へのTHAAD(地上配備型ミサイル迎撃システム)配備にインネンを付けて様々の嫌がらせをした結果、ついに韓国を従わせました。「合意文」は降伏文書です。

             韓国外交部のサイト「韓中関係改善に関連した両国の協議の結果」(韓国語版)の要点を訳した「中韓合意のポイント」をご覧下さい。中国外交部のサイト(中国語版)の「合意文」はこちらです。

            ●中韓合意(2017年10月31日)のポイント

            • 韓国側は、中国側のTHAAD問題に関連する立場と懸念を認識し、韓国に配置されたTHAADは、その本来の配置の目的からして第3国を狙うものではなく、中国の戦略的安全保障の利益を損なわないことを明らかにした。
            • 同時に中国側は韓国側が表明した立場に留意し、韓国側が関連した問題を適切に処理することを希望した。双方は両国軍事当局の間のチャネルを通して、中国側が憂慮するTHAAD関連問題に対し、話し合いを進めることで合意した。
            • 中国側はMD(ミサイル防衛)構築、THAAD追加配備、韓米日軍事協力などと関連し、中国政府の立場と憂慮を明らかにした。韓国側はすでに韓国政府が公開的に明らかにした関連する立場を改めて説明した。
            • 双方は韓中間の交流・協力の強化が双方の共同利益に符合することに共感し、全ての分野での交流・協力を正常的な発展軌道に速やかに回復することに合意した。

            ※注:韓国外交部のサイト「韓中関係改善に関連した両国の協議の結果」から作成

             まず、韓国は「THAADは中国を狙ったものではなく、中国の安全保障上の利益を損なわない」と約束させられました。

             これにより、北朝鮮の核問題が何らかの形で解決したと中国が判断すれば、中国は韓国に「THAADはもう不要だろう。米軍に撤去させよ」と命じることができるようになりました。

             仮に北朝鮮の核ミサイルの脅威がなくなったとしても、中国の核の脅威は残ります。米国がTHAADという防御兵器なしに、在韓米軍を置き続けるかは疑問です。

             中韓合意は米軍の撤収、さらには米韓同盟の破棄を呼ぶものなのです(「米国はいつ『韓国放棄カード』を切るのか」参照)。

            中国の代わりに質問した与党議員

            中国は先を見て布石を打ったのですね。

            鈴置:それだけではありません。今すぐにも米韓同盟の亀裂を深める文言も入れさせました。

             韓国は米国とのMD(ミサイル防衛)構築、THAADの追加配備の容認、日米韓3国軍事同盟など中国包囲網への参加――の3点には応じないと約束させられました。いずれも中国が前々から飲むよう、韓国に迫っていた案件です。

             合意文の「中国側はMD構築、THAAD追加配備、韓米日軍事協力などと関連し、中国政府の立場と憂慮を明らかにした。韓国側はすでに韓国政府が公開的に明らかにした関連する立場を改めて説明した」という部分がポイント中のポイントです。

             この2つの文章がどうつながるのか、合意文を読んだだけでは分かりません。が、発表前日の10月30日の動きを合わせて見ると意味が分かります。韓国政府は中国の「立場と憂慮」つまり3点の要求について、韓国も「同じ立場」であると表明していたのです。

             10月30日、韓国国会で与党議員が康京和(カン・ギョンファ)外交部長官に「中国との関係改善の障害となっている3点をどうするのか」と質問しました。康京和長官は以下のように答えました。

            • MDに参加しないとの従来の立場に変化はない。THAADの追加配備は検討していない。韓米日の軍事協力が3国間の軍事同盟に発展することはないとはっきりと申し上げる。

             これが「3NO」と呼ばれることになる答弁です。康京和長官は「韓国の立場は中国の要求を満たしている」と指摘し事実上、要求の受け入れを約束したのです。

            ●韓国が中国に表明した「3NO」

            • 米国とMDは構築しない
            • THAAD追加配備は容認しない
            • 日米韓3国同盟は結成しない

             与党議員の質問はもちろんヤラセです。朝鮮日報も「中国が聴きたい言葉を与党議員が聞き、康長官が答弁した」(10月31日、韓国語版)でそう書いています。

            中韓の掛け合い漫才

             早速と言うべきか同日午後、中国外交部の会見で、康京和長官の「3NO」――中国政府は「3不」と表現していますが――に関し質問が出ました。

             人民網・日本語版「外交部、THAAD問題で韓国側に約束実行を望む」(10月31日)によると、華春瑩報道官はこう答えました。

            • 中国側はこの3点の発言を重視している。中国側は米国によるTHAADの韓国配備に一貫して反対している。韓国側が上述の約束を具体的に実行し、問題を適切に処理して、中韓関係が平穏で健全な発展の道に早期に戻る後押しをすることを望む。

             中国は時を置かず「約束は守れよ」と念を押したのです。なお韓国紙によると、中国の会見でこの質問をしたのは中国メディアの記者でした。中国政府の意向に沿ったものでしょう。

             中韓は、それぞれの外交部を舞台にしたヤラセ問答により「3NO」合意を確認しました。そしてこの「掛け合い漫才」を担保に翌日、両国は合意文を発表したのです。

            なぜ、合意文に「3NO」を書き込まず、そんな回りくどい芝居を打ったのですか。

            鈴置「3NO」は米国との前々からの合意を踏みにじるものだからです。中国は米韓同盟を揺さぶるため「3NO」を合意文に入れさせようとした。しかし韓国が抵抗したので「答弁方式」を採ったのでしょう。(後略)



            株式日記と経済展望ブログより(私のコメント)

            朝鮮半島をめぐってアメリカと中国とが鍔迫り合いをしていますが、問題の焦点は北朝鮮よりも韓国にあります。アメリカは韓国の生みの親であり、経済援助や軍事援助をし続けてきました。朝鮮戦争では4万人のアメリカ人将兵の命が失われています。中国の義勇兵は11万人が亡くなっている。

            朝鮮戦争はそれほど昔の戦争ではないにもかかわらず、どれほどの死者が出たのかもはっきりしない戦争であり、説によれば500万人が死んだと言われています。多くが民間人であり、敵国の兵士を殺すよりも同じ国内の民間人を殺害する凄惨な戦争であり、最終的にはアメリカ軍と中国軍との戦争になってしまった。

            金日成にしても李承晩にしても、同じ朝鮮人としての自覚がなく、アメリカとソ連との代理人として戦争を始めてしまった。金日成としては電撃戦で簡単に韓国を併合できると見ていたようですが、アメリカ軍の反撃によって逆に中国国境まで追い詰められてしまった。今度は中国軍の反撃で押し返されて、中国とアメリカとの戦争になってしまった。

            この事からも、朝鮮半島は国ではなく地域に過ぎないのであり、歴史的に見れば千数百年に及ぶ中国王朝の一部だった。朝鮮半島は中国王朝の首都の至近距離にもかかわらず領土に組み入れられなかったのは、日本との緩衝地帯として属国として置かれてきたようだ。古代も日本と中国とのせめぎあいの場であったし、秀吉の時代でも明との戦争があった。

            近代から現代でも、朝鮮半島は日本やアメリカと中国との勢力争いの場であり、国家として独立した外交は取れなかった。朝鮮は一度として中国との戦争に勝ったことはなく、朝鮮学校では高句麗が勝ったとか新羅が唐を破ったとか教えているようですが、高句麗は南満州族の国であり、新羅が唐を破ったといっても百済にあった唐の城を落としただけであり、唐に攻め込んで勝利したわけではない。

            中国が、朝鮮半島を直接支配しなかったのは地政学的なものであり、朝鮮半島を支配しても北部を遮断されてしまうと中国は補給ができず孤立してしまう。だから現代の北朝鮮は地政学的に重要だ。朝鮮戦争でも仁川逆上陸で北朝鮮軍は孤立してしまった。だから属国として朝鮮半島は間接支配下に置いた。

            中国から見れば、日本という国がなければ朝鮮半島支配は楽だったのでしょうが、中国王朝も昔から武勇に優れた満州族や蒙古族の南下に苦しみ続けて来た。だから朝鮮半島を支配しても満州族が南下して北朝鮮あたりを支配されると半島南部は孤立してしまう。

            韓国が存在し続けるためには、アメリカや日本の支援が必要不可欠であり、それがなければ韓国は再び中国の支配下に置かれるようになるだろう。韓国は自らを小中華と言っているように、中華民族の一族と捉えており、日本人はそれを理解していない。だから日本を見下した態度をとるのはそのためだ。

            アメリカにとっては朝鮮半島は特に重要とは言えないのですが、アチソンラインの外側として重要視しなかった。そのために朝鮮戦争が起きましたが、冷戦時代の象徴のような戦争となり、韓国は西側のショーウインドウとして高度経済成長した。そのためにアメリカは韓国に対して多くの援助を行い日本に対しても韓国に援助しろと強制してきた。

            しかし小中華の韓国がアメリカに感謝するという意識はなく、むしろ反米感情を高めている。日本に対しても同じ感情を抱いている。千数百年に及ぶ中国王朝の半島支配の歴史は朝鮮人のDNAに深く刻まれてしまっており、独立国家の自覚を持つには数百年の時間がかかるだろう。

            テレビでも韓国の「三つのNO」は簡単に触れられていましたが、アメリカの意向を完全に無視したものだ。それに対するトランプ大統領の反応が良く見えない。あるいは見ないふりをしているのだろうか。韓国は米中との股裂き状態となり、双方の言うがままの態度をとっている。これでは双方の不信を買うだけで韓国の悲劇が続くことになる。日本は見ているしかない。

            posted by: samu | 政治認識/中国韓国 | 09:10 | - | - | - | - |
            「 日本の悪夢、米中の大取り引きはあるか 」櫻井よしこ
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              『週刊新潮』 2017年11月9日
              日本ルネッサンス 第777回

              11月5日からドナルド・トランプ米大統領がアジアを歴訪する。北朝鮮情勢が緊迫する中で最も注目したいのが中国訪問である。
               
              折しも習近平国家主席は第19回中国共産党大会を乗り切ったばかりだ。自身への権力集中で専制独裁者並みになった習氏にトランプ氏はどう向き合うのか。アメリカは価値観の旗を掲げ公正な秩序の形成と維持に貢献し続けられるか。トランプ・習会談は、間違いなく、アジア、とりわけ日本の命運を大きく左右する。
               
              気になる記事が10月28日号の「ニューズウィーク」誌に掲載された。同誌や雑誌「タイム」の執筆者として知られるビル・パウエル氏による米中関係の分析である。
               
              トランプ大統領が北朝鮮問題で中国と「大取り引き」(grand bargain)するのではないかというのだ。氏の分析はヘンリー・キッシンジャー元国務長官が10月にホワイトハウスを訪れたことに端を発している。
               
              キッシンジャー氏の親中振りは周知のことだ。「年老いて弱くなったキッシンジャー氏がホワイトハウスに入ったそのタイミングが重要だ」と、パウエル氏は書いた。トランプ政権がアジア歴訪を前にアメリカのアジア政策を検討中に、大統領に助言することの意味は大きい。
               
              パウエル氏の書く中国との大取り引きとは、➀中国は全ての手段を用いて金正恩氏に核計画を諦めさせる、➁アメリカが検証し納得する、➂アメリカが北朝鮮を正式に認め経済援助する、➃在韓米軍2万9000人を撤退させる、である。
               
              在韓米軍の撤退は北朝鮮だけでなく、中国にとっても願ってもないことだ。反対に、韓国の安全にとっては危険を意味し、日本にとっては最悪の事態である。
               
              米中のこのような取り引きの前提と見做されているのが、ティラーソン国務長官が繰り返し表明してきた「4つのノー」の原則である。
               
              つまり、➀北朝鮮の政権交代(レジームチェンジ)は望まない、➁北朝鮮の政権は滅ぼさない、➂朝鮮半島統一は加速させない、➃米軍を38度線の北に派遣しない、である。

              米韓同盟は消滅する
               
              米軍が北朝鮮に入らない、つまり北朝鮮における中国の権益は侵害しないと言っているのであり、中国側が4つのノー政策に強い関心を寄せるのも当然だ。いま北京を訪れるアメリカの要人は皆、4つのノー政策に関して国務長官はトランプ大統領の承認を得ているのか、どこまで真剣な提案なのか、トランプ大統領はこれを正式な政策にするのかなど、質問攻めにあうそうだ。
               
              キッシンジャー氏も、別の表現で、アメリカは中国の思いを掬い上げるべきだとの主張を展開している。たとえば今年8月11日の「ウォール・ストリート・ジャーナル」紙への寄稿である。その中で、年来のアメリカの対北外交は全く効果を生んでいない、その原因は「米中の目的を融合させることができなかったから」だと指摘している。
               
              米中は核不拡散で原則的に一致していても、各々の主張の度合は異なるとして、キッシンジャー氏は中国の2つの懸念を説明している。ひとつは北朝鮮の分裂又は混乱がもたらす負の影響への中国側の恐れである。もうひとつは、半島全体を非核化したい、国際社会の合意形成はともかくとして、朝鮮半島全体を非核化地域として確定したいとの中国の思いについての指摘だ。
               
              ティラーソン氏の4つのノーに従えば、米軍は朝鮮半島から撤退する。即ち米韓同盟は消滅する。当然、中国の影響力は格段に強まる。アメリカはそれを受け入れ、さらに朝鮮半島からの難民の流入や多くの少数民族への影響を中国が恐れていることに留意してやるべきだと、キッシンジャー氏は言っているのである。
               
              氏の中国への配慮は非常にきめ細やかだが、日本に対してはどうか。朝鮮半島の非核化を固定化したいという中国とそれに同調するキッシンジャー氏の頭の中には、その先に、日本には未来永劫核武装を許さないという信条があると考えるべきだ。この寄稿を読んで、私は1971年に周恩来首相に、在日米軍は中国に向けられたものではなく、日本の暴走を許さないための配備だと氏が語っていたことを思い出した。
               
              斯様にキッシンジャー氏は論文で中国の主張を代弁しているのであり、氏は同じようなことをトランプ大統領に助言したはずだ。
               
              北京の代弁者としてのキッシンジャー氏が中国政府にとって如何に重要な人物かは容易に推測できる。そのことを示すスピーチが、今年6月にロンドンで行われていた。

              最悪の事態
               
              マーガレット・サッチャー元首相の名を冠した安全保障関連のセミナーでのことだ。氏はサッチャー氏の先見性のある戦略論を讃えた後、中国について論じ、習氏を20世紀初頭の大戦略家、ハルフォード・マッキンダーにとって替わる存在と位置づけた。一帯一路構想で習氏が世界の中心を大西洋からユーラシア大陸に移行させたと持ち上げた。古代文明、帝国、グローバル経済と発展した中国が、西洋哲学とその秩序に依拠していた世界を新たな世界へと転換させていると評価した。

              「この進化は中国の過去半世紀間での3つ目の大転換だ。毛沢東が統一を、小平が改革を、習近平が2つの100年を通して中国の夢を実現しようとしている」と、氏は語った。
               
              中国共産党成立100年に当たる2021年、中華人民共和国建国100年に当たる2049年、2つの100年で、中国はそれまでの人類が体験したこともない程強力な国家となり、並び立つものがない程豊かな国民一人当たりの富を実現すると、描写している。
               
              共産党大会で中華民族の復興の夢を3時間余りも語った習氏の主張と、キッシンジャー氏の演説は重なっている。高揚した気分も同様だ。注目すべきことは、この演説が今年6月27日に行われていることだ。習氏の第19回共産党大会での演説は10月18日であるから、習演説の約4カ月も前に、その内容を先取りして行われたのだ。氏は習氏の考え方の全容をずっと前から聞いていたのだ。
               
              田久保忠衛氏が語る。

              「習体制と一心同体のようなキッシンジャー氏が、トランプ氏がアジア外交を考えている最中にホワイトハウスに招かれ耳打ちをした。米中関係が氏の思い描く方向に行けば、米朝の軍事衝突などあり得ない。日本は取り残され拉致被害者救出も含め、中・長期的に日本の出番はないでしょう。日本にとっての最悪の事態です」
               
              自力で国も国民も守れない日本はどうするのか。もう遅いかもしれないと思う。それでも、強調したい。一日も早く、独立不羈の精神を取り戻し、憲法改正を実現することだ。それが安倍晋三首相の使命である。

              posted by: samu | 政治認識/中国韓国 | 10:18 | - | - | - | - |
              中韓通貨スワップ全く効力なし/田村秀男
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                トランプ米大統領が日韓中などアジアを歴訪し、北朝鮮が俎上に載る。追い込まれる金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の出方次第で半島情勢が緊迫化する。そこで、なぞなぞ。日米韓の平均株価のうち年初来、10月末までに最も上昇したのはどれでしょう?(夕刊フジ)

                 答えは韓国。10月30日時点で今年1月初めに比べ、韓国株価総合指数は27%上昇し、米ダウ工業平均の17%、日経平均の12%を大きく上回っている。前大統領の弾劾に加え、北はミサイル発射に加えて核実験にも踏み切り、「ソウルを火の海にする」とまで息巻く。ところが、政局混乱も北からの脅威もどこ吹く風と言わんばかりに上げ相場が続いてきた。

                 韓国株購入の主力は海外勢である。外国の投資ファンドの安定した買いに国内の投資家もつられる。それにしても、景気の復調が顕著な米国を上回るスピードで韓国株価が上がるとは、驚きである。バブルや暴落の不安はないのだろうか。

                 グラフは韓国の対外負債(海外にとっては対韓金融資産)の推移を、2008年9月のリーマン・ショック前から追っている。一目瞭然、負債は09年3月を底に急増を続け、今年6月末には2倍近く膨らんだ。その間の負債増加分の実に87%は外国からのポートフォリオ(株式など金融商品)投資が占める。海外の投資ファンドによるポートフォリオ投資は極めて投機的で、強欲そのものである半面で、逃げ足も速いはずである。

                韓国は20年前、外国からの短期借り入れに依存していたために、アジア通貨危機に巻き込まれた。それを教訓に、韓国経済界は対外負債の長期化を図ってきたが、リーマン後は投機的な売り買いが可能な金融商品を通じた資金流入に偏重してきた。

                 これまでは幸いなことに、外国の投資ファンドは「朝鮮半島有事」にひるむことがなく、強い国際競争力を誇るサムスンなど輸出企業に投資してきたのだが、本物の緊急事態とみれば、一斉に引き揚げかねない。となると、ウォンは暴落する。

                 そんな不安におびえる韓国経済界は以前から日本に対し日韓通貨スワップ協定の再開を求めてきたが、「慰安婦」合意を履行しない韓国に対して、日本政府は応じないままだ。

                 それに加えて、10月10日には中国との通貨スワップ協定が期限切れになったが、中国は韓国の懇請に対し3日後にスワップ協定延長に同意し、契約にサインした。さらに、中韓は10月31日、米軍の地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)の韓国配備を巡って悪化していた両国関係の改善で合意したと伝えられる。中身は不明だが、ソウルの北京への従属関係が一層強まるのは不可避だ。

                 中韓スワップは人民元建てで、たとえ全額ドルに換金できても約560億ドルで、外国の対韓金融商品投資7000億ドル超の1割にも満たない。政治的対中屈従の代償は不確かだし、あっても極めて少ない。最後は日本に泣きつくのだろうか。(産経新聞特別記者・田村秀男)

                posted by: samu | 政治認識/中国韓国 | 18:31 | - | - | - | - |
                「 「偉大なる指導者」の地位目指す習近平 厄介な中国との対峙に向けて憲法改正を 」櫻井よしこ
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                  『週刊ダイヤモンド』 2017年11月4日号
                  新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1205

                  中国共産党第19回全国代表大会での習近平国家主席の演説を日本語訳で読んだ。「中華民族は世界の民族の中にそびえ立つ」などの表現をはじめ、国民の愛国・民族感情に訴えつつ、世界にそびえ立つ超大国を目指していることがどの文節からも伝わってくる。習氏が謳い上げた中国の本質は、中国は呑み込む国だということだ。周辺諸国は中国と関わることで呑み込まれてしまう。

                  習氏は演説冒頭で「小康社会」を実現し、「中華民族の偉大な復興という夢を実現する」と国民に呼びかけた。

                  小康社会とは「経済、民主、科学、教育、文化がいっそう発展、充実し、社会が調和的になり、人民の生活がいっそう豊かになった」社会だという。その目標を2020年までに達成し、その後、30年間奮闘して新中国建国から100周年(49年)までに「社会主義現代化国家」を築き上げるという。

                  社会主義現代化国家とは、中国が経済、科学技術において優れた大国の地位を占め、国民が平等に発展し、法治国家の基本を守り、中華文化が世界に広く影響力を行使する国だそうだ。このような方向に現在の中国が向かっているとは思えず、習演説に溢れているのは自画自賛の美辞麗句だと言ってよいだろう。

                  習氏は今年から来年が「2つの100周年の奮闘目標の歴史的合流期だ」とも語った。中国共産党創立100周年(2021年)までに前述の小康社会を実現し、中華人民共和国建国から100年目に社会主義現代化国家を完成させると言う。

                  偉大なる中華民族の夢を実現する柱の一つが「中国の特色ある軍隊の強化」である。20年までに「国防・軍隊建設」を質的に高め効率化し、情報化を進めて戦略能力を大幅に向上させ、35年までに人民解放軍をあらゆる面で世界一流の軍隊に構築すると表明している。

                  国家が富み強くなることと、軍隊が強くなることは全く同じことだと、習氏は強調し、軍人は除隊後も家族共々、権利、利益を守られる国にするそうだ。精神的にも軍人が社会全体から尊敬される職業にしていくとしている。

                  国家を担うのは、結局、人材だという認識に立ち、共産党の党幹部たるための基準を定めている。たとえば「才徳兼備・徳の優先」「津々浦々・賢者優先」「事業至上・公明正大」だ。

                  習氏を取り巻く幹部らを含めて、中国共産党の党員全員が不正蓄財していると見るべき現在の中国社会で、徳の優先がどこまで通用するのか。果たしてそのような価値観がこれから根づいていくのか。汚職などの嫌疑をかけられて自殺した官吏は、文化大革命の嵐が吹きすさんだときより習氏の五年間の統治のいまの方が多い。それだけ徹底している腐敗体質の中国共産党が変わり得るのか、見詰めていきたい点だ。

                  幹部養成教育と並行して行われるのが一般国民の教育である。教育の柱として「愛国主義、社会主義の旗印」が明記されている。中国の愛国主義は反日主義と同義語だ。当然、日本人としては不安を覚えざるを得ない。

                  中国に内包されてしまった民族を含めて、周辺民族や近隣国家にとって非常に気になるのは「人類運命共同体」や「各民族がザクロの実のように寄り集って共に発展する」というスローガンだ。多民族の上にそびえ立つ中華民族の下で、ザクロの実の一つのように包摂されたり、運命共同体にされたりするのは真っ平だからだ。

                  習氏は毛沢東や小平(とう・しょうへい)に並ぶ「偉大なる指導者」の地位を目指している。わが国はその習氏の中国と協力或いは対峙していかなければならない。この厄介な国を避けることはできないのだ。であれば、自民党が大勝したいま、国としての基盤を整えること、そのためにも憲法改正が必要なのは明らかだ。

                  posted by: samu | 政治認識/中国韓国 | 15:02 | - | - | - | - |
                   北朝鮮危機の先に待ち受ける悪夢の筋書き /櫻井よしこ
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                    『週刊ダイヤモンド』 2017年10月28日
                    新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1204
                     

                    朝鮮半島問題でいつも深い示唆を与えてくれる「統一日報」論説主幹の洪熒(ホン・ヒョン)氏がこのところ頻りに繰り返す。

                    「韓国も北朝鮮もレジームチェンジが必要だ」と。

                    北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長がその国民を幸せにせず、周辺諸国に重大な危機をもたらしていることから考えれば、北朝鮮のレジームチェンジに多くの反対はないのではないか。では、韓国の文在寅政権の場合はどうか。洪氏が語る。

                    「文氏では大韓民国は消滅します。韓米同盟もなくなります。結果として、朝鮮半島は中国が握る。そんな世界にしないために、レジームチェンジが必要なのです」

                    北朝鮮有事が目前に迫っている。11月中旬以降は何が起きても驚かない。明らかなのは、トランプ米大統領が金氏の斬首作戦をひとつの柱として軍事作戦の準備を進めつつあることだ。

                    軍事攻撃よりも話し合い路線での解決を目指しているティラーソン国務長官は10月15日、「最初の爆弾が落とされるまで外交交渉を諦めない」と語った。交渉にかける熱意と共に、軍事行動に出るというトランプ大統領の決定は動かないことを強く示唆した言葉だった。

                    ティラーソン氏の努力が奏効して、最後の最後で金氏が核を放棄すれば軍事攻撃は回避できる。だがそうでない場合、洪氏の懸念が実現しかねない。

                    朝鮮半島問題の専門家で国家基本問題研究所の西岡力氏が説明した。

                    「米国の北朝鮮攻撃は海軍と空軍による攻撃に限定されると思われます。トランプ大統領は決して米陸軍を投入しない。米軍も韓国の陸軍で北朝鮮は十分、片づけられると見ています。問題は文大統領です。彼が出動を拒否する可能性があります」

                    文氏の政治姿勢は徹底した親北朝鮮である。国連安全保障理事会は9月11日、全会一致で対北朝鮮でこれまでになく強い経済制裁を採決した。だが、10日後の21日、文政権は北朝鮮に計800万ドル(約8億9000万円)を支援すると発表して顰蹙を買った。文氏の真の祖国は韓国ではなく北朝鮮ではないかと思わせる。

                    そんな文氏であれば、対北朝鮮軍事攻撃の下命を拒否するかもしれない。西岡氏が続けた。

                    「その場合は中国の人民解放軍が進軍します。米国が金氏を殺害し、核関連施設も含めて北朝鮮の軍事施設の殆どを破壊したあと、中国が北朝鮮に展開する。そしてそこを支配する。悪夢のような現実に私たちは向き合うことになるかもしれません」

                    中国が支配する北朝鮮も悪夢だが、もうひとつの悪夢も考えられる。文氏が北朝鮮への進軍を拒否すれば、米韓同盟は破棄される。米軍は韓国から撤退する。北朝鮮的体質の朝鮮半島を中国が取り、これから幾世紀も日本と敵対する朝鮮半島が生まれるのだ。北朝鮮の核の危機の先に、新たな、もっと深刻な危機が待ち受けていると考えなければならない。

                    北朝鮮有事で、わが国が最優先すべきは、拉致被害者の救出である。自衛隊が救出に出動しなければならないのは勿論だ。それだけでなく、本来なら、日本の未来を見据えて自由と民主主義の価値観を共有する米韓両国と共に、自衛隊も戦うのがよい。しかし、韓国がおかしくなり、米軍は地上戦に消極的だ。おまけに当欄でも指摘してきたように、自衛隊は憲法で縛られていて拉致被害者救出さえ儘ならない。いずれにしても米韓両国軍と共に戦うことは不可能だ。

                    かといって中国に朝鮮半島を奪われてよいのか。何もしない、できない国のままで、これからの日本を守れるのか。自ら努力しなければ守れないのである。そのことを問うていたのが今回の選挙だ。

                    posted by: samu | 政治認識/中国韓国 | 10:33 | - | - | - | - |
                    「 日本の実力、備えもなしに国民は守れない 」櫻井よしこ
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                      『週刊新潮』 2017年9月28日号
                      日本ルネッサンス 第771回

                      横田めぐみさんの拉致から今年で40年、家族会結成から20年、蓮池薫さんら5人の帰国から15年だ。

                      長い年月が過ぎ去ってしまった。13歳のめぐみさんは53歳に、御両親の滋さんと早紀江さんは84歳と81歳になった。それでもまだ、日本国は拉致被害者を救い出し得ていない。なぜか。

                      この問いについて私は昨年12月22日号の本誌で、小泉政権下で拉致被害者家族担当の内閣官房参与を務めた中山恭子氏の体験をお伝えした。02年に当時の小泉純一郎首相が訪朝し、5人が帰国した。外務省は1週間の滞在後、5人を北朝鮮に帰すつもりでいたが、中山氏は日本国政府の意思として全員を日本に残すべきだと主張した。

                      当然だ。拉致被害者の誰も望んで北朝鮮に行ったわけではない。縛られ、袋詰めでさらわれた人々だ。日本国による救出をずっと待っていた、そしてようやく帰国できた人たちを、向こうに帰すなど、主権国家としてあり得ない。だから中山氏は「国家の意思の問題だ」と言明した。

                      すると電話やファックスが舞い込んだ。国家などと言うのは何事かという非難だった。国家の責務は国民を守ることにある。国民が拉致されれば取り戻す。にも拘わらず、メディアも国民も官僚も、大半の政治家も「国家の意思」を否定した。日本国は官民共に拉致被害者を救い出す責務を全く認識していなかったということだ。これでは拉致被害者救出は絶対にできない。

                      たった1人、中山氏の主張に耳を傾け、同意した政治家がいた。それが安倍晋三首相だった。当時官房副長官だった安倍氏は、5人を政府の意思で日本に残すと決断した。

                      それから15年、現在の日本で、「国家の意思」と言っても批判されることはない。むしろいまは、北朝鮮のミサイルや核の脅威を縫って国家として如何に国民を守るのかという議論がなされている。国家の意思はもはや禁句ではなくなり、世界の常識がようやく日本に浸透し始めたのだ。次に問われているのは、具体的にどう守るのか、日本に守る力があるのかという点だ。

                      完全にアメリカ頼み

                      この問いに、多くの人が第一に挙げる解決策が、日米安保条約を緊密にしてアメリカに守って貰う体制を確実にするということだ。私も国民の命を防衛する方程式を問われたら、その点を強調する。けれど、アメリカの拡大抑止、核の傘がいつまで頼りになるのかが危ぶまれるいま、日本はブレジンスキー元大統領補佐官の言う「事実上の被保護国」の立場から一日も早く脱け出さなければならない。そのためにも、国際社会の常識に比べて私たちの国がどれだけ、「異常」か、無防備で脆弱か、その厳しい現実を知ることが重要だ。政府は国民に日本の危機的状況を積極的に伝えなければならない。

                      8月29日に北朝鮮のミサイル「火星12」が発射され、日本の領土上空を越えて太平洋上に落下したとき、安倍首相はこう語った︱「政府はミサイル発射直後からミサイルの動きを完全に把握して」いる。

                      9月15日の火星12は8月より飛距離を1000舛眇ばし、高度は200曽紊って800舛肪した。これで北朝鮮のミサイルはアメリカのグアムを攻撃することが可能になったと見られる。アメリカの苛立ちは高まり、アメリカ国民の53%が対北朝鮮軍事行動に賛成を示している。日本にも韓国にも米朝対立の余波は否応なく押し寄せる。そこに新たなより脅威度の高いミサイルが発射された。このときも安倍首相は同じコメントを出した。

                      自民党幹部は懸念する。

                      「日本が北朝鮮のミサイル発射を捕捉していたと言っても、アメリカと韓国の情報です。日本の独力では、ミサイルが日本上空に接近してからでないと把握できず、遅すぎます」

                      9月8日の「言論テレビ」で小野寺五典防衛相は、陸上配備型イージスを導入すれば、日本の弾道ミサイル防衛能力は高まり、2基の導入で日本全域を守ることが可能だと語った。しかし、実戦配備までに3年はかかる。その間どうするのか。

                      前出の自民党幹部が語る。

                      「北朝鮮がミサイルや核についてどのように動いているのかを探るのは早期警戒衛星です。わが国にはこのような衛星はありませんから、完全にアメリカ頼みです。アメリカが情報を提供してくれなければ、いつミサイルが発射されたのか、その種類、方向、高度、ブースターが切り離されるタイミングなど、わが国だけでは判断できません。アメリカの協力があって初めて弾道ミサイルへの対処策も現実に考えることができるようになりますが……」

                      と次のように語る。

                      本当に日本を守れるのか

                      「いま弾道ミサイル防衛で一番活躍するのが海上自衛隊のイージス艦に積んでいるSM3というミサイルロケットです。これは日本を攻撃するミサイルを撃ち落とします。これでさえ、しかし、最高高度は500舛任后K鳴鮮が15日に発射した火星12は高度800舛任垢ら、SM3では届かないのです」

                      高度1000前幣紊硫良型SM3を日米で共同開発中だが、実戦配備には2021年までかかるという(9月16日「産経新聞」)。

                      今年3月、自民党政務調査会は「敵基地反撃能力の保有」などを求める提言を発表した。飛んで来たミサイルは数発なら迎撃できても数十発も撃ちこまれれば防ぎ得ない。そこで国民を守るために、攻撃の兆候が確認できたら直ちに敵の発射基地を叩くことが望まれる。そこまでは憲法が認める自衛権の範囲内であり、これを認めようという提言だ。ここまではよいが、そのあとに、こう書いている。

                      「敵基地の位置情報の把握、それを守るレーダーサイトの無力化、精密誘導ミサイル等による攻撃といった必要な装備体系を現在の日本は保有せず、保有の計画もない」と。

                      何を言っても何を議論しても、わが国には能力がないということではないか。北朝鮮の核武装を受けて韓国やアメリカで日本の核武装について活発に議論され始めた。だが日本では非核三原則(核を作らず、持たず、持ち込ませず)を議論することにさえ強い反対がある。

                      9月17日、フジテレビ「新報道2001」で民進党の江田憲司氏は三原則を議論することは、見直しに通ずると反対していた。しかし、三原則に拘(こだわ)れば、恐らく核を積んでいると思われるアメリカのイージス艦の日本寄港さえも不可能になる。それで本当に日本を守れるのか。

                      このような現実を皆で広く共有するところから、真の意味で日本国民を守る防衛策が生まれるはずだ。そのとき初めて、拉致問題も含めて日本の問題解決能力が強化される。

                      posted by: samu | 政治認識/中国韓国 | 18:02 | - | - | - | - |